う~ん……かなり期待していたのだが……
全く持って満足できなかったわけではないが、正直微妙だった。
というのもほかの方々が書かれているように主人公がダメ! というより破綻していた。プレイ中の違和感は多分ここに起因する。
コンセプトが修羅場に巻き込まれて(或いは自ら創造して)その状況を楽しむものだと思っていたのだが、この主人公は自ら修羅場を創造しようとしているにも関わらず、巻き込まれた感全開なのである。
広く受け入れられるわけではなさそうだが、自ら修羅場の前提状況(浮気しまくりんぐ)を創造し、それを狡猾に操作して切り抜け、かつひとりひとりのヒロインに対しては真摯に愛情表現して心を繋ぎ止めておくという類の伊藤誠的主人公なら私は歓迎しただろう。
もしくは昨今らラノベで量産されている、なぜかモテまくり→数人に惚れられる→主人公を競い合うヒロイン達→何で俺がこんな状況に!?というような天然修羅場製造機的主人公でも有り体だが受け入れられた(というかこのタイプを想像していた)。
しかしてこの主人公は自ら修羅場の前提条件を作り、それを維持しようと努力はするのだがそれを満喫しようとはしない。目的不明である。
端的に言えばイライラするのである。
ずる賢いならずる賢く、お人よしならお人よしでなければ感情移入などできるはずもなく、魅力的なヒロイン達もひどくもったいない。
個別ルートに入ると特に複数の候補から一人に絞る転換点もなく、各ヒロインの気持ちを受け入れエンディングへ……本当に最後まで主人公が謎であり、終ぞ違和感が消えることはなかった。
と酷評してしまったが当方あまりにも修羅場ものが好きすぎるため、要素として修羅場がなかったわけではないのでこの点数にした。
購入を検討している方は主人公がクソ(ここでのクソとは好漢の逆)でも受け入れらる人でなければ耐えられないと思われるのでそういったタイプは回避した方がいいかと。なんせ息を吐くように嘘をつくような男である。本当でしょうね? と念を押してくる母親に対しても嘘を突き通す男である。しかし自分で悪人の自覚があるわけでもなく、本当に終わっている。悪人的魅力もない。
ぜひとも主人公を代えてプレイしたい作品である。