PC版の、設定や伏線投げっぱなしで途中でちょん切って強引に終わらせたようなエンドは相変わらずだし、戦闘パートもいまいちで、何週もしてるとただの作業と化す。全エンドを見るために何週もするのはつらいが、エンドの追加・変更、シナリオの加筆・修正のおかげで、それを見たいがためにクリア。
移植の際のシナリオ変更により、レベッカを除く各ヒロインの影が相当薄くなってる。
当然Hシーンはカットされているのだが、その最大の見せ場に変わるイベントがほとんど補完されてないため一枚絵が用意された少し優遇されたサブキャラ程度の扱いになってる。特に、カーナは不遇で、個別のエンドがあるわりになぜか影薄いし、いくつかあるどのエンドでも必ず死ぬ、もしくは死んでしまうであろうし、所属するテロ組織でも実験体、道具として扱われるなど酷い扱い。結構好きなキャラだったのでカーナしあわせエンドを作ってもらいたかった。
逆に待遇良くなったのはレナ・ブッティリスカヤ准将。PC版で悪役のサブキャラに過ぎなかった彼女に、エンドが用意されているとは思わなかった。最後は基地を守って敵の巨大HAWSと共に自爆してしまうのだが、自爆直前でのセルゲイとの会話で、テレジアへの思いを打ち明けるシーンではちょっとジーンときた。
そして良くも悪くも一番インパクトがあったのがレベッカ。エンドやイベントに良く出てくるしCGも増えてるが、一番強烈なのがカーナルートでセルゲイがHAWSで基地から脱走してそれを止めようとセルゲイのHAWSと対決する直前のセリフ。
「…軍曹、いえ、セルゲイ…私、本当に、あなたのことを思ってるんです。ですから、絶対にここで止めて見せます。たとえ、どんなカタチになったとしても」
「…ああ、でも安心してください。もしあなたが生死の境をさまようことになっても、また私が看病してあげますから」
「二度と起き上がれない、変わり果てた姿になっても、声一つ出せなくても、ずっと意識が戻らなかったとしても、いつまでも、いつまでも面倒を見てあげますから…だから…」
「…ダメよ、セルゲイ…ここから先は…絶対に行かせない!!」
以上のセリフのように惚れた男に逃げられたレベッカは一気にヤン化、それまでのイメージから正反対に。しかもエンドの1つでは、数年後、レベッカは「死の踊り子(ウィリー)」と呼ばれ恐れられる白銀のHAWSを操る凄腕パイロットとして成長し各地の戦場を転戦、逃走に成功したセルゲイをひたすら追い続ける。エンドCGの、愛機の前で腕を組み、佇む姿は歴戦の戦士としての風格すら感じさせるというすごい変わりよう。
このレベッカを見るだけでもPS2版をプレイする価値があるのかもしれない。