とにかく面白い。
自分が今までやってきたゲームの系統とは違うもので、有名な瀬戸口先生の作品をプレイするのもはじめてでしたが、期待通りにとても面白かったです。とにかく面白かったです。中断の隙を与えられませんでした。
私はクワガタと希美ちゃんが特に好きです。クワガタのことを好きとは言いづらいし彼を憎みもしたのですが、それでも壊れる前の彼はかっこよかった。
目の前で凌辱される希美、ただ立ち尽くす自分に我慢がきかず、田能村さんを待てずひとり飛び出していくところがよかった。
希美を助けたあとも、彼女を「強姦の被害者」という名前の悪魔から解放しようと必死になって言葉を考えるところがよかった。
うまくいかず、他の人ならうまくやるんだろうなと自虐的に思ってしまうところがよかった。
彼はとても優しい心をもっていたのに報われなかった。全然ダメだった。好きな女性も仲間にとられた。
そんな彼がはじめて女性に頼りにされた。クワガタはそれを使命と言っていたし、信頼にこたえようとしていた。彼は彼女に同情もし、彼女の辛い思いを取り去ろうと考えた。
彼はとても優しい心をもっているから。
彼は希美の加害者を殺しに行く。ここがとても共感できる。なぜ、あんな仕打ちをした彼らを生かしておくことができるのか？理解ができなかった。法律とか私刑がダメとかよくわからない。人の感情としてああいう奴らを生かしておいて許すことなんてできないだろう？もし仮に自分たちに危害を加えないとしても、希美をあんな目に遭わせたんだ。殺しても足りないくらいだ。なぜわざわざ生かしておくのか？それともまた同じ目に遭いたいのか？理解ができないし許せなかった。だからクワガタはかっこよかった。
希美にはクワガタしかいなかった。二人の絆は固いものになると私は思っていた。
だけどクワガタは最後まで由香が好きだったし、希美の思いも踏みにじった。
思い通りにいかない展開だったがよかった。納得もできた。そしてノーマルルートでの、
希美がクワガタに銃を向けるシーン。
こんな状況下で希美は「どうして私じゃなくてその女のところにいくのか」「私のことを好きだったことはあるか」とか気にしている。そこがとてもいい。だって希美にはクワガタしかいないんだから。好きな人は世界と同等の価値なんだから。世界が終わるとかそんなことよりもクワガタの自分への気持ちを気にしてる。嫉妬している。そして殺そうとしている。
あのときクワガタに銃が当たっていたら・・・クワガタはずっと自分にはなかった「女性からの恋愛的な好意」で死ねるんだよ。
自分がはじめて命をかけてまで守ろうとした、女の子に殺されるんだよ。
けっきょく銃は当たらずじまいだったけど、この二人にまつわるエピソードがとても好きだった。
補足
エロシーンがバカみたいに喘がずリアルなところ（希美はちゃんと壊れていたところ）、
話にも無駄がないところとてもよかったです。
あと、やっぱり妹は無条件で可愛いのかもしれない妙子ー！！！