安定した作り、全てにおいて高水準な作品
キャラやストーリーを構築する設定、世界観などが非常によく作り込まれている作品だと感じた。
アンチアーク現象やゲーム冒頭で語られる主人公の見た夢の内容、そして主人公の幼少期において生じた出来事などが共通√で語られる。それらの謎の解答はそれぞれのヒロインの√で明かされるようになっている・・・と構成自体はオーソドックスな作りである・・・そこまでの流れが非常に丁寧に描写されているため唐突感はなくシナリオ運びにも納得しやすい。またヒロインも不快感を感じることなく全ヒロインに魅力を感じることが出来た。
個別√はシナリオ構成としては玉美と明日香、いずきと真乎がセットになっている。
前者では上記でも記載した主人公の幼少期の出来事が語られ、その際に玉美と明日香が当時どのように考え主人公の近くにいたかが語られる。後者ではアンチアーク現象がより深く掘り下げられ、また共通√で断片的に描写されていたいずきと真乎の出生や関係が語られる。そして4人全ての√を走破すると御湯利√が解放される。内容としては本筋に関わらないのでおまけの域は出ないが4人の√では多少影の薄かった感のある御湯利の可愛さや力を取り戻すに連れ変化していく内面などが描写されていた。
総評としては、一言感想の通り安定した出来であり全体的に丁寧な作りであった。
オーソドックスな作りであり、選択肢による分岐も後のランプ作品と比較すると簡単であるので、キャラゲーとして是非とも手に取ってみてほしい作品である。