なんというか、個人的にはここで言われているほど主人公に拒否感を覚えなかった
私は主人公に対して非常に敏感である。
この部分の如何によってプレイにかなり支障をきたすほどに、である。
尚且つこちらでの主人公に対するレビューに対してはかなりの信頼をおいており、正直プレイ前の時点で途中で投げてしまうのではと危惧していた。
プレイ後の率直な感想としては特別好きにはなれないが、そんなに拒否感を覚えるほどでもなかった。
確かにヘタレといえばだいぶヘタレであり、劇中でさほど見せ場があるわけでもなく、ヒロインたちに対して誠実に接しているとも思えない。スペックも高くなく、頭は悪めで、やや運動は出来るが不良をブッ飛ばせる程度。容姿もそこそこといった評価で性格はウジウジしており、謎のこだわり(責任感が特に強調されていたような)だけが強く光る。
中でもヒロインに対して行為に及んだあと発せられる「責任はとる！」的な発言には若干の拒否感が発動してしまった。ドライでしかなかった主人公が突然として甲斐性のようなものを見せてくる演出に腹立たしくなったのは否めない。
ただプレイ中そこまでむかつかなかったのは彼がそこまでいい人を演じていなかったからである。つまり割と徹底してヘタレではあったが故にさほど拒否反応は出なかった。上記のように突然責任とる発言をした際に引っかかったのはここが原因といえる。そしてそのヘタレ要素も私の価値観では許容範囲のものだったためと思われる。またこの主人公が作中でそこまで評価されていない点も忘れてはならない。こちらでのレビューを見て、相当やばいのが来るなと構えていたのも多分にあるであろうが、要するに思ったほどではなかったのだ。
まー主人公のことはここらへんにしておくとして、ヒロインたちである。
良かった！
デザインもさることながら性格が私の趣向に一致していた。(このみ除く。個人的にこの手のヒロインは受け付けないのでお気になさらず)
シナリオに関しては起伏の少ないものであったが、ヒロインたちが最初から主人公に惚れている描写が少なく、この素っ気ない子たちをどのようにして攻略していくのか、という期待がプレイ意欲を増幅させた。
しかしここでもったいないと思ったのは葵ルートでのこと。簡単に言えば少しずつ距離が近づいてきたかな～と思っていたら突然主人公が葵に激しく誘惑され(イチモツを咥えられｗｗ)、勢いのもとに行為に及んでしまうのだが、ここでいつの間にか二人が好きあっていたかのように描写されるのである。これはおかしい。
状況としてはいろいろ悩んでいる主人公の力になろうとした葵が、主人公のいないところで他のヒロインたちに相談するのだが、その際に酒を飲んで酔っ払い、家に帰った直後に主人公を襲うのである。
なんということであろうか！ こんなの興奮もなにもあったものじゃない。
その悩みを解決するために協力していく中で、なにかしらのきっかけによって、ほとんど恋愛対象とお互い見ていなかった二人が近づいていくことを期待していたのに……一番楽しみにしていたその部分がごっそりと削られ、中田氏した主人公は責任を取ると豪語し、葵に至ってはセックスによって愛を感じたというようなことをぬかす。
挙句の果てには昔太っていたという葵が、美人になった今でも態度を変えなかった主人公のことを元々そこそこ好きだった、というような説明がされるのだ。(葵が主人公を男性つぃて意識している描写なんてほとんどなかったにも関わらず)こんな有体で腐った理由の上に、二人の気持ちはセックスによって愛へと昇華するのだから笑えない話である。
天音、伊月のルートはそんなに違和感もなく、そこそこエロかったのでよしとしよう。
総括としてはもったいないといえるほどの土台があったわけではないが、もう少し楽しめたのではないかな～という作品であった。少なくとも私にとってはヒロインたちは魅力的だったしあまりご都合主義的じゃない展開にも好感はもてたが、没頭するほどのものでもなく、可もなく不可もないエロゲーであった。