実妹と義妹で勝負が成立するなどという発想が気に入らない。
一言感想を見て『じゃあ何で買ったんだよ。バカじゃねーの?』と指摘を受けそうですが。
『俺にとっての本当に一番大切な妹は実妹だけだ』な展開を期待して買いました。ありませんでした。
本作には、実妹のすずと義妹の七瑠、"2人の妹"が登場しますが、俺は最後まで七瑠を妹と認識出来ませんでした。
七瑠をdisるつもりは一切ありません。
単純な好みで言えば、七瑠の方が好きなくらいです。
すずを元妹呼ばわりした時は殺そうかな?と思ったものの、
明るく下ネタも気軽に飛ばせる関係性と、家族を大切にし思いやりもある性格。加えてCV車の人、さらに巨乳。そして、おっぱい。
他人から始まり家族としての絆を育むまでのエピソードもあり、もしも"妹"が七瑠しかいなければ、義妹ものとして充分楽しめたでしょう。
でも本作には、すずという実妹がいるんですよね。
実妹がいるにも関わらず、他の女を妹として扱う。俺がこの世で最も嫌う行いの一つです。
これ逆の立場で考えてみて欲しいのですが、
大好きな妹と離れ離れになり、
再開を果たしたと思えば新しい家庭の男と付き合っていて、
それだけなら百歩譲って耐えられるとして、
「兄妹としても本当のお兄ちゃんと同じくらい大切」なんて言われようものなら、俺なら首を吊ります。
七瑠と家族になるなと言うつもりは毛頭無いが、
"義兄妹という役割"を演じる必要は無いよなと思うのですよ。すずという本当の妹がいるのだから。
一人称視点で描かれることの多いエロゲは、主人公へ共感出来るか否かが重要と考えるが、
『どちらも可愛い妹』と見るたび、いやいや妹はすずだけだろうと思い、全く共感出来ずでした。
とはいえ今まで話した点については、あくまで自分自身の偏屈で捻じ曲がった考えによるものであり(自覚はあります)、
シナリオについては、実妹と義妹とに分けたことにより互いの魅力を若干喰い合っている印象があるもののの、
ギャグを交えたテンポの良い会話と、シリアスパートでも重い結果にはならないだろうという謎の安心感があり、最後まで楽しく読み進めることができました。
肝心のすずルートについては可もなく不可もなくでしたが、
七瑠ルートについても、すずが蔑ろにされることは決してなく、
実妹義妹を平等に受け入れられる妹スキーさんであれば楽しめる作品ではないでしょうか。
・・・スキとスキとでサンカク恋愛の感想でも何でもなかったですね。
ここまで読んでくださった方いれば、すみませんでした。