今までで初めて感じた感覚を与えてくれた。
妹と彼女、
このゲームは、テーマ『最高のやるせなさ』に引かれて購入しました。
面白さ?というにはまた違うものですが
うまく言葉にできないので面白さということにします。
まず、この面白さ?が今までやっていた作品とはベクトルが異なる物となっていて
かなり点数に迷いました。
基本的なゲームをした時の面白さって
高揚感から生まれると思っています。
この感覚は熱血展開だとか感動する、共感する、感銘を受ける
予想だにしない展開からの感情へのパンチ
こんなところでしょうか面白さが感じれる瞬間、
高揚感が得られる場面というのは。
別にこの作品にもこのような感覚を得られる瞬間はあります。
こんな文の始まりなんでないかもみたいな感じですが
全然あります。
とりあえず主人公と妹死ぬほどキモいくらいに相思相愛です。
そこから得られる葛藤というのは面白さに直結するに値します。
俗世からの近親愛へのイメージというのは
現代を舞台に描くのであれば絶対に切り捨てられないものです。
それがキモいくらいに主人公妹好きなんですよね。
大好きすぎて大好きすぎて大好きすぎて...etc
ひたすらに描かれている感情、行動が最高なんですね。
これは妹主観√においても同意見であり、
妹に関しては後半狂気じみてるとこもありました。
まぁ主人公主観√と妹主観√だけであれば
別によくあるやつじゃん、落ちすぐ読めるし
ってなるんですけどね。
この作品個人的にはこの2√が
料理でいう食材でしかなかったんです。
この作品を本当に料理として完成させているのいは
満月同棲√でした。
名前だけ見てたらもし満月(妹)の部屋に住むことになるとか
辛い気持ちを味わったユーザーへのハッピーエンドプレゼント!
みたいな感じがしました。
そんなうすってぺらいものじゃなかったんですけど。
この√は三角関係が主な物語です。
全てのベクトル線が愛してるしかないタイプの三角関係です。
ここから満月という人物がどういう人間なのか
どういう考え方で生きている人間なのかが描かれる形となっていますが
この満月というヒロインがこの物語の料理役です。
このヒロインがいなければ面白さは語れません。
妹と満月が入れ替わることによりかつ
受験生という身分を使って兄に教えをこえれるという
二つを生かし3人での同棲生活が始まります。
まず念頭に置かなければならないのが
近親愛は悪であるというの主の考え方です。
これは入れ替わってもどんなことを用いようとも
現日本で暮らしていくのは絶対に縛られるものです。
これは作品をしたらわかるので説明を省きますが
満月は恋をします。
自分を犠牲にしてでも愛する人が幸せになってほしいなんてものじゃありません。
独占欲が露出している一般的な恋ですね。
しかしここでぶつかるのが妹への愛
物語の中で妹への感情が愛へと変わります。
これで問題が生じます。
兄を愛しているからこそ入れ替わっている妹と満月
主人公と妹を心の底から愛している感情
主人公への恋に至っては暴走し歯止めが難しくなっています。
どうすればいいのか?
どうあがいても恋が愛する人を殺してしまう。
そんな状態に苛まれます。
ここで満月が出した決断
そして終幕する物語そこで得られた感情は
感動的で涙が出る
苦しくて胸が締め付けられる
あぁ俺なら!こうするのに...とか
そんな感情はありませんでした。
ただひたすらに
完膚なきまでの虚無感。
胸にすっと綺麗に穴が開きます。
あぁやるせないってこんな感情なんだ、と。
ただそこに対して心の中に大きな穴となった虚しさだけが残ります。
私の中で
最高のやるせなさ=最高の心への穴でした。
これはやるせなさに面白さを語る物語ではなく
最高にやるせない気持ちをひたすらに感じるだけのゲームです。
面白いとはまた違う種別の物とは前述で語っていますが
今、
この作品に私の語彙力でいえることは
凄すぎた
これがしっくりくる気がします。
この作品はまごうことなき神作です。