ノベルやサウンドノベル等やたら多いしなにより1つのパッケージで完結出来てない所がとても面倒で中々手を付けにくかった。 そしてこういうのもなんだけどパッケージの絵やCGに魅力を感じなかったのも一つ。だってあんま上手くないじゃん絵。こんなんじゃ萌えられねえ。 なのにスコアが高い。これ地雷なんだろう?点数異様に高いからどうせ点数操作されてるんだろう?と、あれこれと穿った目で見てました。 だからintroductory chapterだけやってみて美味そうな実じゃない場合には酷評してやろうと思ってたのも事実。
いやまあ、しかし正直なめてました。
エロゲカテゴリなのに稀にこういうシナリオ重視の物があって、そしてCGの事など目に入らない程の面白い物語がある事を再確認出来た。
チンピクはしたけど抜けない。けれどこんなに長いのに面白かったという感想は、美味しい果実の証拠です。
シナリオ
無知な言葉で綴る感想など無粋だろうと思える程の物量、そして質。
武也と依緒の外野ストーリーが間食の様でいい味出してた。
CG
シナリオの長さと比較して枚数が圧倒的に少ない。加えて特に雪菜のエロCGとか肌の質感とかペライしモチーフの力の入れ具合が雑。無毛って信じられない。
原画も塗りも落書きレベルかよと言いたくなる。キャラ自体も10年前位のグラだし秀でてる箇所とは言えない。立ち絵もパターン少なすぎ。
シナリオにこんなに力入れてるのに絵はしょぼいなあ…グラフィックがこの3倍位がんばってればシナリオと釣り合う程度。まあそれ程シナリオが突き抜けてる訳だが。
音楽
挿入歌に力を入れ過ぎた?が為にかBGMが死んでる上数が少ない。
つーかBGMがもっと良質であれば説得力も出ただろう。
システム
特に不備なし。結構軽いしスキップも速くて良い。演出がよかった。
率直に言えば恋愛小説を読んだ様でとてもじゃないが昨今のエロゲーといわれるものとは全く違う尖った物。
読み手の経験によって印象が変わるのではないかと言えるような多色の色を持った物語だろうと思う。
白いかずさ、黒い雪菜、そして透明なのか灰色なのかの主人公の春希。この3人の三角関係の泥沼ゲーと思っていた。
が、この作品は黒い小木曽雪菜が主人公なのだろう。
3人のサブヒロインに、そしてなにより三角関係のもう一人冬馬かずさによって引き裂かれる思い。
育んできたものなのだろうけど自然過ぎたから、いつからそこにあったのか元からあったのか、ああ間違ったんだな、やってしまったんだなと、心の一部がごっそり毟り取られる様な、削り取られるような喪失感を、失恋感をとても感じた。