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houtengagekiさんのもんむす・くえすと! 終章 ~負ければ妖女に犯される~の長文感想

ユーザー
houtengageki
ゲーム
もんむす・くえすと! 終章 ~負ければ妖女に犯される~
ブランド
とろとろレジスタンス
得点
93
参照数
7208

一言コメント

中章から長い間が空いたものの、無事にリリースされた『もんむすくえすと』の完結編は、やはりというべきか完成度は非常に高く、シナリオ、実用性ともに非常に優秀なゲームでした。グロいモンスターの割合が増えてクセがさらに強くなったものの、やはり可愛いモンスター娘に性的に嫐られて精を搾り取られてしまうというのは、Mなプレイヤーにとっては素晴らしいものです。本作はそれを非常にねちっこく質の高いテキストで表現しているので実用性がとても高いわけですね。そういった醍醐味は終章でも衰えることはありませんでした。振り返ってみると前章、中章、終章それぞれルカの成長度やストーリーの進行に合わせ、エロシーンの味にそれぞれ少しずつ異なった良さがあるので、マンネリにならなかったところも良いと思います。プレイヤーの好みによって、どの章が一番良かったのかは変わってきそう。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 もんむすくえすとシリーズもいよいよ完結、結論から言えば
最後まで名作のクオリティのまま突っ走ってくれて高い満足感が得られました。
そして実用性が高くて大変でした。

 当然ながら、終章をやる前に前章、中章をプレイしておいたほうがいいです。
エロシーンだけならば終章単体でも楽しめるかとは思いますが、
結局のところエロシーンもストーリーに感情移入してたほうが実用性が高まると思いますし。



※ここからは中章までのネタバレが入ります


●ストーリーについて
 終章は、これまでのもんむす達とは違い、天使をはじめとする天界のキャラ達を相手に
戦っていくことになりますが、熱い展開が続いて実に面白い。
もんむすに負けると逆レイプされる、というコンセプトからストーリーが膨らんでいて
人間と魔物の共存を掲げて主人公ルカは旅をしているわけですが、
天界という共通の敵を前にして、勇者ルカを中心に人と魔物が結束していくストーリーは
まさに王道RPG的なストーリー展開の面白さでした。
よくあのコンセプトからここまで見事なストーリーに膨らませたなと感嘆します。
しかもキャラクターの個性は前章、中章を通じてしっかり掘り下げられてきただけに
感情移入も自然とできますし。
中盤、世界を巡る展開では、街での会話もまたいろいろ楽しめたのも嬉しい。

 物語が山場を迎えているだけにシリアス度が高いですが、
コメディ要素は少なめなもののちゃんとありますし、
ルカやアリスをはじめ数多くのキャラクター達はみんな魅力的。
特に四天王は出番こそ少なくなっているものの準主役格と言っていいぐらいの人格掘り下げぶりで
いっそう愛着が持てるようになっていましたし。
他にも前章の人気キャラであるプチ盗賊団や、各地の女王もんむす達には結構出番がありますし、
ファンサービスがしっかりしていたのはとても好感が持てました。

 そして敵キャラクター達も大きな魅力を持っていたのが実に良かった。
強い信念に従って生きている天使プロメスティンは生き様に見応えがありますし、
ゾンビ使いのラ・クロワなども強い葛藤を抱えていて人格的な深みが感じられる。
そうしたボスキャラクターとの戦闘は演出的にも非常に熱くて盛り上がります。
特にラ・クロワ戦の連戦とその結末は、燃える展開のあとに切なさが待っていて実にいい読み応え。
敵キャラクターたちの過去話なども、いいタイミングでほどよく挿入され、
単純な悪役でない彼女たちの魅力のおかげで、ストーリーにはより熱さと深みが出ていました。
中章までの時点ではプロメスティンがここまで魅力あるキャラになるとは思わなかった。

 ラスボス打倒後のエンディングも、トゥルーエンド的なアリスエンドだけでなく
いろいろとサブエンドが用意されており、最後まで作りこみに手抜きがないのは素晴らしいです。



●戦闘について
 精霊を使って戦闘を有利にするシステム。これ中章からありますが、
実質的には即死技を防ぐため必須といっていい状態になっており、
むしろ煩わしさを感じることも多かったですが、今回も同様の傾向があります。
なのでやはり戦闘は前章がいちばんシンプルで良かったかなあ、と思ってしまう。
とはいえ、攻撃をかわしまくったり2回攻撃をしたりできるようになるのは気持ちがいいのも確か。
後半に向かって、できることが増えていくのは普通のRPGでもそうですから、
このへんは好き好きでしょうか。

 戦闘での、もんむす達による主人公ルカへの性的攻撃については相変わらずいいものが多いです。
そのモンスターならではの豊富な性的攻撃の数々は、食らって射精してみたくなるものばかり。
射精させられて敗北後、そのまま逆レイプエロシーンに移行する流れも、やはりいいものです。
敗北と逆レイプの屈辱感がうまいこと相乗効果的に咬み合ってて。

 エロ後にルカの末路が表示されるのも本シリーズのいいところですが、
今回は状況が状況だけに、悲惨な末路を迎えたり殺されたりする率が更に高まっている感じがしました。
一生慰み者にされる末路とはまた違った良さがありますから、好みしだいでは前章あたりよりも
気に入ることもあるでしょう。

 しかし今回はシリアスすぎる状況が多いせいか、「こうさん」「おねだり」などをするのが
ためらわれるというか気が引けることが多くて困るw
特にラスボスでこうさんするのは気まずいってレベルじゃないですね。
するけど。



●エロについて
 終章のもんむすは、天界が相手なだけに天使たちが初登場。
あとはプロメスティン関連のキメラモンスターや機械的な魔物が色々出て、
それにもちろん普通のもんむすも、黒のアリスに扇動されたという形でたくさん登場します。
終章なので当然ながら強豪モンスターやボス格が多くなってます。
妖怪、蜘蛛、植物、ラミア、吸血鬼、幽霊系、サキュバス、マーメイドなどなど各種しっかりいますし、
エロの質も中章までに劣らず、優れたものが多かったです。
特にマーメイド達は質量ともに良かったと思います。

 天使キャラは、人型を保っている下級天使たちはハズレがありません。
特に序盤の天使全般、具体的にはキューピッド、ヴァルキリー、天使兵、トリニティあたり。
みんなどこか高潔さと清楚さを保っているので、中章までのもんむす達と違った醍醐味があり、
また容赦のなさももんむすのそれとはまた別で、罰という意味で嫐ってくるのもなかなかいい。
キューピッドだけは性格もエロもモンスター娘と大差ないけど。
それにキャラデザインも全体的に萌え度が高いのでクセが少なく使いやすいです。

 ただ、後半に行くにつれて天使は人間離れしたデザインが増えていくんですよね。
序盤は大天使でもアリエルやマリエルあたりは人型で女性的魅力を感じられるんですが、
後半になると複乳、巨体、グロ下半身といった、一目ではとても性欲をそそられない天使が多い。
ちょっとキツいですね、テキストは質が高いので抜けなくはないですけど。
でもこういうのも敵軍の強さを表現するのには有効ではあったと思います。
転生させられるなど、末路が魔物と違って特殊なものも多かったですしね。

 それと機械やキメラモンスター関連は天使ほどではないにしろ非常にクセが強いので好みは分かれそう。
ただ、機械ならではの責めをしてきますし、そういうのが好きならかなりいいですけどね。
クセが強いということは、それが好きな人ならすごく気に入るということでもありますし。


 今回、エロシーンで特徴的なこととしては、ルカ以外が陵辱されるシーンが色々あったこと。
旅の道中、キメラモンスターに兵士などが襲われ、搾り殺されている場面に遭遇したり、
中には女エルフが巨大な舌に犯されている場面もあったりして、
女性キャラが襲われるという本作では非常にレアなシーンでした。
こうしたシーンは客観的に逆レイプが見たいならば楽しめるかもしれないです。

 あとは、戦闘以外のエロでは精霊たちとの本番があったこと、
エンディングでもんむす達とのエロシーンがたくさんあったことなどが挙げられます。
当然すべてもんむす上位の描写によるエロシーンになります。
なのでテキストのみのエロとはいえ、Mなら実用性は高いでしょう。
シルフなどはデザインが新規に追加されたり気合入ってたなと感じます。
あとエンディングでは複数のもんむすによる輪姦がいくつか楽しめたのが良かった。



ここからは個人的に気に入ったもんむすをピックアップして詳細に紹介しようと思います。

・大天使マリエル
大天使は人型を保ってるキャラすら少ないですが、このキャラは大当たりでした。
一言で言えば足コキロリ。
必殺技が足コキなのですが、とろとろ氏特有のねちっこいテキストで
足コキでどう気持ちよくされているのかが伝わってきて非常にエロ度が高いです。
敗北後エロでは魔法を使った射精禁止シチュや、それを利用した屈服宣言シチュなどがあり、
幼女に弄ばれたい欲求をおおいに満たしてくれるキャラクターでした。
足コキ時の笑顔も素晴らしいですね、挑発的だったり明るい笑顔だったり魅力的な表情が多くて。
もちろん足コキばかりでなく逆レイプもしっかりエロかったです。


・マーメイド全般
マーメイドはキャラデザインが全員良かったですね、萌え度の高いキャラが多かった。
それに性質が基本的に善良で無垢な感じがするキャラが多いのも良かった。
全員いい感じですが、特にジェネラルマーメイドとエルがいいです。
ジェネラルマーメイドは戦士系の誇り高いタイプのキャラクターながら、
女性的魅力をしっかり武器として認識していて、ナイスな言葉攻めしてくるし、
2種の敗北エロシーンは両方ともお姉さんっぽい人魚に弄ばれる醍醐味がありました。
彼女に阻まれてクイーンのところまで行けなかったという情けなさもいい感じですし。

エルの方も、性的な経験に乏しい王女に弄ばれるのは屈辱的で良かった。
経験に乏しく、手探りでルカに性的な責めを試すような具合ながら、
ルカがそれにことごとく弄ばれ、エルがどんどん調子に乗っていく流れが素晴らしいです。
言葉攻めも質が高く、幼女らしく明るく嘲笑してくるのがゾクゾクしますね。
もちろんクイーンマーメイドもかなりナイスで、陵辱のひとつはエルに観察されながらの
屈辱的な搾られ方だったりしますし。


・シスターラミア
中章の時点で善良なモンスター娘として登場していたキャラクターですが、
やはりというか終章でしっかり戦うことができました。
慈愛に満ちたキャラクターなのが特徴のわりには、搾り殺されるシーンでは結構妖艶さが
出てしまっているのが少々惜しいですが、それでも優しく搾り殺されるのはエロくて良い。
あと、初対面の印象ではさほど強そうではなかったのに、実際の戦闘では
精霊の強化もあってかなり苦戦させられる強さだったのがグッと来ました。


・ドリアード
最初はおっとり型、途中から性格が豹変して凶悪になるというのが良い部分です。
両方の性格でしっかりCGつき陵辱エロシーンがありますし、
キャラクターデザイン的に可愛らしいのも大きい。
後半の性格で搾り殺されるのもいいですが、前半の性格ではじらしプレイで弄ばれ、
何度も無駄射ちさせられるという流れがナイスで、
絵的にもドリアードの背中にしがみつかされる姿勢がなんだかエロかったのでお気に入りです。


・スライムベス娘
今回スライム系は少ないですが、その分というべきか、優秀でした。
挑発的にくすくす嘲笑する感じで言葉責めしながら、全身でのしかかるように包み込んで
搾り取られた後に捕食までされる。スライムに溶かされて吸収されるシチュはやはりいいですね。
デザインも可愛いし、とても実用的です。


・エヴァ
終章では貴重なスタンダードサキュバス。サキュバスの良さがストレートに出ていて良いです。
主人公をはっきりと敵とみなして、きっちり絞り殺しに来るし、
敗北感とエロさが両方ちゃんと味わえます。
戦闘時は、お尻を向けた蠱惑的な姿勢のカウンター技があるのがいい。
すごく攻撃したくなりますねw
こういうのはプレイヤーに対する誘惑っていう感じだから、すごくいい挑発だと思います。
で、攻撃してしまって、まんまとカウンター食らって顔面騎乗手コキで負けるのが最高でした。
敗北後の搾り取りもスタンダードな騎乗位ながら、しっかり屈辱的に搾り殺されるので
癖がなく実用性の高いキャラクターでした。
キャラデザイン的にもスタイルのいいお姉さんって感じで、ほどよくエロいし、
さらに各種コキに射精差分入りで専用CGがあるという優遇されっぷりで、とても良いです。


・ドッペル娘
終盤に登場するルカのドッペルゲンガー。ただし女の子。
ルカがもし女の子だったら、という感じのデザインなわけですが、
小さいおさげが二つ付いた髪型とスパッツスタイルのコスチュームで、とても可愛らしい。
搾精機能のある剣を振るって立ちはだかってきますが、この戦闘は素晴らしいシチュでした。
女の自分に負けてしまうというのはかなりの屈辱感があって、負けることそのものにゾクゾクできる。
実は終章は弱そうな敵が少ないだけに、こういう気分になることができるモンスターは貴重です。
実際、ルカ子ちゃんも情けなさを煽る方向で言葉責めしてくれるので騎乗位エロシーンではとても抜けました。
挑発的な笑顔もナイス。
欲を言えば素股や尻コキあたりに専用CGが欲しかったかな。
それにしても、この娘は変化球的ではありますがTS(性転換)シチュの良さも備えていると思います。
個人的にTSも女性上位も好きだから自分にとってはたまらないキャラだった……


 他にも、ラミアンロイドとかあかなめとか白蛇様とかナーキュバスとか
お気に入りはいろいろいますが、キリがないのでこのくらいで……
あとは再登場キャラのクロムやインプなどは、再登場するだけあって魅力が大きいです。
彼女たちと再び戦えて、しかも以前とは違うエロが見られるのは、そのもんむすが好きな人なら
嬉しいところでしょう。

 ところで覚醒盗賊団やミカエラさんと戦いたかったんですが、無かったのが惜しい。
というか最大の不満はミカエラのエロシーンが無かったことでした、
キャラ設定を考えると仕方ないのかもしれませんが……
「私に勝てないようならイリアスにも勝てないからまず私を倒していきなさい」みたいな流れで
戦うこともできたんじゃないかなーと思ったりするわけですよ。
キャラとして非常に魅力的だっただけにエロが無いのが惜しかったです。
しかし、ひょっとして全編通じてエロが無かった女性キャラって彼女ぐらいなのでは……



●まとめ
 シナリオは文句つけるところが見当たりません。
熱く王道RPG的で後味の良いシナリオで読み応え抜群、キャラの魅力も充分すぎるほど引き出されていました。
戦闘も上のほうで少し文句はつけたけどゲームバランス的にはすごくよく出来ていたと思いますし、
エロは色々挙げたとおり、いいシチュがいろいろあって実用性抜群。
モンスター図鑑の枠は終章だけで100を超え、実際に戦えるのは90あまりいますし、
そのすべてに濃厚なエロシーンがあるのですから、好みのモンスター娘だけ選んで見ていっても
ボリューム的には満足度がかなり大きいと思われます。

 まあ簡単にいえば、中章まで楽しめたのであればオススメなのは間違いないです。
好み次第で前章、中章、終章のどれが好きかは個人差が出てくるだろうとは思いますが。

 欠点を挙げておくと、ルカが設定的に強くなりすぎ、さらにストーリー的にも超シリアスなため、
敵に負けた際にみっともなく「あひいいい」「たすけてええ」「ゆるしてええ」などと喘ぐのが
とても似合わないなあと思えてしまうのが、ちょっと気になりはしました。
強く成長した勇者がひいひい言わされているというギャップがエロい、とも言えるので好みの問題ですが
このへんは序盤の弱い頃のほうが、喘がされるのは似合っていたなあと感じます。
シリアス度が強い場面では、負けた後すぐにあひるんじゃなくて、
しばらくは強い精神を保ったままで、段階的に堕とされるような描写のエロシーンも見たかった気がする。


 ともあれ、2700円ほどの同人作品としては素晴らしい充実度でした。
一本一本がフルプライスエロゲと同じかそれ以上のエロ充実度ですし、三本全部買っても安いぐらい。
これで終わってしまったのは寂しくはありますが、寂しいと読後に感じるのは名作の証拠でもありますね。
とろとろ氏の新作はまたあるでしょうし、今後の同サークルにも期待したいものです。