自的2017年萌えゲーランキング準優勝。未プレイはもったいない。今すぐ買え。
コンセプトをきっちり守りきった本作。
決して期待以上ではない。しかし、期待通りを最高値まで詰め込むとこうなるのか、という良い見本。やっぱコンセプト通りって最高だよ! な?新島先生?(威圧)
僕みたいに批判することばっかりになってしまった人たちに是非やって欲しい。一貫したコンセプトってのは、どんな論理をもってしても崩せない。
まずはディレクターに感謝。
非常に丁寧に作られてる。これは制作グッジョブ。
それと萌えゲーのプロットはかなりしんどいと思うが、しっかりまとまっている。普通に出来る事ではない。しかも作品から余裕みたいなものを感じるのも素晴らしい。
本当にありとうございます。
次にグラフィック。
ののか&ふうかの立ち絵が超良い。
失礼かもしれないけれど、口が開いてるバカっぽい表情が好き。かわゆい。
淡目な塗りも、グッド。みえるとか、パステルカラーでマカロンっぽい。かわいい。
UI・デザインも素晴らしい。
ピンクを基調とした、シンプルなデザイン。世界観を邪魔しない。
凝りすぎず、凝らなすぎず、ユニゾンシフトらしい可愛さがある。良い。
声優は・・・。
風音はもうやめてくれ・・・。一時期聞き過ぎて、今となっては耳から口臭を感じてしまう。5年ぐらい期間開けるか、演技変えてくれ・・・。
最後にシナリオ。
よくぞこの甘ったるいシナリオを書ききってくれた。
人によっちゃ物足りないかもしれないけれど、私は満腹です。
太それたストーリー性は無いかもしれないけれど、しっかりキャラクターと一緒に話を進めている感じがして、非常に良い没入感を得られた。
ただ起伏自体も大きく無い上、展開としてはありきたりな物が多いため、まとめて進めると少ししんどいかもしれない。今日萌えてぇな、というときにプレイするのが丁度良い。まさにスイーツのような。食べ過ぎてはいけない。恥ずかしいこといった。
・ふうかルート
筆舌に尽くしがたいクオリティ。えっちな上に萌える。超好き。髪型が変わるのもずるい。
最初はふうかに対してエロい乳してんナア~!!としか思わなかったけど、話が進むにつれ、ラブラブおちんぽ奴隷になっていく姿はすごくいい。
序盤の連絡先交換に「なんで?」と返すふうかは少し怖かった。ただ彼女はちゃんと意見を言える子だっただけだった。普通、興味の無い人に連絡先聞かれて断るとき、嫌でも何か理由を付ける。しかし彼女はそれをしない。思ったことをちゃんと態度に表せる強い子だからだ。
そんな強い子が、おちんぽ奴隷になる。この構図が非常に素晴らしい。人差し指でお乳持ち上げたい。
このルートは決して山があるわけではない。なのにこの満腹感。無駄の無いテンポの良いテキスト。つーか立ち絵がエロかわすぎて笑う。常にHCGって感じだ。√中いつでも抜ける。他ルートでも立ち絵で誘惑してくる悪魔のようなヒロイン。
あと、おブラジャーをつけたままのHが見たかったです。
・ののかルート
ののか√もかなり良かったし、可愛かった。
明るい子の照れってそれだけで破壊力がある。いつもべらべらしゃべるのに「……」って急に照れるのすき。
大会で優勝という安直なオチにするのではなく、大会に挑戦することが、自分自身とお菓子作りの有り方を考えるきっかけになってたのもグッド。
過去の話はうまいことギリギリの所を攻めた感じ。
あんまり運命的にすぎると、萌えゲーとして崩壊してしまう(ののか√以外での、ののかが病む)。
一緒に二人で徹夜でウエディングケーキ作成ってのも良きシチュエーション。
・みえるルート
学祭のシーンでのお姉ちゃんっぷりが最の高。
これがギャップか。
告白シーンが一番良かったのもみえる√。ちゃんと返事できないのもみえるらしい。
この√の主人公が一番主人公してた。
ただ、もうちょっとキャラを掘り下げたらもっと好きになれた。サボリ癖の理由は、なんでも要領よく出来ちゃうからじゃなくて、もうちょっと何かあれば。
序盤はちょっと鼻につくな~、と思ったけど、だんだん好きになれたキャラクター。主人公が毒を吐かない分彼女がその役割背負っていたという面もあるのかな。
がんばぇー。可愛い。
・ゆずきルート
風音との戦いであった。ただこれは個人的な事情なので、シナリオ全体ではバランス良く仕上がってた。頑張っている子はやっぱり応援したくなる。
しかし、風音+大人っぽいグラフィックの影響か、どうしても年増に見えてしまってちょっと辛かった。すまん。
・主人公
最初は、あまりの魅力の無さ、武器の無さに、こいつマジかよ・・・ってなってたけど、ちゃんと自分が出来ない奴って自覚してて頑張る姿にキュン。
ちょっと男気がたりないのが玉に瑕。ヒロインの惚れる理由に、母性的な意味以外での説得力があまりない。なんか一個ぐらい他の人にはない主人公の自我を支えるものがあっても良かったかもしれない。
あまりの何も持って無さに、読み進めてくうち、コイツは俺だ・・・と思い始める。没入感的にはアリかもしれないが、たぶんこういう旧来の主人公を受け付けない人は結構いるかも。
・サブキャラ
ま~まれえど作品にも良くいる「リア充爆発しろ!」系友人。
主人公の選ばれしもの感の演出に良く使われているが、そろそろ消費期限切れだと思っている。
もう少し上手く使えたかも。
●その他、萌えゲーのリスク
楽しめたのとは別に、萌えゲーのリスクを今回ひしひしと感じた。
ヒロインに魅力を感じなければ、好きなヒロインを1,2人攻略して簡単にやめれそうな所だ。
シナリオゲーだと、オールクリアでTRUEとか、全部やらないと、話自体の回収が出来なかったり、ヒロインの魅力が無くても、シナリオ自体のパワーで読み進めることができるからだ。
萌えゲーはそういう訳でもない。基本的にヒロイン自体の魅力のみで読み進めるからだ(可愛さを表現するのにもシナリオのパワーは必要だけども、それ以上にキャラ造形が重視される)。
しかし、萌えゲーの中で、ちょっと凝ったシナリオにして謎シリアスとか言われユーザーに沈められてきたゲームは数知れず(無理やり転を入れて爆死するパターン)。シナリオを凝らせて、萌えて泣いて笑ってを同居させるにはなかなかリスクもありそうだし、そんなゲームを毎作書ける人材なんてほんのわずかだろう。私は萌えゲーももちろん好きだが、シリアスを削ぎ落とす以外に、もし何か萌えゲーとしての活路があるなら、やっぱり見てみたい。最強の萌えゲーがやりてえ。
●総評
すごい楽しめた。萌えゲーとしての質は相当高い。
シナリオ自体に無理やりツッコむことは出来るが、それはあまりに野暮だろう。
コンセプトが「徹底したイチャラブ」だからだ。そしてそのイチャラブに関しては、上で述べたようにかなり上質なもの。有言実行。素晴らしい!
良いゲームだった!
ありがとうユニゾンシフト!