さすがに全24チャプターを満喫できるほど僕はMではなかったけど、小さい子からひどい目に合わされるという被虐感はよかった。
そんなわけで。エレクトリップのAVG「りとる†びっち」をプレイした(4ヶ月くらい前に)。
織澤あきふみ画の少女に萌えながら虐められ深みにはまっていくゲーム。さすがに全24チャプターを満喫できるほど僕はMではなかった(電撃攻めとか辛いです)けど、小さい子からひどい目に合わされるという被虐感はよかった。
副題からもわかるように、このゲームの「おにいちゃん」は(萌え)豚なんだけど、選択肢押した時のSEが豚の鳴き声を意味しているということはなかなか分からなかったな。
エレナとえりか、水神楓さんの二役はそうと言われなければ気付かないほど上手だった。
このゲームの語り口はかなり特殊なのだが、その点について先行レビューではvostokさんのものが参考になった。
台詞及び地の文の仕組みをもう少し見てみると、HAINさんの文体的な傾向の中で作品を追うごとに強まりつつあるような気がする、実況文と擬態語の多用が特に目立つ。ロリヒロインが攻めるMゲーだからということもあるのだろう(そして苦手な文体なのに慣らされる自分)。この多用によりヒロインの台詞は口語からは程遠いものになっていて、語彙的にもロリヒロイン、というかそもそも女の子が口にするにはあまりに不自然なものになっている。これは女の子に下品な台詞を言わせて解放感と羞恥心からプレイヤーも快感を得るというような通常の回路というよりは、ヒロインの台詞がヒロイン以外の「語り手」(この作品にはいないはずだが)に侵食されていると見たほうが適切な気がする。また、2人のヒロインが外見的には左右を反転して色違いにしただけのそっくりさんであるということも、ヒロインの「人間らしさ」を損なっている。
2011-12-27 - オネミリエ Onemir’e Mnogotsvetnoe (http://d.hatena.ne.jp/daktil/20111227#p1)
僕は同ライターの作品を「まりくり」くらいしか触れていないので、作家性のようなものに踏み込んだ話はできない。確かに言えるのは、りとる†びっちなる語り手のテキストには白々しさしかないということ。
だから、視点人物を通して心底屈服したという気持ちを得る、といった用途には不向きだ*1。
落とし所もクロウさんらしい。いつものこういう感じ。
お客様は、精液ぴゅっぴゅっするしか脳のない変態さんですね
ですが、お客様は神様です
お買い上げ、ありがとうございました
(えびさんの「りとる†びっち ~Little Bitch Girls in Hog Farm~」の感想 http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=16224&uid=%E3%81%88%E3%81%B3)
体にも心にも散々惨いことをしてきた彼女たちが、最後の最後にくれるものが言葉であるというところがなんとも。言葉以上のものはないとも言えるし、所詮言葉でしかないとも言えて。
*1:"主人公視点がないことで薄れてしまった精神的な屈服感をヒロイン視点の言葉責めではカバーしきれていない" (komaichiさんの「りとる†びっち ~Little Bitch Girls in Hog Farm~」の感想 http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=16224&uid=komaichi)