共通のギャグの勢いが凄まじい 個別は純愛ゲー寄り
アサプロはそこそこの本数をプレイしたのでそろそろ昔の作品も触れてみようと思いプレイ。いままで「アサプロヒロインはヤバいオンナばかり」と思っていたのだが、そのレベルを遥かに超えたヤバいオンナがでてきて戦慄した。以下プレイした順に感想を。
共通ルート 88点
徹頭徹尾ギャグの共通ルート。ゲラゲラ笑いながらプレイした。特にりさが出てきた時のギャグがやばかった。攻略ヒロインが誰か知らない状態で始めたので「私メインヒロインぞ!!」という発言が飛び出したところは驚いた。他にも桜が「オーディエンス使います?」といいながらこちらに選択肢を出してきたところなどはものすごく面白かった。ずっと笑ってプレイできたいい共通ルートだった。
桜ルート 84点
百合百合しい桜からプレイ。共通ルートから一転してこのルートは真っ当に桜がかわいく、「アサプロも昔はまともなヒロインもいたんだな」と思いながらプレイした。どうしても千乃ありきの関係だった桜が次第に主人公のことを意識していく過程は丁寧に描かれていたと思う。安定した可愛さを楽しめるルート。
夏芽ルート 84点
高嶺の花の先輩ルート。そういうとありきたりなのだが、姉の友人かつ友人の義姉という設定はいま見てもなかなか斬新なものだと思う。友人の恋愛相談と称して放課後に会話をして少しずつ仲良くなっていく過程や、その後の一歩がなかなか踏み出せずヤキモキするところ、デートをしてみてなかなかうまくいかないところなども恋愛の良さが描かれていてよかった。エピローグでタメ口・呼び捨て呼びになるところも親密になっていったことが描かれていてよかった。こちらも安定しているルートだった。
りさルート 84点
徹頭徹尾ギャグルート。アサプロの作品はそこそこやっているが、流石にここまでイカれたヒロインは見たことがないのでそういう意味でも面白かった。付き合い始めてからのギャップでかわいさを演出……したいのはわかるが、ファーストインプレッションからギャップを感じるまでの言動がいい意味で酷すぎて可愛いとは感じることができなかった。ただ頭を空っぽにして楽しめるいいルートだった。
碧里ルート 85点
ルートに入ってから告白までして付き合うまでの流れは完璧に近かったのだが、それ以降の流れはイマイチに感じた。まず電車通学で早起きをしたときに偶然一緒になり、それから碧里に会うために早起きをする。碧里の方もその時間は朝練に遅れる時間だが、主人公に会いたくて言い出せない。この流れもピュアな恋愛模様はとてもよかった。それから一本早くのることをなんとなく伝えるなどして、お互い意識しているのに確信が持てないような描写も良かった。碧里が思い切って告白しようとした朝に主人公が間に合わず、そこから電車内で告白。伝えられなかったので追いかけて行って大声で好きだと叫ぶ。ここまでの流れは今までプレイしたアサプロ作品の恋愛描写としては傑出しており、一番のものだと感じた。ただ、付き合いだしてからの流れはイマイチだった。主人公の妹の紅と主人公の関係、碧里と弟の関係、主人公と碧里の恋愛と描くものが多くなってどれも中途半端になってしまっていた印象があった。物語の構造としては碧里の弟のくだりも必要なものになっていたが、ここは思い切って削って主人公と碧里と紅の関係に注力したシナリオでも良かったとは思う。とはいえ、前述の通りルートに入ってから付き合うまでの流れが純愛ゲームとして素晴らしく、ここだけでもやって良かったと思えるルートだった。
総評
アサプロは最近の作品しかプレイしたことがなかったが「アサプロヒロインにもまともな女がいたんだな」という気持ちと「アサプロヒロインのイカれた女は昔はこんなにイカれてたのか」という気持ちが同時に味わえて楽しくプレイできた。共通でギャグに振り切っていたのにりさ以外のルートはギャグというより純愛よりだったのがどうなのかというところはあるが、どのルートも一定のクオリティーには達しており十分楽しめる作品だった。