シナリオ構築の完成系の一つ、郷愁と町や物そのものに対する想い、そして清濁すべての感情を包み込んで、女の子て本当に可愛いなあと感じとれればこの作品は成功してるのかもしれない。
シナリオ:29/30 ヒロインと主人公の視点が変わりキャラの心理描写がしみ込んできます。
そしてもう一人の主人公の視点が交差する時、全てが昇華されるシナリオ構成の完成系の一例。
音楽:15/15 楽曲はすべてにおいてハイレベル、田舎の人々の住む場所の情景を現し、ボーカル曲もまさにこのゲームを表現してます。
(ジプリぽいですね)
原画:15/15 笛さんファンだからこの点はしょうがないというか完全に主観です。
今の作風とは若干異なってますが、田舎の雰囲気と完全にマッチした作画。
キャラ:10/10 全てのキャラに存在する意味があり、ヒロインはまさに清濁あわせもつのが人間を具現化してます、私的に爺ちゃんはいいです。
エロ:5/10 このゲームで唯一の弱点というかこの作品のエロにケチつけるのはヤボてもんです。
(シナリオとしての必要性ということで5点はいれました。)
システム:6/10 lightのシステム周りは本当に脆弱ですが、完全版になりかなり改善されてはいます。
世界観:10/10 夏になるとこの作品をとりだしてやりたくなるという時点で、田舎そして夏の雰囲気ともに文句はつけれません。
※雑感として
ダムに沈もうとしている田舎に帰ってきた2人の主人公の視点がクロスした時この作品は名作に変わります。
レビューに関しては古い作品ということもあり、もう自分が語ることもありません。
今のエロゲー市場にこういう作品をだしても受け入れられにくいでしょうし、こんなヒロイン達はみたくないと評価されるかもしれません。
なんとなく少し書いてみたくなったのは早狩さんの「Dies irae」に対する火に油をそそぐ発言があったからです。
(内容自体はLIFE・SYSTEM on WWWを参照して下さい。)
クリエイター、お金を貰ってる人間として軽率な発言だと感じます。
だけど「僕と、僕らの夏」という作品を振り返ると、言おうとしてる事は分かってしまいます。
只、少なくとも自分を含めて早狩さんの言おうとしてる事は一方的におしつけるものでなく、
僕夏に限らず作品を通じて読み取るものです。
クリエイター自身の口からこの発言はして欲しくなかったというのが正直な所ですね。