ErogameScape -エロゲー批評空間-

houtengagekiさんのDivus Rabiesの長文感想

ユーザー
houtengageki
ゲーム
Divus Rabies
ブランド
Psy-chs
得点
74
参照数
2108

一言コメント

カッコ良さと美しさを兼ね備えた戦うヒロイン達は実に魅力的。こういったタイプのキャラを調教する、という内容に惹かれるものがあれば、抜きゲーとしては充分に楽しめると思います。誇り高い心を持つヒロインを犯していくのは征服感が満たされて気持ちいいですね。調教ゲーとしてもシンプルで分かりやすいつくりなので遊びやすいですし、エロの内容も充分な濃さがあって良い感じ。ゲーム展開が単調でダレやすいのが欠点ですが。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 調教対象の女の子は三人とも長身でスタイルも良く、表情などもキリッとしていて
まさに戦うヒロインという感じのかっこいい女性ですね。
性格も誇り高く清廉な感じなので、調教しがいのあるヒロインたちです。
調教が進み、性的な快感を覚えてしまうようになっている自分にショックを受けるような描写がなされると
征服感と嗜虐心を刺激されて、とても気持ちがいい。

 調教ゲームとしては、調教メニューもパラメータも少なく、シンプルなつくりになっていて
攻略はわりと単純なので、煩わしさを感じることなくエロシーンを楽しめると思います。
反面、本格的な調教シミュレーションを求めている方には物足りないかもしれませんね。
例えば、「奉仕」「愛撫」という大雑把なメニューしかこのゲームにはなく、
同じ奉仕でもフェラかパイズリかは自分では選べませんから。
調教度が進むと、当初パイズリだったのがフェラに変わる、という感じでして、
ある程度ゲーム側で決められている部分が多いので、プレイヤーの自由度はやや少なめになっています。
とはいえ、シーン数は120以上ありますから、エロに不足感はありませんが。
 調教に関してシステム面で一番残念なのは、忠誠、愛情、肉欲と分かれているパラメータが
機能してないと感じられることですね。
一種類を極端に上げたりしても特殊なイベントやエンディングが見られるわけでもなく、
結局、全部均等に上げないとクリアできないし。


 エロの内容は、かなり良い感じです。愛撫、奉仕、陵辱といった基本的な物については、
どれもヒロインの屈辱的な表情や悔しげな喘ぎ声が存分に楽しめるので、
征服感を味わいたい方にはもってこいの内容ですね。ヒロイン3人とも強くて誇り高いタイプの女性ですし。
こういう女性を犯して屈辱を味わわせるのは気持ちがいいものです。
 まあ反面、全員そういうタイプっていうことは、そういう気持ちよさしか味わえないわけで、
誰を調教しても似たような展開に感じられやすくて飽きる恐れがあり、それが欠点だったりもしますが。
巫女さんをアナル担当にしたり、各ヒロインの背景設定に基づいたエロを盛り込むなどして
変化はつけていますが…

 特殊なエロについては、ミノタウロスみたいな巨大な魔物に犯させたり
スライムや触手といった定番な魔物姦もしっかり完備、
あとは魔道を使った催淫やふたなり化など。
個人的に最高だったのは催淫ですね。魔法をかけられて快感に溺れ、にっくき主人公の前で
さんざんオナニーしてしまった後に、魔法が解けて我に返った時の描写、ここは素晴らしかった。
別に催淫中の記憶が消えているわけでもないから、ものすごいショック受けてる表情に変わって
自己嫌悪で泣き叫ぶあのシーンは、今思い返しても快感でゾクゾクしますよ。

 他にも、ヒロインたちを村人たちに輪姦させるなどできたり、徹底して屈辱を味わわせる方向なのが良いですね。
藤井一葉氏の肉感的な原画も過去作同様に高いクオリティで、
これらのプレイを実にエロく見せてくれていますので、実用性は充分です。


 シナリオの方は、ファンタジーとして世界観がよく練ってあって、
意外にも個別ルートのラストでは感動させてくれました。
ヒロインをひとりずつ攻略する分には、盛り上がりもありますし、ヒロインの掘り下げもしっかりやってるから
抜きゲーでありながらシナリオも見るべき部分があって面白いですね。
気持ちいい終わり方をしてくれるから、調教ゲーの割に後味がいいのもナイスです。暗いのが苦手な方にも安心。

 しかし、面白くはあったけど少々不満もあります。
シナリオ自体は上記の通り感動できる内容なんですが、
主人公の目的は彼女たちを精神的に完全に屈服させる、ということではないので
そこでプレイヤーと主人公の目的意識にズレが生じやすいんですよね。
結果、話としては面白いものの、調教モノの作品としては最終的な爽快感が少し足りなくなる。
そこがこの作品をやって一番引っかかる部分でした。
できれば、主人公が当初の目的を果たすトゥルーエンドと、
ヒロインが完全に堕ちてしまうアナザーエンド的な物に分岐するようにしてくれていたら、
ストーリー方面でも調教ゲーとしても充実感を味わえて良かったんじゃないかな、と思います。

 一応、ハーレムルートでは3人とも完全に軍門に下るので、
達成感、征服感の補完はそっちのルートでやってくれということなのかもしれませんが、
やっぱ一人に絞って堕とすエンドも欲しいなあ、というのが本音ですので…
 ああ、ちなみにそのハーレムルートに関しては、
個別攻略に比べて苦労させられるわりに、最後があっさりした内容で残念だったかな。
このルートは、複数プレイを回収するぐらいしか楽しみ甲斐がなかった。
それもこの作品の惜しい部分と言えますね。


 感想は以上です。
抜きゲーとしてはコンセプト通りの実用性がありましたし、シナリオも充分面白いし、
やや荒削りさもありはしますが、なかなかの佳作ではないでしょうか。
公式見て「このヒロインを調教してみたい」と思えたなら、損はしないゲームかと。