本作特有のシステムを面倒とみるか遊び心があるとみるか
各ヒロイン毎にそれぞれ探偵編、執事編、旅情編、剣豪編と四つのシナリオがあり、冒頭の手紙の開封方法で分岐するようになっている。(なお初回プレイは探偵編固定となっているため、シナリオを選択出来るのは2週目以降となる)
各編ごとに主人公の設定が変わり、それに併せて島を訪問する理由も変わり、その中で対応するヒロインとのシナリオが展開されるようになっている。また各編の本筋とは別に分岐させることもでき、そこでは対応するヒロイン以外との√を迎えることが出来る。(例を挙げると凪咲メインの探偵編で剣豪編メインの紫乃と結ばれることが出来る)
メインシナリオはシリアス多めとなっているが上記のサブ√の方はギャグテイストのシナリオとなっているので、シリアス一辺倒とはなっておらずバランスが取れている。
細かい問題点としては一言感想の通り、本作特有のシステムを受け入れられるかである。
抜刀システムも言ってしまえば、ただ隠された選択肢を出現させるだけであるので、演出としては凝ってるがそれがゲーム的な面白さに繋がっているかと首を傾げるところではあるだろう。
またいわゆるトゥルー√のようなものは存在しないので作品全体を通して明かされない事柄もあり、また上記四つのシナリオも完全に独立しているわけではなく、他の√で判明した事柄がまた他の√で生かされることもあり、繋がりを意識させる要素もあるのだが、あくまで匂わせだけなので中途半端に思えてしまう。(例えば、四つのシナリオと並行的にトゥルー√を意識させるような作りになっていればこの中途半端さを解消できた可能性もあるのでなおさらそう思えてしまう)
総評としてはあと一歩足りなかったという作品という考えである。
抜刀システムや各種タッチを意識したミニゲームなど意欲を感じさせる作品であるので、もう少し練っていれば名作となりえたのではないだろうか。四つのシナリオは進めていて十分に楽しめたしキャラも魅力的であったのでプレイして損はないだろう。
余談ではあるが、本作品のメインヒロイン全員におしっこシーンがあるので、美少女のおしっこが好きな方にもオススメをしておきたい。