10章以降が面白い
各章の問題→解決フローで用いられるトリックがちょっと地味だったり、サブヒロイン√が前座みたいになっており道中がやや退屈なところがあったものの、終盤の伏線回収が凄かったことを含め、ストーリー全体で見るとかなり面白かったです。ブラフも含めてとにかく大量に伏線をばら撒いて、物語のピークに差し掛かったところで怒涛の勢いで回収していく流れは見事でした。10章で跳ねてからはもうずっと面白かった。
物語が一本道なのも良かったです。明確にメインヒロインが決まっているのもあって、全√まとめて一つの物語になっていると感じました。最後の最後でメインヒロイン√に入る瞬間の盛り上がりが凄くて、完全にお膳立てされているというか、終盤まで来ると所長を好きになっていないわけがないので否が応でもテンションが上がってしまう。年上お姉さんキャラにここまでハマってしまうとは......。
前述の通りサブヒロイン√が若干退屈だったというのはあったのですが、読了した後に思い返すとキャラに愛着を持たせるという点で重要だったのだなと思いました。サブキャラ含め全員のことを好きになっているからこその、最後の展開が本当に熱い。サブキャラクターが魅力的なゲームに外れは無い。万斎さんほんとすき。
色んなジャンルがごっちゃになってるような作品ですが、要素としてはやはりミステリーが強かったと思います。10章で扱われたクローズドサークルが面白かった。物語の閉じ方もタイムスリップものとして文句の付けどころがなく、綺麗に風呂敷が畳まれていたので良かったです。
正直10章入るまでは若干買ったの後悔してたところもあったんですが、一気に巻き返してくれました。逆転ホームラン。序盤中盤があんまり面白くない作品って多少終盤が盛り上がっても評価が覆りにくいところがあると思うんですが、この作品は桁が違いました。そしてそこからの満を持しての所長√なの、もう手のひらの上で転がされている感が本当に凄かった。所長とのイチャイチャは素直にかわEでした。