三部作のラストに相応しい結末
殻から続く偏執も最後の三部作ラスト。
今回は偏執が事件の動機になる事は少なかった印象でした。今までが全部そうだったってだけなのですが。前園静は間宮心象には憧れを持っていると言われてますし、誘拐事件に関しては正直偏執という感じはしてませんし。
偏執と絡めるなら窪井千絵は前園静に対して偏執を持っていたから凶行に及んでるんでしょうし、鳴子愛美は友達という概念に偏執を持っていると言えるわけですが。
今までが偏執をテーマにした話だとすれば、この作品は偏執を断ち切る為の物語でしょう。だからこそ偏執以外の話も書いたのではないでしょうか。そういう意味ではやっぱり今作も偏執をテーマにしてるのかもしれません。偏執を断ち切る為の話なのですから。
エロゲとして失格という話はわかります。シーンは八木沼英理子とステラのみな上、2人とも短いムービーで済まされますし。正直エロゲとして見るなら点数はよくないでしょう。肝心のシーンが無いに等しいのですから。近頃シーンはサブエピソードでっていうエロゲを見かける機会は多いですし、それに対して何か言う気はありません。これは本編に入れられているものの2〜3分のムービー見てシーンが終わります。だからエロを求めてるのであれば、肩透かしを喰らうでしょうが前二作もお世辞にもエロに力を入れてるかと言われるとノーなのでそういう人たちはまず買わないでしょう。
真崎が空気とか言われてますが本当に真崎が空気だったと言えるのは、六識との対決前後くらいでしょう。前園静の偽物の遺体にも誰よりも早く気づいてますし、6年後は紫とのラブコメもある彼が空気というのはありません。六識前後が薄いと言っても六識に対しての因縁らしい因縁を真崎は持ち合わせてませんし。これで活躍されたらそれこそ出張りすぎというものでしょう。
事件を解決できれば基本的にはハッピーエンドにいけるようになってます。
ただ時坂探偵の偏執を本当の意味で解放できるのはTrueただ一つだと思いました。色羽と再会したあのエンドだけが本当の意味で時坂探偵を偏執から解放したのだと。
他は幸せそうなエンディングですけど時坂探偵の偏執は完全には解放されないエンドなのだと思います。
尚織が捕まらなかった事に一抹の不安はあるものの、彼ももう事件を起こす事はしない感じですし。(信用できるかは別として。)ただ、本当に事件を起こす気はないのでは?という気がします。そもそも、自殺と受け取れる内容の小説ですしその事にも言及されてますし。
色羽との再会は感無量でした。本当にこの瞬間を見れてよかった・・・。
殻の導入のリフレインですが、殻とは違い凶悪犯なんてものはいませんし、きっと今回は平和に色羽の出生の秘密を探るのだろうと思います。そうあってほしいと切に願います。冬子の為にもーーー。
殻ノ少女シリーズ3部作。本当にやれてよかったと思いました。恐らく、どこかで再走すると思います。紛う事なき神作です。誰がなんと言おうとも。