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haremloveさんの黒獣・改 ~気高き聖女は白濁に染まる~の長文感想

ユーザー
haremlove
ゲーム
黒獣・改 ~気高き聖女は白濁に染まる~
ブランド
Liquid
得点
80

一言コメント

ERE版とは何だったのか・・・。スキップ機能や新規短編追加でパワーアップした初代黒獣。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

2010年に発売された同名ゲームの再リニューアル版です。

以前にERE版と言うリニューアルがされた初代黒獣ですが、
今回はそこに、
「ゲーム各所にスキップ機能を追加(スキップしたHシーンもCGギャラリーやシーン回想に追加?)」
「ゲーム前半の砦攻略パートを簡略化してテキスト進行とHシーンのみで展開する(各所の選択肢を除けば黒獣2とほぼ同じ仕様。」
「番外編の短編エピソードが展開するアナザーエピソードを追加(HシーンはCGギャラリーとシーン回想にも登録)」
と言った新要素を加えており、全面的に黒獣2に近い仕様になり、同時にERE版以前より遊びやすくなった印象がある。

しかし、そう言った新要素を除くと旧版と変わらないのはこの手のリニューアル版のお約束と言うモノであり、
改善点以外の例えばキモいサブキャラの数々や辱め要素主体でエロさが足りない特別奉仕などの初代黒獣への不満要素はそのまんまである。

初代黒獣に対するレビューはERE版の方に書いているので、ここでは改における新要素について記述する。

◎スキップ機能
スキップできるのは、
「プロローグ(オープニングムービー直前まで)」・「砦攻略」・「奉仕選択(1回目)」・「奉仕選択(2回目)」
の4ヶ所。

この内、砦攻略はヒロイン達の破瓜H(オリガとクロエを除く)の相手を2択から選ぶのが地味に面倒なパートだったし、
奉仕選択に関しても、ヒロイン9人全ての奉仕活動を見ないと先に進めなかったので、この部分がスキップできるのはとても嬉しいと言える。

特に2回目の奉仕選択はエンディングのルートを決定する2回の特別奉仕の間に挟まっているので、
ERE版以前と比べてスキップが可能な分全ヒロイン+ハーレムのエンディング回収が格段に楽になったのは素直に嬉しい所だし、初代黒獣の欠点の1つであったエンディング回収のテンポの悪さが大幅に改善されていると言える。

スキップ機能は改におけるもっとも便利な改良点と言えるだろう。


◎砦攻略パートの簡略化。
ERE版をプレイしたのが数年前で記憶が薄いのだが、それでも改の砦攻略パートは簡略化された様な印象がある。

黒獣には別にデモニオンシリーズの様な凝ったゲーム要素がある訳でも無いので、この簡略化もいい事だと思う。

しかしその一方で、アリシア達の破瓜Hの選択肢が残っている以外は概ね黒獣2のゲーム前半と同じ感覚なので、
破瓜Hを選択式にしたが故の一本道で一気に進まない煩わしさが残ったと言うべきか、あるいは選択肢の分だけゲーム感が残っていると見たり、選択肢での一時停止で一息つけると見るべきか、いっそ丸ごとスキップするべきか、悩ましい所である。


◎アナザーエピソード
アナザーエピソードには、ヒロイン2人による奉仕活動やレズセックス要素があったのが良かったと思う。

アニメやコミック版でも描かれたオリガとクロエのレズセックス要素だったり、クロエ&アリシアやオリガ&セレスティンやプリム&ルー・ルーの2人同時奉仕は、とても良かったです。

ただ、最後の1つが黒獣2のプロローグなのは、ちょっともったいない感があった。
(そこは初代黒獣のヒロイン総登場の本編とは一味違うハーレムHとか見たかった。)

また、アナザーエピソードのCGとHシーンはギャラリーにもちゃんと登録される為、
昔プレイしたディーゼルマイン系低価格ソフトのおまけシナリオや旧シルキーズのベロちゅーのクリアプレゼントの様に、一々該当シナリオを見ないとCGやHシーンが見れないと言う悩みが無いのも良いです。





▽コミック版に関する感想

ERE版の方でも触れているが、ここで初代黒獣のコミック版について書き留めておく。

正直に言えばコミック版は黒獣原作の特色を潰している感が否めない。

9人いる原作ヒロインの内、コミック版本編で起用されたのはオリガ,クロエ,アリシアの3人と、全体の3分の1に過ぎない上に、もう1人出番のあるプリムに関しては基本的にフタナリ化からの竿役に徹している為、女としての出番は無いも同然である。
一応セレスティン達他のメインヒロインにも出番はあるが、最終話で1人1ページ間隔のダイジェスト陥落だけなのが寂しい。

また、砦攻略パートの楽しみであるモブキャラのHシーンも殆どカットされており、
唯一ゴブリンに犯されるシスター達のシーンのみダイジェスト気味に描かれた程度である。
(シスターたちはその後フタナリ化プリムに犯されるコミックオリジナルのシーンにも登場。)

こうした黒獣の特色を考えれば残念極まりない要素の割愛が目立つコミック版だが、
一応メイン格3人には各2話ずつスポットが当たるので単純な1人当たりのHシーンの数は黒獣2のコミカライズよりは多いと言えなくもない。

また、2話目でのクロエと共にオリガも犯されるシーンや最終話でのクロエ×オリガやクロエ×アリシアのフタナリレズも見所と言える。


総じて残念な所が目立つコミカライズだが、一応良い所もあるので、総合的には惜しい作品と言えるだろう。