前半部三篇の時点では良くて70点程度の評価なのですが、後半真相が明らかになるにつれぐんぐん評価は上がり、最終章終了時点で100点までいきました。確かに物語の根幹をなすテーマに対して、その調理の仕方にいくつかの不満はありますが、そんなものを全て吹き飛ばすだけの感動がありました。以下、長文感想。
不満点として、「パクリ」と思われる要素があまりにも多いことが挙げられます。
プレイ最中に何度も頭をよぎった作品は「SNOW」「車輪の国」そして「ひぐらし」。
おそらく企画段階では「ひぐらしのなく頃に」に対して、「AIR」にとっての「SNOW」のような作品の作る、って感じだったのだと思います。
特に前半三章の作りは正直酷いものでした。
無理やりそれぞれの章を「鬼隠し編」「綿流し編」「祟殺し編」に似せようとしている所があまりにもあって失笑の連続でした。
まぁ、それも販売戦略の一つでしょうし、そうでもしないと企画が通らなかったのかもしれなかったのかもしれません。
しかし、それにしたっていくらなんでもやりすぎでしょう。
恐らくこの板での高評価がなければ最後までやらずに途中放棄していたはずです。
この作品はそういった点も含めてとにかく「もったいない」と思える点が多いですね。
最後のトリックも正直かなり前半で読めてしまっていましたし、重要キャラにボイスがないのもかなり痛いですし(こんな中途半端にするくらいなら全員声なしの方が良かったのでは…)、ギャグもそれなりの水準には達しているものの無駄に入れすぎだし、この作品にエロシーンは完全に不要だと思うし、肝心の物語構成もまだまだ練りこむ余地があったはずです。
また、無理に「ひぐらし」に似せようとしないほうが、絶対評価は上がったはずです。それが本当に残念でなりません。他の皆さんも感想に書いているように、全くの「別の作品」なのですから。
……なんだか100点を付けたくせに文句ばかり言ってしまいましたが、テーマは本当にすばらしいものでした。
プレイする人はとにかく絶対最後までやってください。