お前たち、自分のために、こんなに『本気』になってくれる他人が、お前たちにはあるか?
テーマとしては、平凡な自分に悩みを抱える主人公が、ヒロインたちとの出会いを通して特別な自分を見つけ出す、という私好みのもので、どのルートも楽しめた。
【白木あえかルート】
とても感情移入してボロボロ泣いてしまったルートでした。
まず、あえかは友達がいないので、
序盤から、こうやってお話してくれるのは主人公だけだよ、と言ってくる。
それがいじめのせいであっても、”こんなかわいい子が俺にしか頼れない”というたまらないシチュエーションだった。あえかは可愛すぎる。道ばたでばったり会ったときも素で喜んじゃったよ。
いじめを受ける彼女についに手を差し伸べた主人公は、次の日からあえかと共にいじめを受けることになる。
これまでにいじめを見過ごして、やりきれない気持ちや、自分も標的にされたくないという気持ち
あえかと関係を持ってしまった自分への問い詰め(下心だったのではないか、とか)
そんな主人公が意を決してあえかの味方になり”それ以外の敵になる”という行動を!ついにとる!あえかを助ける!
とても泣けました。
それまでの主人公には、早く助けてあげてとか少しは思ったものの主人公の考え方(自分を守るためにそう簡単には救いの手を差し伸べられないことなど)を完全に否定する気にはならない、主人公の心情がしっくりくる、とてもいい描写なんだと思う。
付き合って、二人きりになったとき
「ほかには……なんにもいらない……
でも加々見くんには……いてほしいよ。
わたしといっしょに……」
この好きな人以外いらない!って感情がとても萌える
また主人公が、あえかと街を歩くときに周りの目を気にしてしまったり、
あえかは俺の彼女だと、胸を張って言えないんじゃないかと自問自答したりしている中で
”自分でも不確かなことを、言葉にすることで少しでも『本当』にしてしまおうと、彼女に囁きかける”
一度決めたこと、でも実は今は本当と言い切れないこと、そんなあえかとの関係を本物にしたい、という感情のあがきがすごくいい。
”どっちかっていうと、勢いに流されるみたいにして付き合い始めた俺たちだけど……現実が少しずつ追いついていている……のか?”
”いつかは、彼女のことを、心から恋人だって思えるようになる。”
そんな風に、始まりは脅しや下心だったとしても、寄り添い合い、本当にお互いを大切に想っていく二人が、本当に尊い……
いじめの辛い描写は多いけど、そんな中でもふたりの絆と愛の育み合いという場面を目にすると
非常にあたたかい気持ちになれる。
あえかが可愛くてめちゃくちゃ萌えるしね!
周りは全員敵、あえかだけが味方
そんな状況下だからこそ、主人公が見つけられた”特別”
今までのうわべだけの人間関係では決して感じることのできなかった、特別な感情
それは絆だったと文中でもありましたがまさにそう!とても泣ける。
この辛い状況だからこそ見いだせた幸せ……。
切なくて、なんて美しい絆なんだろうと思います。
周りを全員敵に回してでも、勝ち取りたい絆。
主人公に対するいじめに対してあえかが本気でキレたのはびっくりした。
また妹の綾の、学校なんていう狭い世界に閉じこもっている必要なんてない(風な)台詞もよかったなぁ。
あえかの服がなくって、主人公の体操服を貸してやるってシチュエーションもよかったなぁ。
そうだ、終盤でレイプ未遂があって心臓に悪かった。
(ざくろのことがあっていつきてもおかしくないよな、とひやひやしていた)
だけど未遂に終わって本当によかった(未遂でもよくないけど)
アントワネットには殺意しかなかった。後日談もざまぁみろって感じ。
二人が晴れやかな気持ちで学校をやめて、幸せな道を掴めたラスト。
ハッピーエンドで本当によかった。
いじめは辛かったけど、だからこそこんなに一人の女の子と愛し合えた。
大切な、かけがえのない存在ができた。
主人公があたりさわりのない人間関係から脱出して、辛さを乗り越えて、本当の絆を掴むという物語!
ほんとうに素晴らしかった
そして、これからは二人だけの幸せをつかみにいくんだ。
・・・(´;ω;`)ウッ…