背徳感を求める人は過度の期待をしないほうがいいかも
ブランドとライターの信者なので、信者補正が入ってます。
まず、今作で「姉弟同士の背徳感」に重きを置いている方はおそらく合わないと思います。
なぜならば、今作はそういった背徳感が一切ないからです。
これは賛否両論だと思いますが、私としては今回の場合はこちらで正解だと思いました。だって、姉とイチャイチャして幸せにはまっていくお話ですから。不幸になってどうしますか。
あとは、もともと天姫氏やあるてみすに背徳感溢れる暗い話を求めてなかったってのもあるんですけどね。
さて、肝心の作品自体の感想について。
ストーリー関しては普通です。
ただただ晶お姉ちゃんことあっちゃんと幸せな日々を繰り返すだけです。山場も特にありません。
しかし、私はこのゲームの凄いところはこの「ただただ日常を過ごす」だけという部分です。ただ日常を過ごすだけなのに、ダレることがないんです。しかも、その日常の中に幸せさがミックスされてる。あっちゃんの笑顔が眩しすぎます、本当。
これは、テキストが面白いからこそなせる業なんでしょうけど、純粋に評価できると思います。語感遊びやコントのようなキャラ同士の掛け合いに、独特の間、天姫テキストクオリティ。
しかし、褒めてばかりではなく難点も。
前作の「あいすのっ!」よりかはテキストやギャグのキレが悪かったですね。ただ、天姫氏も自覚していたようですね。作中でギャグのキレの悪さを自虐しているライターは始めてみました。
また「姉と弟の距離感」が非常にうまく表現されていたと思います。姉ゲーにおいて、これは素晴らしいと思います。ただの恋人ではなく姉と弟。その部分がところどころからでていました。
後半にお家芸の「泣き」要素もちょこっとあります。
ただ号泣できるかといわれれば、そうでもなく。しんみり程度でしょうか。
絵に関してはいうまでもなく、さすがのすめらぎ琥珀氏です。
エロシーンから日常のほんわかシーン、シリアスシーン、すべてにおいてうまいです。
特に、表情。前作よりも表現力があがっている気がいたしました。
塗りもかなり美麗です。どうしても、某姉ゲーと比較してしまいますね。
おそらく、すめらぎ絵の魅力を最大限に発揮しているのはあるてみすさんかと。
ドライヤーのシーンが一番好きです。
声優さんに関しては、びっくりしました。
まさか、某有名姉キャラの中の人とこんなところで出くわすとは!
天姫テキストをより面白く表現しているのは間違いなくの佐藤遼香さんのおかげかと。
お日様みっつで晶だもーん。
演出に関しては、前作よりもかなりパワーアップしております。
表情が台詞にあわせてコロコロ変わるのはいいですね。
総評。
作品全体から姉愛を感じました。
まさに、姉とイチャイチャラブラブを求める人には眉唾物の一品。
買って損はないかと思います。
最後に蛇足です。
天姫氏、低価格で作るの限界じゃないですか?ということを切に思ってしまいました。
これは、作品自体の質が低いということではなく、テーマとして「家族」とりわけ「姉弟愛」を描く以上、低価格という枠内で全力で表現することが難しく(コストや製作期間的にでしょうか)なってきているということです。
シナリオのボリュームが圧倒的に足りないと感じたからです。もっと書けたはずです(二人の過去の掘り下げとか、婚約後の一山、二山など)
まぁ、姉SUMMER!シリーズも1と2を使って1つの作品としてますしね。分割っていったら言い方悪いですけどね。FDなどで補完していただけると大変ありがたい。
というわけで、早く商業で書いてください。全国の弟は皆、待ってますよ。