熱中して遊べる良作。ゲーム性は前作のいいところを突き詰めつつ、不満点が的確に解消されていて純粋に面白くなっていますし、そしてシナリオも前作をベースに大きく肉付けをしてあって読み応えが素晴らしい。なんといってもキャラが魅力的、それも主人公を含む男衆がいい味を出しまくっているのが非常にポイントが高く、そのおかげでヒロインである女性化武将たちの魅力も引き立っていますし雰囲気も重厚になっていて実によかった。3つのルートに出来の差はありますが、熱い気持ちで追いかけていけるストーリーは間違いなく良作といっていい出来。前作が好きだったなら間違いなくハマれる作品だと思います。また、戦極姫→戦極姫2の時と同じく、前作の完成版という趣なので、前作をやってなくても本作からプレイしてまったく問題ありません。
三国志の武将を女性化したSLG+ADVの2作目。
最近の極姫シリーズらしく全体的にボリュームのある作品。
40人以上も女性キャラがおり、当然各キャラにエロを含むイベントが用意されている(数人除く)上、
メインシナリオもかなりの長さになっていますので。
今回はゲーム性、シナリオともに前作である初代三極姫をベースに改良が加えられており、
三極姫完全版といった印象の仕上がりでした。
SLGとしての遊び心地は快適になりましたし、合戦も楽しいしイベントの密度も濃いし、
遊んでいてかなり面白いゲームに仕上がっています。
ことに、シナリオ面においては魏と呉のルートは前作の時点では完成度が低めでしたが、
物足りなかった部分を補った上で、新しいキャラを使ってさらなる肉付けをしていて、
さらにラスボスを設定することで燃え的な盛り上がりを高めてくれているので、最後まで面白さが持続します。
クリア条件が全拠点の制圧ではなくなったためゲームとしてダレにくくなったのも良い感じ。
前作からの改善点はかなり多く、徴兵の概念を導入したことによって戦略性が上がった上、
前作のように毎ターン敵が攻め込んでくるような鬱陶しい展開があまり見られなくなったり、
(今回は一度壊滅的な打撃を受けると兵力の回復はかなり手間がかかる)
他にも経験値獲得画面が簡素になってテンポが良くなっていたりと、
不満点がいちいち解消されていたのは好印象でした。
●ゲーム性について
国盗りSLGとして見ると、本作は「戦極姫」同様に「天下統一」のシステム準拠の、詰め将棋的なゲーム性ではありますが、
今回は全体的に、シナリオの進行に合わせてCPUの動きが大きく制限されていて、
蜀ルートの後半を除いては、基本的に敵勢力がこちらの国に攻め込んでくることがなく、
国盗りSLGとしての手応えはかなり易しくなっています。
周辺国をあまり気にすることなく、攻略対象の国の中を制圧することに集中できるからとっつきやすい。
そのかわり、シナリオの山場では敵国内で強力な精鋭部隊を合戦で打ち破る必要に迫られるような
シチュエーションになる場合が結構あったり、さらにはボス敵を相手にしたイベント合戦なども起こり、
難しさを感じるのはそうした場面ですね。
そうした強敵に対して、こちらも精鋭となる武将たちを編成して挑む必要がありまして、
今回はどちらかといえばSLGとしての戦略性よりは、合戦を中心とした戦術的な手応えの方を強く感じました。
ボスとの合戦のための育成が重要となるあたり、RPG的な感じもします。
で合戦についてですが、三極姫の合戦はしっかりキャラゲー向きの物になっているのが良い。
攻め込む際も防衛する際も、前衛と後衛あわせて最大6人の武将でおこなうわけですが、
合戦でありながら敵と味方のパーティ同士の戦闘という感じの感覚もあるので、SLGとRPGの中間のような遊びごたえ。
行動順の回ってきたキャラの大きなカットインが表示されるのも良い演出で、おかげで見た目的にも飽きにくく、
ユニットに愛着も湧くし、好きなキャラを常に前線で使いたいという気持ちにさせてくれる。
戦法やスキルの発動がうまくハマって敵を壊滅させられると素直に気持ちいい。
各武将はパラメータ、スキル、兵種でユニットとしての個性付けがされているのですが、
6種類ある兵種の性能がそれぞれ個性的なために、編成するのが面白いです。
前作では、あまり役に立たない兵種も存在していましたが、本作では性能に適切な調整がされていて
使えない兵種というものが無くなっており、武将のパラメータやプレイヤーが好む戦法に合わせて
編成の選択肢の幅がなかなか広く、攻めこむ前にどういった武将の組み合わせにするか考えるのが楽しい。
まあ、徴兵の概念が加わったせいで救護兵だけは存在価値がやや落ちてしまった感がありますが…
なにしろ控え兵がいないと完全に役立たずなユニットになるので。
負傷兵の概念もあれば、救護兵はもっと価値を持たせられたかもしれませんね。
加えて、パラメータの方も不要なパラメータが無いです。
用兵、智謀、内政、武勇と全て重要度が高く、用兵は合戦での攻撃力だから当然として、
智謀にしても、このゲームは合戦では智謀の高い順に行動するようになっているのですが、
このゲームの合戦は先手を取ることの恩恵が非常に大きいために、とても重要度が高いパラメータになってます。
先手を取れば、弩兵なら麻痺矢で強い敵を1ターン追い出したり、
呪術兵なら敵の前衛と後衛を入れ替えて脆い敵を釣りだしたりと、敵を大きく崩せたりして有利な事ずくめ。
このあたりは、行動順が早くても得することがさほどない戦極姫の戦闘に比べ、練られていると言えるでしょう。
それに、智謀は城攻めの際の攻撃力にもなっているのも大きいですし。
前作で完全に死にパラメータだった内政も、今回は効率的な徴兵のためには
住民感情のアップが欠かせないために重要度が高いですし、
各パラメータとも、実に適切な調整がされたなあ、という良い印象を受けました。
建造物によって武将の能力を引き上げることができたりするのも、お気に入りのキャラを使いやすくできて
いいシステムだなと思いますし、パラメータ関連は確実に改良されてます。
面白さの根本は前作通りなものの、前作に比べてバランスが整えられたことで、
合戦は確実に面白さが向上していました。
それにしても徴兵の概念が加わったことによる影響は大きく、
合戦中の回復が有限となり、さらに次のターン以降も確実に有利になるため、
ただ勝つだけで良かった前作と異なり、敵を壊滅させる重要性が高くなり、
これはゲーム性を何気に激変させたと思います。
なにしろ合戦の勝利に達成感を味わえるようになりましたから、面白さ的にかなりのプラスだと感じました。
物足りない点としては、ややスキルに個性が足りない気はします。
ダメージを与えたり、敵や味方のパラメータを増減させるスキルが大半を占めており、
わりと似たり寄ったりな印象を受けてしまう。
おかげでバランスは取れているとは思いますが、少しぐらいは変なスキルを持つ武将がいても良かったのでは、
と感じる。
あと、やや攻城で城の防御力を削っていくのがチマチマしてる感があるので、
ちょっと工夫が欲しかった感はあります。
攻城でかなり合戦一回に時間がかかるようになってしまっており、テンポが悪くなっていると思うので、ここが何とかなれば。
ちなみに3つのルートは難度的には魏が突出して簡単で、蜀が難しくなっているので、
前作をプレイ済みならともかく、そうでないなら魏を最初にやるのがオススメです。
少なくとも蜀は最初にやらないほうがいいと思う、前作ほどじゃないけど序盤からキツいので。
●シナリオ、キャラクターについて
シナリオは基本的に前作がベースで、書き足して完成させたような内容。
プロローグは前作とほぼ完全に同じ内容ですが、本編はどのルートもかなり増強されてます。
それだけに、前作をやってシナリオに物足りなさを覚えたプレイヤーにとっては
もどかしさを解消させてくれるような内容だと言えるでしょう。
今回、魏が特にそうですが、シナリオの進行によって攻め込むべき対象の国が決められている感があるので、
やや自由度は落ちたと思いますが、そのかわりゲーム性とシナリオに乖離してる感がなくなってもいるので、
ストーリーを楽しむ上では、本作の仕様は良かったと思います。
メインのシナリオ進行はシリアスな傾向で、わりと真面目に三国志をやっている印象。
どのルートも有名な合戦をベースに熱く盛り上げてくれていますし、
個人的にあまり三国志には詳しくないのですが、知識がなくてもしっかり楽しめるシナリオになっていました。
イベントの数もかなり多く、特に魏や蜀は普通にプレイしていると毎ターンのようにシナリオイベントが起き、
最後まで飽きずにプレイさせてくれるような密度になっています。
ルートが3つしかないかわり、1ルートごとの内容が濃密なので、プレイ時間もかなり長いですし(呉は除く)。
メインシナリオがシリアスなかわりというべきか、内政フェイズで見られる各キャラとのイベントは
明るい日常やラブコメ展開などが描かれていることが多く、メリハリがついてて良いです。
まあ、女性キャラが40人以上とかなり多いこともあって、恋愛イベントはおざなりな内容のものも目立ちますし、
攻略対象キャラによっては主人公の性格が別人のようになってしまっていたりすることもあったり、
こうした主人公のキャラのブレは姫シリーズ特有の欠点だなあと感じますが…
でも質のいいものはしっかり日常イベントも面白いので、玉石混交って感じ。
賈駆、孫策、厳白虎などはキャラに味があって、コメディ的に笑わせてくれて面白かったです。
もちろん武将としての存在感のあるヒロインも多く、戦うヒロインが好きなら
そういう方向性で魅力的なキャラは多いので、存分に萌えられるのでは。
もちろん誇り高いタイプの大人なヒロインだけでなくロリキャラなども多く、人数が多いだけに幅広く揃ってます。
ところで、今回からの要素として、登場する大勢の女性武将全員に
個別エンドが用意されているのはポイント高いです。
個別エンドと言っても、スタッフロール後のエピローグ程度のものではありますが、
プレイを通じて愛着を抱けたキャラとエンディングを迎えられるというのは、やはり嬉しいもの。
やや手間はかかりますが、好きなキャラなら個別まで到達する価値はあるでしょう。
ところで、ここからは少し、各ルートの簡単な印象を述べておこうと思います。
・魏ルート
前作では典韋、許褚の二人を大きくクローズアップして話を盛り上げていた反面、
肝心のメインヒロインたる曹操が、キャラとして魅力的であったにもかかわらず物語上での影が薄く、
これじゃ曹操ルートじゃなくて典韋ルートだろう、と言いたくなる内容になってしまっていましたが、
2ではしっかりと曹操を中心とした物語に仕上がっており、前作での不満を晴らしてくれる内容でした。
覇道を突き進む曹操の姿にはしっかりカリスマ的な魅力を感じられる上、
彼女を支えていく主人公の成長と葛藤が見応えのあるものになっていて、
そんな彼との情の交わりを通して、曹操の人間としての内面の魅力も深く引き出されており、とても綺麗にまとまっています。
主人公の魅力が高まったことによって曹操がより魅力的に感じられるのは、とてもいいことだと思います。
すごく感情移入しやすいですから。
姉キャラとして、かつヒロインとしての曹操の可愛さはかなりのもので、エンディングも後味のよい内容ですから、
彼女に魅力を感じたプレイヤーの期待に応えるような出来に、今回はなっていたと思います。
シナリオも、新キャラの絡んだ陰謀を中心とした熱い盛り上がりが楽しめますし、かなり面白い。
反面、鬱要素が排除されているために中盤のイベントの寂寥感や重みが薄れてしまった感もあります。
このあたりは前作よりも劣る部分と言えるかもしれず、
まあキャラ萌え的なことも考えたらビターな展開を排除するのは仕方ないとは思うんですが、
どうせなら分岐で前作のような戦のシビアな側面を描いた展開も残して欲しかった気もします。
・蜀ルート
このルートは本当に素晴らしい。前作の時点で他の2ルートと比べても完成度が高かったですが、
さらに重厚な読み応えになっていました。
前作ではユニーク武将だったにもかかわらず会話のひとつすらなかったような男キャラが何人もいましたが、
今回はそうした男衆を非常にうまく使うことで、大きく雰囲気が強化されています。
とにかく、法正や徐庶をはじめとした男武将たちがいい味を出していて、ヒロインたちに負けないくらい魅力的。
そのおかげで全体の雰囲気が引き締まっているんですね。
特に戦のシーンや山場での熱さに大きなプラス補正がかかっていて、グッと来るシーンがとても多かった。
主人公の成長物語としての魅力もかなりのものがあり、
序盤は英傑としての存在感を持つヒロインの背中を追いかけるような心理描写や展開が多いだけに、
主人公が苦難に揉まれていく過程を経て成長し、どんどんかっこよくなっていくのが、見ていて非常に気持ちいい。
このルートはとにかく男性キャラを活躍させるのが上手く、心理描写も丁寧で感情移入しやすくて面白いです。
もちろんヒロインたちの魅力も十分で、三国志モノとしても王道的な面白さが詰まっていたと思いますし、
強さも弱さも丁寧に描かれる彼女たちを主人公として支えていく、そんな面白さが味わえる内容でした。
前作同様の面白さを備えつつ、さらに質が向上していたのは素晴らしいと思います。
ただラストシーンで大きな見せ場のある、ものすごくかっこいい某キャラクターについて、
もうちょっと突っ込んだ描写が最後に欲しかった気もするけど。
・呉ルート
このルートは、残念ながら他の2ルートに比べると少々イマイチな部分が目立ちます。
まず、前作からそうでしたが、このルートだけ主人公の性格がどうも他と比べてノリが違うというか、違和感がある。
お調子者な面が目立つし、やたらスケベだったり口調もやんちゃな感じだったりして、
悩んで葛藤して成長していく魏や蜀での主人公とはほとんど別人のような具合。
そもそも、主人公の過去設定からして
他のルートと違ってしまっているのは、ちょっとどうかと思いますしね。
シナリオの方は、前作のスカスカ具合から考えると、かなりマシにはなっています。
関羽たち蜀のメンツと敵同士として久々の再会、という展開を楽しめるのはポイント高いですし、
相変わらず対袁術や赤壁などはしっかりと熱さがありますし、イベントごとの見応えはなかなか。
まあ、悪役である袁術が今回は幼女になっているため、倒した際はカタルシスよりも先に
ちょっと複雑な気持ちを抱いてしまうということはありましたがw
袁術は悪役だから仕方ないとはいえ、幼女なのに殴られたり成敗されたり大変ですね。
主人公のパートナーとしての周瑜の存在感もかなり愛着が持てて、前作以上にいいキャラになっていたり、
孫権もちゃんとヒロインとして扱われていますから、なかなか良い感じ。
恋愛イベントも、他のルートと違和感があるとはいえ、お調子者でスケベな主人公によるラブコメは
それはそれで特有の面白さはありましたから、このルートなりの見所はあります。
ただちょっと前作の展開と本作のラスボス展開との融合がうまくいっていない感があり、
終盤の展開がちょっといびつだったのは気になりましたが…
勢力図を考えると赤壁の戦いへの経緯は不自然な流れになってしまっているし、
本筋のエンディングと個別エンドの内容のつじつまが合ってなかったりするし。
あと、増強されたとはいえやっぱりシナリオは薄めで、何のイベントも起きないターンが
他のルートに比べてかなり多かったと思います。
キャラ描写は悪くないですが、シナリオの質はやや落ちるというのが正直なところ。
なんというか、シナリオ自体の厚みの問題もありますが、
質の高い魏と蜀が、ヒロインを支えていく主人公という構図で面白さを出しているため、
そういう要素のない呉は、その点でも見劣りしてしまうという感もあります。
呉は正直言って中途半端に前作をベースにせず、根本から書き換えても良かったんじゃないかなあ、と思う。
●CG、エロシーンについて
武将のキャラデザインは、半分近くが前作とはデザインが変えられている感があります。
男性陣はほぼ変化ありませんが、女性陣は蜀を除いてはメイン勢力のヒロインにも変更が目立つ。
とりあえず好みの問題ではありますが、可愛くなったキャラとイマイチになったキャラがいました。
孫権なんかはピロ水氏のデザインのほうが良かったかなーと思いますし、
曹操は前作のほうが威厳がにじみ出てて良かったのになあ、とか思いましたが、
甘寧、張魯などを筆頭に、劇的に可愛くなったキャラも多いので良し悪しですね。
絵柄は好みの問題なのでともかく、CGの塗りの質は平均的に上昇したのは間違いない。
馬超のCGや蜀ルートのイベントCGなど、前作で酷い出来だったものについても、
スタッフのリベンジ的な気合が感じられるくらいに、やたらと美麗だったのは素直に感心しました。
まあでも前作が酷すぎただけですし、今回も典韋や許褚などを中心にCGの出来がイマイチな
キャラもいますが…典韋は立ち絵がとてもエロ可愛いだけにもったいない…
まあ、全体的には、壊滅的だったのが並になったという具合です。
ただ新キャラに関してはデザインもCGの質も良質な物が多かったと思います。
エロに関しては、まあ普通のラブラブな和姦やオーラルセックスが多め。
メイン格のヒロインは3回以上あるキャラもいますが、サブ格だと1~2回のキャラも多いです。
中には3P以上の複数プレイなども結構用意されていました。
(甘寧・陸遜や姜維・馬謖など)
そして、今回は陵辱がそれなりに用意されていたのが個人的には好印象でした。
陵辱は、滅亡した勢力のキャラが名もない兵士たちに輪姦されるような内容のものが多く、
自分が見た限りでは主人公による陵辱はありませんでした。
関羽や孫権のようなメインヒロイン格の、やや大人なキャラクターたちのものも多いですが、
荀攸、荀彧といったロリキャラも容赦なく乱交状態で犯されたりするので、結構ハードだなと感じます。
そういうものもあるので、前作よりも実用性は上がっている感があります。
エロ関係で難点を挙げると、エロが一切ないキャラが複数いたこと。
そうしたキャラは通常イベントがいくつかと、エンディングぐらいしかイベントが無く、
いかにもエロシーンがありそうだと見せかけて無い、という感じなので、残念な気分になってしまう。
そういう武将の一人である孟獲は性に対しておおらかな性格が前作では魅力的だっただけに、
今回エロが無かったのはとても残念。
ちなみに余談ですが、似た性格のキャラクターである厳白虎もエロが一回だけだったりして、
こういうタイプのヒロインが好きな身としては、ちょっと物足りなさも残りましたw
●一騎打ちについて
このゲームは、合戦においてランダムに一騎打ちが発生することがあるのですが、
ヒロイン武将で一騎打ちが発生した際、攻撃を食らうと服が破け、専用のCGが表示される
という要素があります。
服を破かれた恥じらいと、脱衣独特のエロさが味わえて、普通のエロとはまた違ったそそるエロさがあり
前作から受け継がれた魅力的な要素ですが、
今回、前作の運ゲーのようなものだった4択戦闘から、
ある程度駆け引き的な楽しさが味わえるようなジャンケン+α的なものに進化していて、
ゲーム性としては良くなりましたし、テンポも良くなりました。
ただ、そのかわりフェチ度がちょっと落ちてしまった感があります。
なにしろ今回は、通常攻撃を受けると半脱ぎにされ、必殺攻撃を受けると胸や尻が露出させられるという仕様。
前作は、とどめを刺された時に裸にされる仕様だったので、結構大きい変更です。
前作は一騎打ち自体が、どちらかの体力が0になるまでやるものだったのが、
今回は3本勝負をやって体力の多いほうが勝ちというルールに変わったためにこうなったのだと思いますが、
脱衣=敗北 じゃなくなっており(全裸にされても体力で勝ってれば勝ち)、
羞恥を味わわされた上での敗北、というシチュに独特のエロさがあっただけに、この仕様変更はちょっと残念な感も。
ゲームとしては、前作のように体力が0になるまでやると時間がかかるし、
今回のようにテンポが良くなったのは改良であることは分かるので、複雑な気分です。
とはいえ脱衣CG自体は、全裸バージョンの方はちょっとしたアニメーションまでするようになり、
演出によってエロさはパワーアップしている面もあります。
脱衣CGはコレクション性もありますし、ゲームとしてのやりこみの面白さにもつながっているので、
相変わらず良い要素だと思いますし、今後も続けていってほしいものです。
ちなみに前作とデザインが同じキャラでも、脱衣CGが新規に描き起こされているキャラが多く、
その点も非常に好印象でした。
●全体的な欠点について
ここまで好印象な点を多めに述べてきましたが、まだ細かな欠点はあります。
まず、個別エンドがあるということについて、シナリオのところで触れましたが、
それに関連して、武将たちはイベントとは別に「逢瀬」というコマンドで好感度を上げていかないと
個別エンドを見ることができないのですが、これが面倒なのが難点かな。
逢瀬はスロットを回して、出た目の結果で好感度が上昇するという仕様ですが、
かなりの回数このスロットを繰り返さないと好感度MAXにすることができず、正直めんどくさい。
せめて稼ぐ必要のある好感度は、本作の半分ぐらいにして欲しかったなと思いました。
あと、今回は徴兵の要素が加わったことで、当然ながら合戦で減った兵を
軍備フェイズで補充する必要があるわけですが、これの操作が結構不親切でめんどい。
一人ひとりチマチマと補充していくしかないので。
せめて同じ城にいる武将全員の兵力を一度に全補充できるコマンドくらいは付けて欲しかった。
ゲーム性にはプラスですが、好感度や徴兵の要素は、面倒な操作も増えたという面もあるので、
もうちょっと配慮は欲しかったと思います。
前作からの改良点は多岐にわたる本作ですが、まだ不親切さは目立ちますね。
それと群雄モードの各勢力の拠点分けはちょっと適当すぎやしないか、と思う。
今回はただでさえストーリーモードから戦略SLG的な手応えが薄れているため、
その楽しさを補充する意味で群雄モードは結構重要だったと思うんですが、
あまりプレイしがいのない調整になっていたのはちょっと残念。
他には、システム的に、防衛戦のときも撤退できるようにして欲しいのと、
もうちょっと合戦のテンポがよくなれば、という感じ。
●まとめ
三極姫という作品は、前作の時点でも光るものは随所に感じられたものの
欠点も多くて荒削りな印象の作品でしたが、
今回は数々の改良によって、ストレスの少ない、素直に熱中できる良いゲームに仕上がっており、
現時点では戦極姫を含めた姫シリーズの最高傑作と呼んでもいいぐらいの出来だと思います。
シナリオも良質だしゲーム性も細かな不満点以外は文句なし。
ただし、部分部分では前作のほうが良かったと思える点もあるので、
前作の存在価値がなくなるということはないです。
国盗りSLGとしての手応えは、前作のほうが上と言えるでしょうし、
シナリオも魏などは部分的には前作のほうが良いと言えたシーンがありましたから。
自分は、前作のレビューで「もうちょっと気を使って調整してくれれば劇的に面白くなりそうな気がする」と
書いたのですが、本作はまさに、もともと備わっていたこのゲームの面白さがしっかりと引き出されるような
しっかりとした調整がなされていて、前作で感じたもどかしさを一気に晴らしてくれる良いゲームになっていました。
これで三極姫という作品は完成した感があります。
あとは、次回作では改良だけでなく根本的な進化も見せてほしいなあ、と思います。
今のげーせん18にはそれが期待できると思っていますし。
全体的にちょっとチマチマした感があるので、もっと豪快さというか爽快感も欲しいかな。
あと、メインの三国以外の君主キャラ、例えば袁紹や馬超なども魅力的なので、
次回はこれらのキャラの国のシナリオも用意してくれたら嬉しいところ。
ところで、原画陣の中でも張魯と馬謖と姜維をデザインされたSeN氏は
是非とも次回以降も末永くシリーズに関わって欲しいものです。
この方のデザインしたキャラ、ものすごく可愛らしかった。
前作からピロ水氏がいなくなったことは惜しかったですが、SeN氏のおかげで充分に補われていて、
前作と同等かそれ以上の萌えを味わうことができて、とても良かったです。