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hurukawaren1220さんのサクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-の長文感想

ユーザー
hurukawaren1220
ゲーム
サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-
ブランド
得点
100
参照数
388

一言コメント

すか自哲学最高峰

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

すば日々で示された幸福に生きること。
そしてこれはその先にある物語
これがメインテーマです。
最初の健一郎の葬儀から大きな物語が始まることを予感、引き込ませるのは本当にすごい。
これはやろうとしてもそうできることではありません。
他人の感性に訴えてくる、それだけのCG、文章が繰り広げられます
そしてなんと言っても伏線でしょう張られた伏線を回収すると同時に次以降に回収される伏線を撒いて・・・すか自先生の頭の中どうなってるんだ。
6章「最悪は最高で最高は最悪。」もうねBGMも相まってとても感動しました。
そしてボリュームは多いのに無駄な話が何一つとしてない。これもまたすごいことで普通ここまで長くなると入れる必要の無い話の一つや二つ生まれるんですけどサクラノ詩にはそれがまったくない。
キャラは明石先輩が一番好き。ヒロインだと稟か藍の二択。
稟との決着は次回作のサクラノ刻で行われるのでしょう。

直哉は時間が経つごとに全てを失っていっていた。
絵描きとしての腕も、金も、思い出のマンションも、全てを。それでも彼は幸せだったと思います。
全てを失ってなお、彼は幸せだった。
対して稟はどうだったか彼女はあるものは取り戻し、あるものは得た。しかし彼女は幸福だったのでしょうか?富も名声も彼女は得た。しかし、私の目からは幸福には見えなかった。何でかはわかりませんがね。
別に彼女のことが嫌いなわけじゃありません。好きなヒロインも稟と藍のツートップですし。
ここの対比は上手く描けていたと思います。

私はこのエロゲに出会うためにエロゲーマーになったのだろう・・・そう思わずにはいられない作品でした。ここまで思えた作品はいくつかあるので軽く見えるかもしれませんが、それでも私はこのエロゲをやってよかったと胸を張って言えます。