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hoshikenさんのワガママハイスペックOCの長文感想

ユーザー
hoshiken
ゲーム
ワガママハイスペックOC
ブランド
まどそふと
得点
95
参照数
1657

一言コメント

はあ、鳴海兄妹♡♡♡

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

一言感想で言いたいこと全部言っちゃったな。
この作品は鳴海兄妹を愛でて鳴海兄妹でニヤついて鳴海兄妹に癒されるための作品です。

本編の兄妹観を損ねる可能性があるならFDは要らないとさえ思っていたけれど、蓋を開ければ杞憂も杞憂。
変わらない鳴海兄妹。変わらない天使。

兎亜ルート以外も鳴海兄妹の絆は揺らがないのも、本編に続いて素晴らしかった。
全世界75億人の鳴海兄妹ファンの中には兎亜ルートだけしかプレイしない方もいるだろうけれど、全世界線の鳴海兄妹を愛でるべき。
どんな世界でも幸樹くんはシスコン大爆発で、兎亜は素直になれない兄想い。

『お使いありがとうのひと言もない、そんな妹が愛おしい』
『俺と兎亜はふたりだけの家族で、俺と付きあってくれるならあいつはセットだから』
『本当に俺の妹は、可愛くないところが最高に可愛い』

幸樹くんシスコンイケメンすぎて子宮が降りてくる。
これ全部、ルート外での発言だからね。

兎亜も兎亜で億劫な態度を取りつつも誰よりも幸樹くんを大切に想い影で支え。時には嫉妬して。
そうそう、今回は兎亜の嫉妬も半端なく可愛い。

兄が他の女にうつつを抜かす妹の嫉妬展開はあまり好きでは無いけれど、
幸樹くんは兎亜を蔑ろにすることは絶対しないから、安心して見ていられる。
365日24時間自分を大切にする世話焼き兄ちゃんがいれば、兎亜がブラコンとワガママを拗らせてもしょうがない。

どんな世界線でも愛しい鳴海兄妹だけれど、正史はやっぱり兎亜ルート。

本編のその後で甘々いちゃラブ展開・・・・・・なんてことはなく。
兄の膝枕でポテチ食べながらアニメ鑑賞する妹という、実家のような安心感の鳴海兄妹の姿。

膝枕されるのが兄ではなく妹というのが、鳴海兄妹の可愛いところ。
なおしばらく後に、鳴海家はソファ近くに『兎亜のお世話コーナー』があり耳かき用の綿棒なんかも常備されていることが判明する。
幸樹くんの妹お世話スタイル半端ない。

そんな幸樹くんに妹として依存し甘えながらも、
恋人としてのさりげないお誘いや女としてのヤキモチに気付いて貰えず拗ねる兎亜。

幸樹くんのシスコンにスポットを当てていた本編と比べ、兎亜の拗らせたブラコンをフォーカスしたのが今回のFD。

おんぶはしても手を繋いで歩いたりはしない、
ずっと一緒にいた兄妹だから心地いい距離を知っていて、
ずっと一緒にいた兄妹だから現状に満足していて変わるのが難しい。その先を想像すらしていない場合もある。

肉体関係を持とうがお兄ちゃんにとって妹はいつまでも可愛い妹で、
それを嬉しく思いながらも女としての可愛さも見て欲しく奮闘する兎亜が、今回は本当に可愛いかった。

『変わるものと変わらないもの』が多分本編から続く兎亜ルートのテーマで、
進んで戻って、時には同じ場所をグルグル回って、兄妹の無敵の絆でなんとなく乗り越えて歩いていく。

つかず離れず依存して、いちゃラブよりもぐーたラブで、

どこまでも兄妹で少し恋人な二人が、変わらず愛しい作品でした。