長かった……本当に長かった！ いやこの作品が出るのを待つ時間のことですけども！
自分が初めてフラット(前作)をプレイしたのがもう12年前のこと。
奇天烈としかいえないキャラクターの数々との掛け合いに腹を抱えて笑いつつ、番長ルートで涙してしまったのが懐かしいです。
続編が出るとわかったのがそれから数年後、フラット２の体験版の配布を毎日のように待ち望みつつ、ネガティブギャングさんのHPを覗いていました。待てども待てども続報が来ない……。
やっと叶った体験版の配布からこの完全版の配布までさらに苦節何年あったでしょうか？
それまでずーーっと、ほんとにずっと私が待ち望んでいた作品です。同じような心持の同士は多いのではないでしょうか？
何を隠そう、私が生まれて初めてプレイしたギャルゲーがフラットだったのですから。
とまぁそんな私のこの作品への思い入れは置いておいて、フラット２の面白さは健在でした。
相変わらず登場人物は主人公以外すべてボケ役であり、いい意味でイカれています。前作がキャラクターの魅力をほぼコミカルさに全振りしていたのに比し、今作ではその中にも萌え要素がちりばめられていたように思えます。
せっかく入学から描いていて日付の概念もあるのに、物語は一か月ももたない点など、微妙に設定を生かし切れていない感もありますが、そんなものは楽しさの前には関係ありません。
特徴的なたたみかけモードや好感度による成功失敗の判定など、決して難しくはないものの、しっかり「ゲーム」しており、敢えて可視化された好感度はヒロインを攻略してる実感が持て、楽しめました。
キャラクターは掘り下げると全員おかしな人間しかいませんが、攻略キャラでツボだったのはいろは姉さんでした。このキャラは主人公の実の叔母にあたります。その叔母とねんごろになる背徳感、倫理感への葛藤が描かれており、バッドエンドではありませんが、決してご都合主義的にまとめるわけでもない、現実的な着地点を主人公が見据えているようでもあり、妙な切なさを感じるルートで個人的に最高でした。
双子もデブも巨人も従妹も全部可愛いですけど全員の魅力は細かく書ききれません。是非プレイしてみてください。
エロについて。
これはほんとに正直に言えば作者のライターとしての魅力と微妙にかみ合ってない気がしました。
いやエロくないという意味ではなく、よくも悪くもぶっ飛んだ攻略キャラクターの数々なわけで、コミカルさから萌え、そしてエロへとバトンタッチしていくのに、読者の私がついていけてなかった。
これは飽くまで私の個人的な意見です。エロくないということはないのですが、必然性を感じられませんでした。
ネガティブギャングさんの他に出しているおそらくエロ前提の作品は違うのでしょうが(そちらは未プレイですすみません)、フラットではあえてなくても良かったのかなぁと思いました。
というかエロなくてもいくらでも出しますよほんと！ ずっと応援してます。
ちゃんと感想が書けているか非常に怪しいですが、単純に面白かったし、何より嬉しかった。
皆さん無料で遊べる前作のフラットから是非是非遊んでみてください。絶対後悔しません。
一回りもの年月待ち望んでいたゲームなんて早々ないでしょう。最高に感慨深く、贅沢な時間でした。
願わくはこのゲームが商業的に成功して作者さまのモチベとなり、次作を待つ時間が短縮されることを……。