さすが早狩武志氏。
同列にするのはおかしいけれどwhite album2なんかが近しいものを持っていると思う。
「群青の空を越えて」で知った早狩武志氏、この人ならではの味が出ている。
特にというか持ち味の男女の心象風景は二、三度繰り返して読みたくなるほど美味しく出来上がっている。自分は丸戸信者だがこの人の作品はこれからも贔屓していこうと思う。
この作品は実験的とは言うものの「群青の空を越えて」と比べてみると
本質は何も変わらないように思う。自分勝手な主人公たちがドタバタした挙句とか
全く同じ。ヌルい恋愛を期待すると残念な評価になりかねない。
(これは恋ではなくなんだからというツッコミはスルーで)
良い点
心をえぐるような、言葉とシーン有り。 好佳、蓉子、この2人の言葉は特に
印象的だった。朋子も大人っぽさを隠しているという点で悪くはない。
告白の玉砕辺りも見逃せない。扶の男泣きは数ある中でも名シーンになるはず。
残念な点としては
「群青の空を越えて」の時もそうだったが何でもないところから突然キャラが逆上
したり、話の前後の辻褄が合っていない場合があるとこか。
前者は、シナリオの作りとして全体の構成があり、それを掘り進めて書いているから
なんだろうと思う。突然逆上し出すヒロインはさすがにちょっとびびる。
後者は、ギリギリまで話を練っているからなのだろうか。一度でもプレイすれば
気がつくようなミス(とは言いたくないけれど)がちょこちょこある。
あと GROUND END はそれまでのボリュームからすると残念ながら薄い感じがする。
薄い、言い換えれば駆け足。これまで普通に接してきた友人達が突然何の前触れも
なくくっついていけば不自然に見えてしまう。ちょっとだけ砕けた感じで話すから
って蓉子さんどんだけ惚れっぽいの?キャラ的にあっさりしすぎでしょう。
あと、男共が玉砕するシーンをあれだけ見せ場にしておきながら、女性陣の
って行っても振られるのは一人だっけ。玉砕シーンを書かなかったのは納得できない。
評価の点数が幅広いのもなんだかんだでプレイヤーの人生観(恋愛観)も反映されて
しまうからなんだろうとか適当なことを書いておく。主人公たちの”恋ではなく”は
自分にとっても受け入れ難いものではあるけれど、それを含めての作品なんだろうな
といったところで締め。
こんなに書いたのは初めてかもw
いろいろ終わったノリで無茶に書いて見たけれどwhite album2好きなら是非とも
おすすめ。