プレイ後の後味は確かに悪い、が決して何も残らない物語というわけではない
自分にとって好きな作品であるので、醜い文章で長々と書いております。ご承知ください。
まず最初に、前作のカルタグラをプレイしておくとより深く物語に入れるかも。(しなくても問題は生じないです
それと本当に理不尽にばったばったとキャラが殺されていくのが辛い。しかもグロく…。プレイするなら覚悟を持たないときつい。これによりこの作品は人を選んでると言って良いでしょう。ヒロイン等関係なく悲惨な目に遭っていきます。全てが上手くいくようなハッピーエンドは期待できません。
難易度はこの手のゲームの中では最高峰。攻略サイトを見たにも関わらずフラグを落とすこともしばしば。
推理ゲーなので証拠、状況など考えなければクリアは難しいです。しかも考えてもどうにもならないことも多々あるのでそこはマイナスかも。
登場人物は30人超え。物凄く人間関係が絡み合っています。よくもまぁここまで…と。正直後半になるにつれごっちゃになり上手く絡んでいるとは言えないですね。
凄いと思ったことに変わりはないけれど…。これも良くも悪くもこの作品の特徴。
様々な作家の影響を大分受けているようですが、この作品だけにある雰囲気を感じ取れたので自分としてはあまり気になりませんでした。気になる人は敬遠した方が良いと思われます。もろわかりのところもあるので。
作品の雰囲気の手助けをしているのが間違いなくCG、音楽でしょう。どちらもカルタグラの時から変わらず素晴らしいです。このメーカーさんの一番の強みですね。
デモムービーで流れている「瑠璃の鳥」はプレイ後に聞いてみると良いと思います。曲自体も良いですが歌詞も冬子の心情を窺える感じになってることに気付きます。
声優さんも良かったです。演技に関しては気になる部分もありましたが、声質がどのキャラも凄く合っていました。一人の方が複数演じていますがそれも気になりません。オーディションは大分プラスに働いたんじゃないでしょうか。
本当に様々なことを書きたくなる作品ですが…プレイして感じてもらうのが一番でしょう。テーマの殻や偏執についても様々に描かれています。多少偏執云々は強引に後半持ち出したように見えなくもありませんでしたが。
文句を言いたくなることがあるとすれば作中での冬子の心理描写についてです。
玲人との出会い、そして絵を完成させたことは彼女の救済となるのか。いや、絵を完成させたことも大切だけど、それを抜きにしても彼女は救済されていたのか。中盤~後半における彼女は玲人を、そして自分の身に起きた全てをどう感じていたのか…。その描写が圧倒的に足りません。(自分の頭が足りないのかもしれません
ですが、その描写や物語後の彼女の存在が語られないことが、悲しくもこの作品を綺麗に終わらせているのでしょう。
この綺麗で一見救いのない、しかし多くの想像を残す終わりにとても惹かれてしまいました。
もちろんそれだけじゃなく冬子の魅力にも。
よってプレイするならば全部とは言わずも、TrueEDは見るべきでしょう。