PS系のDLCを全部乗せにした移植版。移植なのでシナリオはPS系と変わらず公式によるセルフ原作レイプの産物。
※注意
ここから先の文章は本作とFGOによってTYPE-MOONに失望し、
Fate/EXTRAシリーズのキャラクターは好きだけどTYPE-MOONの事は嫌悪する、
そんな一個人の独断と偏見に満ちた記憶ベースの駄文です。
(現在セールで安く買ったSWITCH版で8年ぶりに再プレイ済み)
正直見辛い所も多々ありますし、恨み節の偏見な所も大分ありますが、
それでも良ければご覧ください。
◎ゲームとしてのEXTELLAに対する感想
SWITCH版のEXTELLAは基本的には本編+PS系のDLCの全部載せ+αなので、所謂完全版商法と言える。
(その割に普通にメインシナリオだけ遊んだ中だとPS系のDLC衣装を見てない気も。)
個人的には無双系のゲームは本作以外の真面な経験が無いので、比較などは出来ないが、
EXTELLAのゲーム性は単調さが否めない所がある。
何しろEXTELLAのゲーム中でやる事と言えば、エリア内のエネミー及びアグレッサーの掃討の繰り返しにエネミーを生成するプラントやボスの撃破を交えている程度で、その他多少の工夫はあるものの、基本はこのエネミー掃討によるエリア制圧の繰り返しである。
なお、一応NPC(主人公のサーヴァント+各陣営のサーヴァント達)が出す条件を満たすチャレンジ要素はある。
ただ、金詩篇ラストステージはある程度従来の無双ゲーをやったら星舟ヴェルバー2のコアを目指す高速奥スクロールにシフトするのだが、道中の障害となる文字通りの壁が出現から衝突までの間隔が短く避けたり破壊したりするのが間に合わずに衝突を繰り返しゲームオーバーになる事が頻発した為、その辺結構ストレスを溜める変化球であった。
問題なのはシナリオ面であり、
既存のキャラクター(主役格)の扱いが悪く、スターシステム枠と言える各陣営のサーヴァント達は各メインシナリオ終盤になると空気化、新規の面子はアルテラはまあいいとして、アルキメデスは原作者達公式側に便利使いされ過ぎているのが丸分かりであるなど、
原作者達公式側の自己満足による改悪とシナリオ展開が目立った印象が強い。
とは言え、基本となるシナリオの骨子は個人的に良いと思うので、原作者達公式側の調理の仕方に問題があったと言えるだろう。
ここからは、大まかな問題点を筆頭に、そんなEXTELLAの悪い所などを挙げて行く。
◎大まかな問題点その1:既存のキャラクター(主役格)の扱いが悪い
詳細は後述していくとして、ここではEXTELLAでも主役を務める主人公とそのサーヴァント達の扱いを見ていく。
まず主人公(岸波白野)は、3回目の記憶喪失と言うワンパターンな始動に個人的にマンネリ感がある上に、
その記憶喪失もブースト状態のチュートリアルとアルキメデスの味方面軍師ムーブの為に便利使いされた感があるし、
シナリオ面でも(未明篇は大目に見るとしても)焔詩篇や蘭詩篇は主人公の記憶喪失を前提にした真実をボカしたシナリオ(悪い訳ではない)とも言えるし、
記憶喪失以外でも主人公は聖杯戦争に優勝して月の裏の事件も解決したと言う経験値の蓄積があまり見られない警戒心の無さなども悪い意味で印象に残り、
何よりも並行世界絡みのムーブが特に描写も無くホイホイ並行世界移動しているアルキメデスと比べて主人公側はデメリットが大きすぎて不公平感が酷い。
ネロは一見すれば本作の主役筆頭なのだが、初っ端から悲惨なバッドエンドを迎えたり、自身の宝具の使い方や金詩篇終盤のアルテラ救済を除いて所々で知能が低い感じがするのが酷い。
玉藻は露骨なサブ扱いな上に前座の噛ませ犬扱いが主体であり、原作者達公式側は賢い奴として扱っているつもりなのに実際の描写は愚者一直線としか言いようがない上に、アルテラの宝具の防ぎ方もEXTRA系では1作に1回は見る囮戦法なのが複雑な感情にさせている。
エリザベートは味方キャラとして扱われる事が多い印象のFGOに対してEXTELLAでは悪役に逆戻りな上に悪堕ちまでするなど、
徹底的に悪役扱いされている。
こうした既存のキャラクターの扱いが鼻につき、EXTELLAの印象を悪くする要因の1つとなっている。
また、アルテラと各陣営の将となるサーヴァント達はFGO効果もあってか概ね真名呼びなのに対してネロと玉藻と無銘は相変わらずクラス名呼びである。
実質名無し同然である無銘は兎も角として、FGOでバンバン真名呼びがあるのだから、ネロや玉藻は常に主人公から真名で呼んでもらって欲しかったと、CCCでの主人公と親密なネロや玉藻の姿を見てきた頃から個人的に思う。
◎大まかな問題点その2:便利使いされ過ぎたアルキメデス
本作の悪役であるアルキメデスは、全体的に原作者達公式側に便利使いされ過ぎである。
基本的にネロと玉藻の陣営でそれぞれ獅子身中の虫でありながら「分裂後の主人公を助けた」事をアドバンテージとして怪しまれずに、特にプレイヤー的には正体バレ後の蘭詩篇(メインシナリオ2周目)以降も平然とネロや玉藻に対して味方面していたり、
その中でもネロ陣営に対しては(蘭詩篇であんなに酷評しつつ)シナリオ全体で見ると未遂も含めて3回も取り入っているし、
主人公に至っては焔詩篇において悉くアルキメデスにとって都合のいい展開の片棒を担がされているし、
何よりもネロや玉藻やアルテラや主人公を自分の価値基準に基づいて酷評,罵倒,愚弄するのが単純にヘイト感情を強めているし、
その一方で手下としてエリザベートを使っているものの、彼女の(アルキメデス的には)想定外の行動で計画がご破算になるし、
悪役なので痛い目を見る事もあるものの、
エリザベートの宝具にぶっ飛ばされたりギルガメッシュにボコボコにされたりするなど致死まで行きそうな場面がありながら平然と生きている不死身っぷりを最後まで見せており、蘭詩篇や金詩篇のエピローグのラストにまでシレっと登場する始末である。
こうしたアルキメデスの便利使いはEXTELLA全体を通してもよく目立ち、故にヘイト感情が強くなっているのである。
◎大まかな問題点その3:サーヴァントが話の主導的立場にいる。将のサーヴァント達が少々空気気味
FGOでも見られる傾向なのだが、基本的に話を動かす役をサーヴァントの方がやっており、主人公はサーヴァントに引っ張られるお供であったりお飾りであったりと言った流されるままな雰囲気で、マスターとサーヴァントの関係が逆転している感が否めない。
(正直未明篇や金詩篇で漸く主人公が目立った感がある。)
アルテラに関しては主人公を利用する様な形から関係が始まった事や本作のメインヒロインポジションだからまだ良いとして、
ネロの場合は「薄命の主人公」と言う要素をそれなりにやったモノの話の主導権はネロの側にあり、
玉藻の場合は主人公が玉藻のやる事を基本的に止めない方針でいる為、玉藻の暴虐に対するストッパーにはならない。
また、EXTELLAでは各陣営に将として様々なスターシステム枠のサーヴァントが所属しているのだが、
シナリオ上では多少会話に入ってきたり戦闘ステージの特色に使われたりはしているものの、
そこまでメインのシナリオに絡む事は無いので少々空気気味である。
もっとも、そのお陰で主役を張るネロ達よりはるかにマシな扱いになっているが。
ちなみに、焔詩篇や金詩篇のクー・フーリン、蘭詩篇のメドゥーサ&カルナ、未明篇のギルガメッシュと、そこそこ存在感を出すサーヴァントもいるのだが、
それでも各シナリオ終盤になるとネロや玉藻やアルテラにアルキメデスと言った主要メンバーだけで話が進むようになるので空気化してしまいがちである。
(だからこそ扱いがマシである感はするし、そもそも話のテンポ的にはいない方がスッキリした形で話が進むのだが。)
◎大まかな問題点その4:EXTRA系お約束のテンプレシナリオと扱いの偏り
EXTRAやCCCと同様にEXTELLAのシナリオも基本的にテンプレ構築されている。
簡単に纏めると、
1.前半戦は敵陣営Aを倒す
2.後半戦は敵陣営Bを倒す
3.最後は巨大ボスを倒す
と言う構成になっている。
この展開が全4詩篇のメインシナリオ全てで共通している上に、
陣営Aの4分の3は玉藻陣営、陣営Bの4分の3はアルテラ陣営、金詩篇を除く4分の3のラスボスはセファールと、キャラクターの配分に偏りがある。
その結果、個人的な印象としては、アルテラ陣営に関しては新参者かつ異星からの脅威と言うポジション的に問題ないものの、
玉藻陣営は4分の3噛ませ犬だし、セファールはネロ(焔詩篇),玉藻(蘭詩篇),アルテラ(未明篇)で3連続ラスボスなので飽きとマンネリ感がしてくると言う問題が浮上してしまう。
(しかし玉藻やアルテラは因縁と言う意味ではセファールがラスボスに相応しいので複雑である。)
EXTRAやCCCではキャラクターの魅力などでフォロー出来ていたテンプレシナリオだが、
EXTELLAの場合はキャラクターの扱いが残念なので、問題点が浮き彫りになっているといえるだろう。
◎大まかな問題点その5:可能性を潰す並行世界論
EXTELLAやFGOには量子記録固定帯だの人理定礎などと言った小難しい名前の並行世界論が盛り込まれており、行き詰った世界線は剪定事象として切り捨てられるとされている。
ただ、個人的にこの並行世界論を解釈すると、
例えばの話、
初代ドラクエのラスボス戦直前における有名な選択に「はい」と答えた結果世界が闇に包まれた先の物語である初代ドラクエビルダーズや、
ドラクエ11の第1部終了と共に世界が闇に包まれた先の物語である第2部(SWITCH版では第1.5部)以降の物語を、
この並行世界論は否定している様に思えてしまう。
そもそもの話、こうした事象の剪定が無ければ世界やムーンセルは天文学的に枝葉末節を広げる並行世界を許容しきれずパンクするとしているのも、並行世界の広がりに限界を持たせてその無限性に傷をつけている感がして個人的には不快である。
なお、あくまで個人的な解釈であるが、この事象の剪定云々は、
ゲームに例えるなら存続する世界線はエンディングまでのルートがあり、剪定される世界線は行き詰ってゲームオーバーを迎えるルートと解釈できる。
(staynightに例えるなら存続する事象とはSN,UBW,HFの各ルートのエンディングに至るルート、剪定事象はタイガー道場に至るルートと言った所。)
◎大まかな問題点その6:ゲームのオートセーブ&ロードに例えられるアルキメデスの並行世界移動
作中のアルキメデスは何度か並行世界を移動しては野望をリトライしているのだが、
個人的にはそれがルート分岐前の古いセーブデータをロードしてゲームをやり直しているように見えてしまう。
しかも、過去に遡ってのリトライなので、並行世界ネタが無ければバック・トゥ・ザ・フューチャー的な過去の改変で未来が変わる物語にも見える。
(つまり並行世界モノでありつつ未来改変を目指すひぐらしのなく頃にやまどか☆マギカ的なシナリオとも言える。)
そして、各詩編終盤のアルキメデスが行きたい並行世界に行ける限界の描写も、行先の並行世界(セーブデータ)が自動更新されるオートセーブデータによって上書きされて消えそうになる感覚に例えられる。
と言うか、実際本編の未明篇にて、量子記録固定帯絡みでセーブポイントと言う表現を使ってたりする。
個人的にはEXTELLAのシナリオの酷さを自覚した後に、こうした例え方が出来てしまう事にも、そこにやたら小難しい単語を並べた事にも、醒める感がしてしまったのである。
◎大まかな問題点その7:staynight系キャラクターの優遇
FGOほどでは無いもののEXTELLAでもstaynight系のキャラクターは優遇されている感がある。
例えば無銘(エミヤシロウ)の場合は、本編だと只のネロ陣営の所属サーヴァントの1人で賑やかし程度の存在感しかないものの、
前日談ではもう1人の主人公(岸波白野)のサーヴァントと言う美味しい役を貰っているし、
例えばメドゥーサの場合は、本編だとやはり賑やかし程度の存在感ではあるものの、玉藻が暗君であれば殺す気満々だし、
彼女が主役のサブシナリオでは玉藻の命令に従いつつ裏で同志を集めて最終的には下剋上して玉藻を例の石で抑え込みつつ主人公(岸波白野)をNTRしそうなオチを飾り、
例えばギルガメッシュはアルテラを苦しめつつそれが主人公(岸波白野)とアルテラの絆を深める発端になったり、
主人公(岸波白野)に対して千里眼由来のCCCの経験を仄かに匂わせる発言をしたり、
更には主人公(岸波白野)を人質にとったアルキメデスを(彼の抜けた所を指摘しつつ)大爆笑しながらボッコボコにしたりと、目立つところが多いし、
例えばクー・フーリンはFGOでオルタが大暴れして嫁ネロを惨殺した件がありながら配置としてはネロ陣営になっているのは、FGOでトラウマを負った人に対してはある意味酷い采配と言える。
しかもクー・フーリンは焔詩篇や金詩篇では結構話に絡んでくる立場にいて目立つ方だったし。
ともあれ、全体的にstaynight系のキャラクターは目立つ印象が強いのである。
◎大まかな問題点その8:無用な改変で原作レイプされた前日談(EXTRA)シナリオ
原作者サイドにてEXTELLAの前日談シナリオが語られているのだが、
これがEXTRAのシナリオを下手に改変した糞前日談であり、
玉藻の扱い、6回戦の状況の混迷化、元から変更された決勝の対戦相手の秘匿問題、禁忌のデウスエクスマキナ「バグチェッカー」と言った様な問題要素が山積している。
しかも本編でもこの糞前日談の一端(玉藻の扱い)が語られてるのだから始末が悪い。
下手な改変などせず、前日談はなるべくEXTRAのままであって欲しかった。
◆糞前日談とキャラクター別で問題点を出していく。
ここからはEXTELLAの問題点を糞前日談とキャラクター別で見ていく。
糞前日談は主に玉藻関係と6回戦の状況、バグチェッカーが大きな問題と言える。
▼糞前日談編
○そもそもの話:糞前日談はどこまで設定に組み込まれていたのか。
8年ぶりにEXTELLAをプレイし始めてすぐ気づいたのだが、
糞前日談での改変要素である6回戦(準決勝),7回戦(決勝)の対戦相手について本編と糞前日談の間で矛盾がある。
糞前日談では6回戦でもう1人の主人公と無銘のコンビに敗北した筈のガウェインが本編では主人公とネロに敗れた事になっていたり、
決勝で戦った筈の無銘の事をネロは会ったかさえ怪しい程記憶が曖昧になっていたり、
玉藻の聖杯戦争からの退場に対して糞前日談で出て来たバグチェッカーはEXTELLA本編だと全く触れられず、
ネロと玉藻の2人体制だと神話礼装解放の際の出番が無さそうなエリザベートのEXTELLA本編の台詞に「一緒に戦った義理」と言うまるで神話礼装解放の際のサーヴァント代行の件があった様な感じだったりと、
EXTELLA本編で触れられたEXTRAやCCCの流れはそれぞれの本編に準じた流れでEXTELLAに至った感が強く、糞前日談の流れの方がパラレルであるかのように描かれている。
こうなると、糞前日談がどこまでEXTELLAの前日談として考えて取り入れられたプロットなのか疑いたくなってくるし、
あるいは原作者達公式側が何も考えずに自己満足でEXTRAのシナリオを改悪したと思うべきかを改めて考えておきたい所だし、
見ようによっては個人的に考える糞前日談の根本的解決策である、「元のEXTRAから無理に変えなければいい」を支持する切っ掛けにだってなりそうである。
ただ、聖杯戦争時の玉藻の扱いに関しては、EXTELLA本編にもアトラムの名を出しているので糞前日談のプロットが入っていると思われる。
○玉藻の不遇な扱いその1:安易に使い回されたstaynightネタ(しかも二番煎じ)
本編でも金詩篇第3章のマイルーム会話でネロが説明しているが、
糞前日談で玉藻が主人公(岸波白野)と出会うまでの過程として、
玉藻には主人公でも元マスターであるトワイス(EXTRAのラスボス)でもない第3のマスターが宛がわれてしまっている。
しかもこの第3のマスターと言うのが、staynightのキャスター(メディア)の元マスターのアトラムを安易に使い回した存在であり、
元々staynightのメディアの要素を換骨奪胎して主人公とトワイスの2人のマスターを持つ設定が玉藻には与えられていたのに、そこに安易かつ二番煎じなstaynightネタの使い回しで第3のマスターを設定してしまったのである。
その結果、このアトラム(個人的には屑男と呼称)と玉藻はあらゆる意味で噛み合わないし、主人公と玉藻の合流点を考えるとそこまでの過程にも違和感があるし、全体的にご都合主義を強く感じる事になった。
ここからは更にこの主従関係に対する違和感を挙げて行く。
○玉藻の不遇な扱いその2:アトラムが玉藻を召喚した事が違和感
まず、糞前日談のアトラムとメディアの元マスターのアトラムを顔と名前を流用しただけの別人とされたらそれまでなのだが、
それでも名前などを流用している以上、あえてメディアの元マスターのアトラムを基準とした場合の違和感から挙げる。
アトラムはイアソン狙いでアルゴー船ガチャをやった結果メディアを召喚し、
それ以前にはジーク・フリートの召喚を狙っていたとされている。
つまりアトラム的には西洋系英霊を狙っていたのであって、東洋系の玉藻とは接点が無い様に思える。
そしてここからが本題なのだが、EXTRAやCCCの本編や当時のマテリアルで描かれた、月の聖杯戦争におけるサーヴァント召喚の過程がますますアトラムと玉藻の主従が成立するとは思えない違和感を生じさせているのである。
EXTRAにおけるサーヴァントの召喚絡みにおいて、玉藻やネロは予選中の主人公の様子を見て、主人公に一目惚れし、主人公のサーヴァントになった、と言う経緯が、本編でもマテリアルでも語られている。
ちなみに、サーヴァント側の眼鏡に叶わないマスターの召喚には応じない事もできるのも、これらで描写されている。
(ネロの場合、ずっと眼鏡に叶うマスターがいなかった中で主人公を見初めている。)
つまり、月の聖杯戦争においてはサーヴァント側からもマスターを選定する事が出来るし拒否権だってある訳であり、
アトラムの場合は、
EXTELLA本編のネロの評価でも低俗なウィザードであり、
糞前日談においても玉藻自身が顔はイケメンでも内面は屑と見抜いている事が語られていながら、
何故か玉藻は「召喚されたモノはしょうがない」と言う実に意味不明な理由で本来ならマスターにする謂れの無い屑男であるアトラムのサーヴァントをやってしまっており、
この時点で既に原作者達公式側のご都合主義が見える。
更に言えば、CCCにおいて描写された主人公(岸波白野)と出会う前の玉藻は元マスターのトワイスに捨てられたショックで大いに荒んでおり、主人公にさえ殺意を向ける程である事から、ますますアトラムと組むとは思えない感が強い。
下手をしなくとも、strangeFakeなどであった様な召喚直後にサーヴァントが召喚者を殺しに掛かる展開だってあり得たし、
EXTRAの無銘(エミヤシロウ)に対して主人公がマスターであるかの質問に「いいえ」と答えた場合の様に召喚されたその場で踵を返して帰ってしまう事もあり得るし、
staynightのメディアの前日談ネタを安易に使い回しているのならメディアが頭を使ってアトラムを謀殺した例だってあるのにも関わらず、
玉藻はそれらを一切することなく、4回戦で主人公(岸波白野)と出会うまでダラダラとアトラムとの関係を続けたのだから、違和感と不自然さが強い上に原作者達公式側のご都合主義で話が動いているし、
何よりも玉藻自身が「アトラムの本性は看破しているのに何もしないプライドの無い愚者」に見えてしまう酷い構図が出来上がってしまっているのが、玉藻とアトラムの関係と言えるだろう。
そして何よりも、玉藻のファンとしてこの不快な主従関係の構築自体が公式を嫌悪させている。
なお、月の聖杯戦争におけるサーヴァント召喚に関しては、
基本的には上述した要素を含むサーヴァント側からもマスターを選ぶ権利がある相性召喚(仮称)が主であり、
staynightなどにあった触媒召喚(仮称)はそもそも触媒の持ち込みが可能かの時点から不明瞭なので出来るかどうかは分らない。
(それ以前にアトラムが態々触媒まで用意して玉藻の召喚を狙う事は上記の理由からあり得ないと思えてならない。)
EXTRAにてマスター側が任意で召喚したとされるガウェイン,李書文,呂布に関しては、任意召喚の割に相性要素が色濃く出ている上に、任意召喚を行ったとされるのは西欧財閥とアトラス院なので、つまりその筋の最高峰の技術を持った所である点は留意しておくべきである。
ちなみに、臥籐がアルクェイドを持ち込んだように、地上でサーヴァントを任意又は触媒召喚して月の聖杯戦争に持ち込もうと考えても、EXTRA系の世界ではそもそも地上の魔力が枯渇しているので地上でのサーヴァント召喚は不可能である。
(繰り返しになるがそれ以前にそこまでしてアトラムが玉藻ないしは譲歩して彼女に関連するサーヴァントを狙って召喚すること自体あり得ないと個人的には思う。)
結局の所、玉藻とアトラムの組み合わせは原作者達公式側の自己満足なご都合主義でないと成立しないのである。
(個人的には過去のエリザベートとらんるーくんや謎のバーサーカーと主人公など、CCCで出て来た文章のみの主従関係も同様のご都合主義を感じる。)
○玉藻の不遇な扱いその3:玉藻を4回戦まで生き残らせた事に違和感
EXTRAやCCCでの本来の玉藻の設定では、玉藻は初戦敗退が常の弱小サーヴァントであり、
これが原因で元々玉藻とはそれなりに長い付き合いであった元マスターのトワイスは玉藻を捨ててセイヴァーを新たなサーヴァントとし、
玉藻は主人公(岸波白野)とのコンビで初めて初戦を突破して聖杯戦争を勝ち抜いていく形となった。
それに対して、糞前日談では1回戦から3回戦までの流れは改変せず、4回戦の対戦相手を改変して主人公(岸波白野)と玉藻の出会いをこのタイミングに設けているのだから、
玉藻の弱小サーヴァント設定が何処かに行ってしまっている。
一応、アトラムは決戦前に対戦相手を玉藻を利用して殺すと言う場外戦法を使っていたので、玉藻の戦闘力が勝ち上がりに直結していない可能性があるのが悔しい所である。
また、CCCの時点で、過去の玉藻を裏ボスにした都合上、過去の玉藻の体感的な戦闘力がとても初戦敗退が常の弱小サーバントとは思えない程強くなってしまったという設定無視の前科が原作者達公式側にはある。
○6回戦の混迷その1:対戦枠における凛とラニの扱い
糞前日談における6回戦の出場枠の内4分の3は、主人公(岸波白野),レオ,もう1人の主人公(岸波白野)で埋まっている為、
凛とラニが収まりそうな枠は1枠しかない。
月の聖杯戦争が1枠1マスターなのに、糞前日談では凛とラニを纏めて主人公(岸波白野)の相手として処分しており、特にそこにフォローは無い。
仮に、後述するガウェイン攻略の為の照明落とし作戦で凛とラニの内のどちらかが欠けたら1人1枠にはなるが、
糞前日談の記述に沿うなら2人同時に相手をした可能性も捨てきれないので難しい所であり、
原作者達公式側がその辺をロクに考えずに凛とラニを雑に処分した様に思えてならない。
と言うか、たった1行の「凛とラニを破り別れを告げる」と言われる程度の軽い扱いで2人纏めて処分している。
○6回戦の混迷その2:凛とラニは主人公(岸波白野)の対戦相手で(もう1人の)主人公(岸波白野)の協力者
糞前日談では、もう1人の主人公(岸波白野)と言う存在を用意し、こちらが6回戦でレオを倒し、7回戦(決勝)で主人公(岸波白野)と対決すると言う展開をやっているのが、
これはつまり6回戦に7回戦の要素を持ち込む事を意味している。
EXTRAの7回戦における主人公(岸波白野)側の課題は、「ガウェインのに日中無敵能力の無力化」であり、
これには直接ガウェインと戦う主人公(岸波白野)サイドとガウェインの日中無敵を無力化する為にアリーナの照明を落とすパートナー(凜orラニ)サイドの連携が不可欠である。
そして、6回戦本来の凛とラニとの対決要素もそのまま残っている。
これがつまりどう言う事を意味するかと言えば、
凛とラニは片や主人公(岸波白野)との決戦の覚悟を決め、その一方で(もう1人の)主人公(岸波白野)の為にガウェインの無敵能力の無力化を手伝う、と言うイベントのダブルブッキングが発生してしまう。
これはガウェインの日中無敵が6回戦でも発動していると言う前提での話であるが、
片や主人公(岸波白野)に正体を隠せるだけかくして決戦を迎える凜とラニのムーブと主人公のパートナーとして活動する凛とラニのムーブをダブルブッキングは、考えようによっては両立も出来なくはないだろうが、主人公と戦う事と(もう1人の)主人公の為にガウェインのスキル攻略を手伝う事の間に矛盾感もするし、原作者達公式側が何も考えてないと思える要素の1つである。
○6回戦の混迷その3:漆黒の尾羽根入手問題
先述した照明落とし作戦においてパートナーの他に問題となるのがアリーナへのハッキングの一助になるアイテム「漆黒の尾羽根」の入手である。
このアイテム、本来なら7回戦序盤に7回戦前半のアリーナに出現するユリウスと対決した場所で入手するモノなので、
照明落とし作戦実行を前提にして考えると、ユリウスが都合よく6回戦に出現してくれないと、(7回戦のイベントを6回戦に前倒ししないと)照明落とし作戦に支障をきたす事になってしまう。
この辺も原作者達公式側が何も考えてないと思える要素の1つである。
○6回戦の混迷その4:そもそもガウェインの無敵の防御は発動しているのか?
根本的な話だが、そもそもガウェインの日中無敵が発動しているかが問題である。
事実としてあるのは、EXTRAの7回戦(決勝戦)では発動していたのに対してCCCでは第1章の時点で「サクラ迷宮の中は夜判定」と言う事で発動していないと言う事であり、
一見明るい6回戦頃の環境が日中無敵が発動できる環境であるかは不明である。
もしガウェインの日中無敵が発動していたら、上記してきた問題が浮上してくる反面、凜かラニの内のどちらかを先に退場させる(主人公と対峙するのをどちらか1人にする)チャンスと理由付けにはなりそうである。
逆に、日中無敵が発動していないのなら、上記した日中無敵を無力化する事に対する問題の山は浮上しないが、
凛とラニが2人1枠で主人公の対戦相手になる妙な状態になる可能性が極めて高くなってしまう。
どちらにしても問題はあるのだから、原作者達公式側がこれら諸々の問題を考えていない事がよく分かる。
○6回戦の混迷その5:7回戦がVSガウェインだった場合の問題
EXTELLA本編では糞前日談と異なり7回戦(決勝)でEXTRA本編と同様にネロとガウェインが対決した事になっている。
その場合凜orラニの扱いもEXTRA本編と同様にしないと、ガウェインの日中無敵を突破する照明落とし作戦を実行できなくて主人公達が詰んでしまう事になる。
つまり、6回戦で凛とラニを纏めて処分しようとする糞前日談は、糞前日談通りなら兎も角として元のEXTRAのままでないと成立しない物語であった場合には問題が起きる事がここでも明らかなのであり、
EXTELLA本編の描写を見る限り、EXTELLA本編は糞前日談と違ってEXTRA本編と同様の対戦カードで7回戦があったと明示されている以上、6回戦,7回戦の糞前日談改変は無かったと見る方が良いし、元のままが一番と言えるのである。
(この場合凜ルートやコミック版の様に凜が生存したのか、あるいはラニルートの様にラニが生存したのかは、出番のないEXTELLAからすれば大して問題にならない、と思う。)
角を矯めて牛を殺すと言う諺があるが、糞前日談は原作者達公式側が何も考えずに自己満足でEXTRA本編を改悪したが為に糞前日談は全体がダメになったと言えるだろう。
○6回戦の混迷その6:もう1人の主人公が主人公と別存在だと気づかれない謎。
もう1人の主人公(岸波白野)は、元を辿ればEXTRAのプロローグに男女両方の主人公(岸波白野)が存在した事を元ネタに、プレイヤーが選ばなかった方の性別に無銘を添えた主従コンビらしい。
そこまではいいとして、問題なのは主人公(岸波白野)ともう1人の主人公(岸波白野)を周囲の人間は混同してしまうと言う設定自体には無理があると感じる点である。
何しろ男女の主人公は性別も容姿もまるで違うし連れているサーヴァントも違う、ましてや糞前日談では主人公はネロと玉藻の2人のサーヴァントを連れた特異なマスターなので、幾ら校舎内ではサーヴァントは不可視状態を基本としていると言っても無銘のみのもう1人の主人公(岸波白野)とは本人の容姿や連れているサーヴァントなど色々と違うし、そう言う相違点から気付きそうな気がしてならないし、混同しているならそれは誤認系催眠モノ同人染みたナニカである。
まあ、そこを設定などで無理矢理ねじ伏せちゃうのが公式のご都合主義満点な所と言える。
○CCCで発生する問題点その1:CCCあたりで気付かれそうなもう1人の主人公。
CCCは5回戦終了後のエピソードなので時系列順で行くなら本来は先に書いておくべきだが、もう主人公絡みの話なのでここに記す。
上述の様にもう1人の主人公(岸波白野)は主人公(岸波白野)と混同されると言う設定であり、
尚且つ、糞前日談では決勝戦で主人公(岸波白野)の前に正体を現すと言う筋書きなのだが、
この展開のネックになるのがCCCである。
なにしろ凜もラニもレオも騙し通した両者を混同する設定がBBにも適用されているか、あるいはBBがもう1人の主人公を特別待遇にする事なく、両者を旧校舎に放り込んでしまったとしたら、
狭い旧校舎の中で主人公(岸波白野)ともう1人の主人公(岸波白野)がバッタリ出会う可能性はEXTRAの校舎と比べても極めて高いし、
そうでなくとも特にサーヴァントを連れている場合、校舎内を隅々までチェックしている桜(EXTRA)の監視網に絶対引っ掛かる筈なので、やはりもう1人の主人公(岸波白野)の正体が露見する可能性が高い。
(実際、CCC作中で桜はそれまで主人公達が見つけられなかったカルナをあっさり感知していたので、
桜の監視網に隙は無さそうである。)
最終的にCCCは「無かった事」になるとは言え、ギルガメッシュのノーマルエンドなどの様に切っ掛けさえあれば記憶は簡単に戻る印象があるし、
後述する主人公(岸波白野)達のCCC後の記憶の問題を考えると、少なくとも玉藻はCCCの記憶を保持している扱いなので、場合によっては玉藻だけでももう1人の主人公(岸波白野)の記憶を抱えて7回戦に臨む事になる。
つまり、もう1人の主人公(岸波白野)の存在を秘匿する事など、CCCを経由する以上不可能なのである。
○CCCで発生する問題点その2:いい加減な記憶の保持のバラつきに物申す。
糞前日談における主人公達のCCCに関する記憶の扱いは、
主人公は片鱗を残して記憶を失い、ネロはエリザベートの事を覚えているものの事もあろうに聖杯戦争の相手と勘違い記憶をしており、玉藻だけはCCCの記憶を保持している、と言うモノであった。
主人公は別に良いとして、ネロの勘違い記憶はどうかと思うし、玉藻だけ全てを覚えているのも、玉藻に少しでもネロに対してマウントを取れる何らかの要素を設けたい助平心があった様に思える。
特にネロの勘違い記憶は、主人公が持っている端末で聖杯戦争の対戦相手を振り返ったら、聖杯戦争中に戦っていない事が即バレそうだし、場合によってはそこからCCCの記憶を取り戻しそうな気がしてならない。
なお、エリザベート自体に関しては、凛とラニが1枠に押し込められていそうな糞前日談の6回戦に出せる余地がありそうな気もするのが怖い所である。
○CCCで発生する問題点その3:エリザベートの「主人公のサーヴァント代行」が起きない?
EXTRAのシナリオとは対照的にCCCのシナリオには碌に手を付けなかった原作者達公式側だが、
もう1人の主人公(岸波白野)の秘匿と同時に、もう1つ大問題を抱えている可能性がある。
それは本来ならCCCにおいてエリザベートに用意された最後の花道である神話礼装解放を、ネロと玉藻の2人でお互いにやれば熟せてしまう為、エリザベートが桜の体内で封印された所で出番終了となった可能性が高いと言う事である。
これが本当になっているのであれば、エリザベートと主人公達の関係にも何かしらかの影響はある様に思うし、
個人的には、EXTRA系におけるエリザベートの貴重な善玉側での活躍を潰され、EXTELLA本編と同様にエリザベートを悪役側オンリーにした感があって不快である。
そもそもの話、神話礼装解放は解放対象のサーヴァントの中にダイブする関係上、通常の1人1サーヴァントの場合ならどうしても代行が要るのに対して、糞前日談の様に何のデメリットも付けずに1人2サーヴァントにすると代行を用意しなくとも話が進んでしまい、それ即ち代行と言う立場で用意されたエリザベートの花道を糞前日談は潰しているのも同然なのである。
ただ、8年ぶりに再プレイしているとEXTELLA本編の焔詩篇第2章でのエリザベートの発言の中に「一緒に戦った義理」と言うまるでエリザベートがサーヴァント代行をやったかの様な発言があるのでもしかしたら代行があった可能性も捨てきれなくなった。
(かと言って既に主人公にネロと玉藻の2人のサーヴァントが居る中で何故エリザベートにお鉢が回ったかは謎である。)
とは言え、糞前日談ではあまり触れられなかったCCCだが、それでもこうした大問題を抱えているのである。
○禁忌のデウスエクスマキナ「バグチェッカー」
決勝戦後の玉藻の退場展開は、玉藻の不遇な扱いの1つであると同時に、
ネロと玉藻の間に徹底して格差を付けたがる原作者達公式側の思惑や、
その為に使った舞台装置と主人公の相性が最悪である事に気付いていない原作者達公式側の無能さがよく出た場面である。
特に、玉藻を退場させる為に使った舞台装置が「バグチェッカー」であると言うのは、主人公の出自を考えれば最も使うべきでない舞台装置である。
何故ならEXTRAやCCCの根幹にも関わる主人公の正体が「バグによって自我が生じたNPC」である以上、
バグチェッカーと言う名の付く舞台装置はその役割として主人公と言うバグった存在を検知して処分するのが基本である。
それにも関わらず、この玉藻の退場シーンでは、バグチェッカーは玉藻には激しく反応する割に主人公に対しては無反応と言うバグチェッカーの名折れっぷりを披露してしまっているのである。
幾ら主人公にはムーンセル中枢に接続するまでバグ認定されないと言う設定があると言っても、使ったのはバグチェッカーと言う正にバグの天敵とも言える代物であり、バグチェッカーが本来の役目を果たすなら、玉藻の退場と同時に主人公も退場しなければならないと個人的には思えてならない。
そして、主人公が退場してしまえばそこで物語は詰みであり、糞前日談は自分からEXTELLA本編に繋がる道を断ってしまう本末転倒な末路を辿る筈なのである。
つまり、バグチェッカーがバグチェッカーとしての仕事を的確にするのであれば主人公に影響が出るのは必然の筈であり、それを玉藻の退場だけに留めたのは原作者達公式側のご都合主義であり、バグチェッカーと言う簡単な手段ではなくもっと別の手段で玉藻を退場させるべきであったと思う。
(まあ、個人的には玉藻を主人公達から引き離す理由なんてネロと玉藻を敵対させる適当な理由付けにしか思えないのだが。)
余談だが、バグチェッカー系の問題と言えば何時頃からかは不明だが、カズラドロップにバグの発見・消去をするウイルスチェッカーの設定を持たせているのも主人公(岸波白野)やBBとのシナジーが最悪な感がして問題があると思える。
ちなみにEXTRAやCCCには主人公(岸波白野)以外にもBBなどのラスボス組を筆頭に、バグチェッカーなどの餌食にされそうな人が何人かいる。
以下はその簡易的な紹介である。
・トワイス(EXTRAのラスボス)
出自が主人公と同じバグったNPC
ムーンセル中枢に対して外部からハッキングと操作を行っていた。
・BB
作中で殊更にバグ扱いされている。
・ユリウス
頻繁にハッキング行為を行っていた
・凜
・ラニ
照明落とし作戦でハッキングを行っていた。
コミック版では凜がその結果死にかけてた。
▼本編キャラクター別編
ここからは本編の主要な登場人物達にスポットを当てていく。
◆主人公(岸波白野)
●無警戒過ぎる巨神アルテラとの出会いまで。
未明篇にて明らかになるのだが、
主人公はアルキメデスと2人きりで巨神アルテラの下に赴き、窮地に陥った末に3分割を起こし、EXTELLAの物語がスタートする、
個人的に疑問なのは、「何故主人公はアルキメデスと2人きりで巨神アルテラの下に赴いたのか?」と言う所である。
その辺の具体的描写は「主人公のサーヴァントを連れてくると巨神が察知して目覚める」と言う事以外に無いのが歯痒い所だが、物語の都合で考えるなら、主人公とアルキメデスの2人きり状態は理に叶ってはいる。
もし仮にアルキメデスの「巨神に気付かれる」と言う主張を無視して主人公のサーヴァント(ネロ)が同行していたら、
アルキメデスとしては巨神アルテラに主人公を始末させる作戦が台無しになるリスクは高まるだろうし、
主人公も、性格的に自分だけ脱出しようとはせずにネロと一緒に窮地を脱しようとするだろうから、
スムーズに主人公を3分割に持っていくのは困難だと想像できる。
と言う訳で、原作者達公式側のご都合主義の下、主人公はロクな説明も無しにアルキメデスと2人で行動する展開が露骨な形で描かれたと言える。
余談だが、巨神アルテラは一見寝ている様な時でも実は起きてる(眠らない)ので、アルキメデスが巨神アルテラに主人公を屠る様に促す為にデカい声でアレコレ言わなくても巨神アルテラは最初から起きていた事になる。
●主人公は3分割までの記録をサーヴァントに送る事は出来なかったのか
個人的に以前アルキメデス憎しから想像したネタの1つとして、
「主人公がアルキメデスに同行して3分割に至るまでの記録をサーヴァントに送信すればよかったのに」
と言う妄想をした事がある。
実際はそんな余裕なんて無かったのだろうが、そこをどうにかして実践して見せてこそ歴戦の主人公だと思う所もあるし、
EXTRAではサーヴァントから情報の重要性を説かれた事もある主人公だからこそ、報連相の大事さを身に着けて実行して欲しいと思う所もある。
もっとも、3分割後に如何なる経緯で精神と魂の主人公はそれぞれネロと玉藻の下に行き着いたのかは今一不明瞭な所があるし、
その上、アルキメデスは3分割後の精神や魂がサーヴァントの下に行き着く前に接触している事がEXTELLA本編冒頭の主人公名入力画面や焔詩篇と蘭詩篇の序盤の「アルキメデスが主人公を助けた」と言うセリフの件から分かるので、
仮に3分割時に精神や魂が記録を持っていて、尚且つ分割の影響による記憶障害の影響も無く記録を保持していたとしても、
アルキメデスが分割後の精神や魂に接触した時点で記録を握りつぶされた可能性もあるので、
今にして思うと、記録の送信は直接サーヴァントに記録を伝送して受信させない限り伝わらない可能性が高いと思われる結論に至った。
ちなみに金詩篇の主人公が未明篇の記録を受信したのはネロ陣営に帰還して眠っていた間の事なので、アルキメデスには揉み消しようがない。
●3度目の記憶喪失ネタ
EXTRAやCCCに続いて、EXTELLAでも主人公は記憶喪失の状態で物語(焔詩篇と蘭詩篇と未明篇)がスタートする。
個人的に、3度目になる記憶喪失展開には若干の飽きがきている。
確かに記憶喪失になっていれば既存のキャラクターを続投させつつチュートリアル(操作説明だけでなく世界観説明などを含む)を円滑に進められるだろうが、
そんな事せずともシリーズ作でチュートリアルに変化をつけられる事はロックマンエグゼシリーズや逆転裁判シリーズを見れば明らかである。
(ちなみに逆転裁判シリーズは本編6作品,検事2作品,大逆転2作品の合計10本の中で1回だけチュートリアルで記憶喪失ネタを使っている。)
ちなみに主人公の記憶喪失はチュートリアルだけでなくアルキメデスのネロor玉藻陣営における活動にも都合がいい。
何しろアルキメデスは主人公の3分割の時に一度本性を現しているし、その事を主人公が覚えていたらネロや玉藻に取り入る事は極めて難しくなるだろうし、現に最終章の冒頭では並行世界の主人公の記録を受信したネロの主人公がアルキメデスを倒そうとしている。
ただ、本編中アルキメデスはネロや玉藻の主人公を回収した事で彼女達の信頼を得ているついでに、
最初の主人公の名前入力の場面にアルキメデスのシルエットが出ているので、ここでアルキメデスは主人公が記憶喪失になった事に確信を得ていた可能性もある為、自信をもってネロや玉藻に取り入ったモノと考えられる。
余談だが、名前入力の所のアルキメデス(のシルエット)は、味方面の時と同じく主人公に優しく接していた。
また、焔詩篇や蘭詩篇は主人公が記憶喪失状態であるが故に真相をボカしてそれぞれの物語を展開したと言える。
結局の所、主人公の記憶喪失は、ワンパターンであ事に加えてチュートリアルとアルキメデスの味方面ムーブの為の原作者達公式側によるお膳立てであり、シナリオもEXTRAやCCCから変わらず主人公の記憶喪失を前提にしているのである。
しかも、チュートリアルの〆とも言えるブースト状態への変身の説明役までアルキメデスなので、とことんアルキメデスに利する為に主人公を記憶喪失にしたとしか思えない面もあるのが、本作でのネロや玉藻の主人公の記憶喪失の扱いである。
こうした全体的な「主人公はアルキメデスに体よく利用されている」展開の数々は個人的にかなり不快であるし、
アルキメデスはどんなに痛い目に合ってもゴキブリの如く生き残る上に主人公の逆襲も未明篇終盤と金詩篇の最初と最後程度なのだから、
全体的にアルキメデスの便利使いとそれ以外の軽視への比重が大きいと言える。
ただし、肉体の主人公に限って言えば何もない空っぽの状態からスタートする事に意味があると思うので、ネタバレ防止的な意味で記憶喪失状態を前提とした焔詩篇や蘭詩篇と比べても未明篇は特に大目に見て例外としたい。
●薄命設定で最後はバッドエンドなネロの主人公。
ネロ陣営の主人公は精神と言う不安定なファクターであるが故に薄命な状態になっているという設定なのだが、
肝心の焔詩篇その他の描写に対する個人的印象としては、
ネロの主人公はネロに対してやたらと情熱的に振舞っていたり、時々アルテラを幻視した結果ネロの嫉妬心を揺さぶる方が印象的で薄命の運命に対してはサラっと体調や気遣いの描写が挟まれる程度な所があり、
最終盤のセファール登場の時点で苦痛が強まった末に焔詩篇のエンディングでは主人公は命の限界を迎えて倒れ、ネロのレガリアの力で一命は取り留めたものの昏睡状態に陥り目覚めないと言う鬱々とした結末を迎える事になるのだから酷い話である。
また、初っ端から衝撃的なバッドエンドを迎えた事から、続く蘭詩篇では、ネロとその主人公は特に薄命設定に言及も無くアッサリ退場した事も含めてその後どうなったのか気になって蘭詩篇のエンディングを素直に楽しめなかった。
(焔詩篇での描写を踏まえるならば、蘭詩篇におけるネロの主人公は、十中八九主人公死亡でもっと酷いバットエンドになりそうなのが怖い所なのにシナリオ中にその辺に対する言及が無いのである。)
セファールとネロの主人公で痛み分けとしたアルキメデスには悪いが、
焔詩篇はエンディングで死亡や昏睡と言ったバッドエンド展開は避けてギリギリ助かって健在な主人公とネロで平穏なノーマルエンドを迎えるべきであったと思う。
ところで、未明篇では玉藻が「不安定な電脳体は傷つきやすく治しにくく些細な傷が崩壊に繋がる」として肉体の主人公を連れ歩くアルテラに怒っていたのだが、
そんなこと言ったら真っ先に存在が不安定と言われた精神の主人公だって同様なのではと思わずにはいられない。
その場で玉藻とアルテラを対立させたいが為に、原作者達公式側は精神の主人公の事は無視してそう描いたのか、
あるいは精神と肉体で同一の不安定さ故の危険性を持っていると言うのなら、散々主人公を連れ回したネロが愚か者になってしまう事に原作者達公式側が気付いていないか、色々邪推したくなる描写であると思う。
●玉藻のストッパーにならない玉藻の主人公。
玉藻陣営の主人公は魂と言う安定したファクターである為、ネロ陣営やアルテラ陣営の様なリスクが無い勝ち組であり、同時に、少々不公平な感じもする。
主人公の状態的にネロ陣営はレガリアを求めて他陣営に干渉する理由付けになるし、
その一方でアルテラ陣営はそもそもアルテラがムーンセルにとって討伐対象なのだからムーンセル側との衝突は必至なのに対して、
玉藻陣営は少なくとも主人公の状態を理由に他陣営に積極的に干渉する理由が無いのである。
(故に玉藻は暴虐の女王と化し、自身の後ろ向きな願望の為に私利私欲でネロ陣営と対立する形になったと考えられる。)
そして何よりも問題なのは、玉藻陣営の主人公は主体性に欠けた上に玉藻のやる事に対して止める気が無いので、多少の待ったはあるものの、基本的に全肯定で玉藻のストッパーになっていない所である。
CCCでは玉藻の肉食系女子的言動に対して、時には待ったをかける主人公のストッパー感が良かっただけに、
EXTELLAにおける未来に絶望して泡沫の安寧に浸ると言う後ろ向きな理由でヴェルバー関係そっちのけで暴虐を尽くして天下を取ろうとしている玉藻に対して、
何一つストッパーになる事なく彼女のヤるがままに任せる主人公の姿は、幾ら責任を果たす覚悟があると言ってもとてもそうは見えないし傾国モードの玉藻に対する違和感を全然払拭してくれないのである。
(そこまでして玉藻を天下取りに邁進する愚者にしている原作者達公式側も本当に酷いモノである。)
主人公が玉藻に対してビシッと決めた所と言えば、精々玉藻が負けた時に彼女を庇う姿勢を見せる殆ど手遅れなタイミングでの顔見せや、玉藻のシナリオでセファール復活に絶望した玉藻に活を入れた時、金詩篇で玉藻がネロ達の説得を受けた所くらいであり、正直少ない印象がある。
●とてつもなく重たい薄命の運命を背負わされたアルテラの主人公。
アルテラ陣営の主人公は精神と魂が抜けた残り粕と言うべき肉体と言うファクターに心が宿った存在である為、不安定な命で統合すると肉体側の人格が消滅するリスクがある。
これだけ挙げればアルテラ陣営はレガリア獲得に消極的になるべきとも考えられそうだが、
アルテラはネロとの決戦の直前まで統合のリスクを知らず、さりとて放置しても肉体に宿った心は風前の灯火状態と言う詰んだ状況だった上に、そもそもはヴェルバーの尖兵の使命としてレガリアを収集・統合するのであり、肉体の主人公の統合による安定化はその過程におけるオマケと言うのが表向きのレガリア収集と主人公統合に対するアルテラのスタンスである。
ちなみに、ネロのシナリオ(焔詩篇)でのアルキメデスの主張では精神や魂を倒すと肉体主体で3要素が揃うらしいのだが、
未明篇で玉藻がトドメをさされた場面では魂の主人公は同時にやられた様でまだ大丈夫だったのか、
肉体側に魂の要素が入る事なくレガリアへ格納された様で、レガリアの統合によって主人公も統合されるのを待つ状態として扱われているし、
精神の主人公に関しても、レガリアに入ったままネロを葬られたので、そのまま統合されるのを待つ状態となっている。
そんなアルテラ陣営の主人公は、アルテラのシナリオのラストにて、この物語の全ての解決(アルテラの救済)の為に並行世界に自分の記憶を送って後を託すと同時に消滅するのだが、
同時にこれが「タイムパラドックス回避の為に他の並行世界のアルテラ陣営の主人公も一定の時(未明篇のアルテラ陣営の主人公が消滅した時間)が来ると消滅する」と言う呪いの様なデメリットが伴っていた事が金詩篇にて判明する。
(一応、未明篇でも明言しないだけで重大なデメリットがある事は示唆されている。)
個人的にこの展開は焔詩篇や蘭詩篇でアルテラ陣営の主人公が消滅する結末が伏線となっていたと思えるし、
肉体の主人公は先が長く無い様な感じなのと相俟って理屈の上では理に適っているかもしれない気もするのだが、
同時に、ここで肉体の主人公とサーヴァントのアルテラを捨てる展開には感情的に納得が出来ないし、
同時に、描写的に時間にさえ気を付ければホイホイ並行世界移動しているアルキメデスと比べて肉体の主人公の記録送信のデメリットが大きすぎて理不尽なくらい不公平な扱いに感じる。
一応、未明篇の描写的には主人公は全身ムーンセル製の電脳体である事が枷なのに対してアルキメデスはヴェルバーの侵食の影響などがある事から問題なく並行転移が出来る(ついでに並行転移の権限も持ってるらしい)と推測はできるが、どの道アルキメデスがチートしていてズルい且つ不公平である事に変わりはない。
更に言えば蘭詩篇のエピローグではやはりヴェルバーに侵蝕されたエリザベート・ヴォイドも問題なく転移できているとみられる事から、
肉体の主人公の扱いと比べると、「ヴェルバーは凄い」ではなく「ヴェルバーはズルい」と映ってしまうのである。
アルキメデスやエリザベート・ヴォイドは作中の描写から受ける印象として並行世界移動にデメリットを感じさせないのに対して、何故記録だけ並行世界に送ったアルテラ陣営の主人公が確定的な消滅の運命を並行世界で背負う必要があるのだろうかと思うし、繰り返しになるが、これではあまりにも不公平である。
また、EXTRA系で理不尽な別れと言えばCCCにおけるCCCルートのサーヴァントとの別離があるが、
これの場合は「主人公と桜を2人きりにする」と言う原作者達公式側のご都合主義が露骨に表れているからと言える様に、
このアルテラ陣営の主人公の消滅は、金詩篇のその後の展開であるサーヴァントのアルテラの消滅と合わせて、
最終的に巨神アルテラがロリなアルテラに新生する展開がより映える様にする為の人員整理などのご都合主義で消されたのであると思える。
しかし、最後の展開の為に残すとややこしくなりそうな人員をご都合主義で消すのは個人的にこの場合は納得できないし、むしろアルテラ陣営の主人公とサーヴァントのアルテラの消滅でアルテラのシナリオにおける主人公の決意に泥を塗った感も個人的にはするので、この展開はやはり不快である。
◆ネロ・クラウディウス
●表向きは主役。実際はCCC以上の酷い扱い
EXTELLAにおいてネロは実質的に主役扱いである。
玉藻も同様だがブースト時にバンク付きの変身形態を貰ったし、最終決戦では更なる変身形態セイバー・ヴィーナスも登場、
焔詩篇と金詩篇ではメインを張り、未明篇では最後までアルテラと戦った好敵手、
そして焔詩篇と金詩篇では宝具の黄金劇場の威光でもってアルテラの戦意を挫く展開と、良い所は色々ある。
しかし、実際蓋を開けてみればそれ以上に酷い扱いのオンパレードである。
まずネロはレガリアそのものにもそれが持つ重要性にもまるで理解が足りておらず、他の陣営がマスターしているレガリアの機能にも疎く、緊急事態とは言えレガリアに対して乱暴な使い方をして一歩間違えば余計酷いバッドエンドになりかねなかったし、
アルキメデスには有名人補正と速攻で真名を明かしてきた事と主人公救助の件から甘いし、疑心が足りず要職に就かせてしまうし、
しかもシナリオの都合で焔詩篇と未明篇で2回アルキメデスを雇用している上に金詩篇でも3回目未遂であったし、
未明篇では焔詩篇の様なレガリアの乱暴な使い方をする間もなく死んでしまうし、
何よりも初っ端の自身のシナリオのオチが主人公が昏睡状態に陥るバッドエンドなのだから酷い話である。
こうした扱いの悲惨さはCCCでも前例があったが、EXTELLAでは原作者達公式側の自己満足も相俟って更に悪化したと言えるだろう。
●レガリアへの理解が足りないネロ
作中でネロ自身が言っている通り、ネロはレガリアに関する理解が足りていない。
王権獲得からは一番所持期間が長いものの、自分と主人公の結婚指輪と王権の象徴程度にしか見ていなかった様である上に、
データ量の膨大さに圧倒されて、凄い物だとは分かっているものの中身への理解が足りていないのである。
この辺はレガリアへの理解度で上とされる玉藻と比べれば、レガリアへの主人公の収納やアルテラ戦での囮戦法絡みのダミー用意や気配遮断による潜伏など、使い方の面で上に行かれているし、
更に言えばアルテラはレガリアを主人公に嵌めて貰った直後にもう主人公の収納を実践しているので超速である。
それに比べてネロの場合は、収納は知らなかったし、アルテラ戦では力業の防御をしたりと扱いが脳筋的である。
しかもこの力技の防御、咄嗟の判断で止むを得なかったと譲歩できなくもないが、レガリア損失のリスクを伴う方法であったと思うと、
ネロは主人公救済の鍵でるレガリアの重要性に対して理解が足りてない様に思えるし、
それ以前の問題として、玉藻の様に事前に策を巡らせずにいた結果が焔詩篇の様に咄嗟に力技に頼るかあるいは未明篇の様に死ぬかの半ば詰んでいる選択であったとするなら、ネロに対して知性に欠ける脳筋感がしてしまう。
玉藻の方が賢い事を印象付けたくてこうしたのかもしれないが、その為にネロの知性が低い様な展開にするのは良くないと思う。
●レガリアに関する疑問
EXTELLAは(それに限らずEXTRAシリーズは)所々気になる所への描写が無くフワッとしている所があるのだが、その1つがレガリアの所持者である。
元を辿るのなら聖杯戦争の勝者としてレガリアを手に入れた主人公、そしてそのパートナーであるネロと言いたい所だし、アルテラに関しては主人公からのレガリアの譲渡が印象的に描写されてるから問題ないと言える。
その一方で玉藻は最初から曖昧模糊である。
バグチェッカー退場(仮称)の件で主人公達と逸れて扱い的には各陣営のサーヴァント達と同様に野良であろう玉藻が何処からレガリアを手に入れたかと言えば、妄想の一環としては魂の主人公が所持していたレガリアを当人が寝ている間に拝借した可能性があるが、詳細の描写が無いので妄想で推測するしかないのである。
また、ネロのレガリアにも疑問はある。
妄想込みで仮にレガリアが主人公とネロに1つずつ進呈されていたとしたら、ペアリングで結婚指輪感も出ると言うモノだが、
作中では主人公もネロも同じ1つのレガリアを共有している様に見える。
この為、作中では「3分割で不完全な主人公のレガリア」と「お留守番をしていたので分割される事無く健全なネロのレガリア」の2つが存在する事は無く、「レガリアは3分割されて不完全な状態」で一貫しているのだが、
それなら焔詩篇序盤でネロが見せつけたレガリアが気になってくる。
妄想として、ペアリングと仮定した場合ネロと主人公でレガリアの状態がリンクしている為に主人公のレガリア分割された時点でネロのレガリアも不完全な状態になった可能性はあるが、これだと片方が機能不全を起こしてももう片方で補えるバックアップ体制や冗長性が無くレガリアをペアリング扱いにした意味が無い様に思えるし、
そうなるとこれも妄想だが、アルテラや(個人的妄想に基づく)玉藻の様に、ネロが寝ている精神の主人公からレガリアを拝借している可能性の方が高いのかもしれない。
兎にも角にも、レガリア周りの描写がフワッとしているせいでこうした疑問が浮かぶのであり、
作中でその手の疑問に対するフォローが無いのは原作者達公式側の落ち度であると思う。
●アルキメデスを軽く見ていたネロ
ネロはアルキメデスに対して「権力者を潰し合わせて権力総取り的なたくらみを持っている」とは想定していたものの、それを口にする焔詩篇第5章まで特にアルキメデスに対する疑心が出てくる事は無く、
精々ヴェルバー絡みの情報を秘匿していた件を詰問した程度であった。
アルキメデスの計画が月の争いを利用した王権レガリアの収集と破壊であった事を考えればネロの想定も割と当たっているとは思うのだが、
個人的には仮にもローマ皇帝として数々の政争や暗闘を身をもって経験したネロならもっとプレイヤーに伝わる形でアルキメデスを疑っていても良かったと思う。
(少なくとも前半戦終了時のレガリア統合を迫るアルキメデスに対しては、同じ状況でアルキメデスを警戒気味だった玉藻の方がまだマシ感がある。)
何しろアルキメデスはムーンセル直轄とは言え外様であると言う事もあるし、
何よりも主人公と同様にネロや玉藻がアルキメデスの掌の上で踊らされている様を見るのが個人的に不快である。
◆玉藻の前
●サブ扱いと後ろ向きな幸せを求めた玉藻
8年ぶりにプレイして驚いたのは玉藻のサブ扱いへの言及が蘭詩篇終盤まで無かった事である。
もっとも、未明篇と金詩篇ではハッキリとサブ扱いされているし、糞前日談で主人公に同行する様になってからの扱いも完全にサブ扱いである。
全体的なシナリオの扱いはやはりメインを張るネロに対して玉藻はサブ扱いであり、
メインを張る蘭詩篇にしても、個人的な願望を叶える力を持ったが故の暴虐ぶりを見せており、
CCCで触れられた傾国モードの披露で悪い玉藻の姿を見せているが、
個人的にはあんまりこういう形の玉藻は見たくなかった感もあるし、主人公も基本的にストッパーにならずに見届け人になったのが更に玉藻の悪ぶった姿を助長した感はある。
まあ、エリザベートが反面教師になって反省して元の玉藻に戻っていったのは良かったのだが。
それはそれとして、玉藻が賢さから遠い愚者である事がそこかしこの描写から伺える。
蘭詩篇で叶えた玉藻の願望は結局は後ろ向きな逃避が上手く行っただけだし、
過去のTYPE-MOON作品などでも見られた「賢いが故に未来に絶望する」=「賢い奴は損をする」を地で行くし、
反英雄属性に対する原作者達公式側の見識から自分に臆病になり過ぎて強がった結果が暴虐の女王だし、
アルキメデスが何か企んでいるのは察しているのに追求せずに放置して自由にさせているし、
呂布やメドゥーサの叛意に気付いていない所か小間使いのエリザベートにはむしろ積極的に叛意を溜めさせるいじめを繰り返していたし、
未明篇では改心したと言いつつ対アルテラ陣営においてネロと組んで万全を期す事は最後までなかったし、
聖杯戦争中の退場の件は仮にバグチェッカー退場だったとしたらネロに分かり易い嘘をついてしかも相手が真実を言わないでくれた事になるし、
本編でも語られたアトラム関係の糞前日談設定を反映するなら主人公と出会うまでのムーブは正に愚者である。
●バグチェッカー退場に思う事
糞前日談でのバグチェッカー退場の件は、本編だと基本的に「ネロに月の裏側に落とされた」,「はぐれた」と言う主張でネロと言い合いになる場面はあるのだが何故かネロの側もバグチェッカーを話題に出さずにはぐらかしたりするばかりであった。
(バグチェッカー自体が糞前日談だけの設定で本編に反映されてない可能性も考慮に入れるべきだろうか?)
この聖杯戦争中に玉藻が退場した件についての問題は、
玉藻の主張通りネロの仕業だとしたらネロの好感度に影響するのであまり好ましい事とは言えないし。
かと言ってバグチェッカー退場があったとしたら、正体がバグったNPCである主人公に影響が出るし、
玉藻にとってはネロが他人のせいにしてくる玉藻の主張に対して真実を訴えれば直ぐ嘘がバレるリスクがあるのである。
糞前日談で玉藻退場の真実を描いたつもりだろうが、結局は余計な問題が出て来ただけなのである。
●交渉戦をほぼしなかった玉藻
玉藻はレガリアに詳しく肉体の主人公が不安定な存在故にデリケートな状態にある事を知っているなど、
原作者達公式側が目立たせたい賢さに関する描写も見られた。
しかし、その割にその知識を活かして自分が優位になる様な交渉をしたりはしていない。
金詩篇の統合時に語った事や肉体と同様に不安定な存在で命が風前の灯火状態だった精神の主人公の事を思えば、
玉藻はネロに対してレガリアの統合による精神の主人公救済をチラつかせればかなりいい交渉が出来たのではないかと思う。
しかし実際の所は、ネロとの間では武力衝突一辺倒、対話の姿勢を見せたのはアルテラに対して1回だけ、
そのアルテラに対しても最終的に太古の因縁もあってか結局は喧嘩腰になるなど、
個人的にEXTELLAの玉藻からは脳筋的な面が感じられ、あまり賢そうには感じられなかった。
●文字通り裏方に回ってしまった金詩篇の玉藻
蘭詩篇の終盤以降、名前が出る度にサブ扱いが目立つ玉藻だが、
そんなサブ扱いは最後の金詩篇でも思いっきりその通りになってしまう。
それは名目上は主人公の帰る場所を守る重要な役割なのだが、物語の役割上は、「もう出番が無いから裏方に回す」と言う露骨な表舞台からの退場である。
ネロは金詩篇において焔詩篇のリターンマッチと言うべき2度目の主役扱いで華々しく扱われているのに対して、
玉藻は仲間入り後はちょっとネロと一悶着ありつつ後はエンディングまでずっと本拠地に居残りな日陰者扱いであり、
言ってしまえば玉藻は無銘やメドゥーサ達各陣営に属したサーヴァント達と同列の扱いになったのであり、
結局金詩篇はネロと玉藻の共同戦線ではなく主役のネロと日陰者の玉藻で扱いに大きく差が出る結果となった。
玉藻には囮戦法の伝授と言う間接的な活躍だけでなく、せめて巨神アルテラの石室に潜入して彼女を解放する役割を持たせても良かった様に思う。
(あくまでエリザベートのやらかしをやりたいなら彼女に一歩遅れて石室に着いた事にすればいい。)
●アルキメデスに対して甘すぎる玉藻
玉藻はアルキメデスに対して「忠実な下僕を装いつつ腹に一物持っているかもしれない」と見ていると同時に「レガリア関係の情報を聞き出せば後は玉藻の自由」と思っているのだが、
本編中では玉藻はアルキメデスとの利害の一致で打倒ネロ陣営に向かった反面、アルキメデスに対しては少々の警戒心を見せる程度で基本的に放置しているのも同然だった。
自陣営にはちょうどくノ一役をさせているメドゥーサがいるにも関わらず、対ネロ陣営に動かしているのか、アルキメデス側にはノータッチの様で、蘭詩篇第2章終盤のネロ陣営との決戦直前に玉藻陣営内でアルキメデスとエリザベートがしていた会話などにも玉藻側はノータッチである。
(もしこの会話の内容が漏れていたらアルキメデスもエリザベートも危なかったのかもしれない。)
蘭詩篇はプレイヤー的には2周目でありアルキメデスは既に悪役としての本性を知られている事になる。
しかも玉藻は傾国モードで暴虐の女王と化し、エリザベートを電撃でイジメ放題と、悪役ぶりを見せているにもかかわらず、アルキメデスに対しては何もなしと言うのは、幾ら何でも甘いと思う。
正直言って、生前の玉藻は鳥羽上皇に仕えた女官と言う位置にいてネロと同様の政争や暗闘などの経験がありそうなものなのに、身内の叛意に気付いていなかった間抜けっぷりも含めて、EXTELLAの玉藻からはそういう厳しさで培ったものがロクに反映されていないと思えるのである。
◆アルテラ
●メインヒロインと主人公LOVEと破壊者と
焔詩篇や蘭詩篇ではミステリアスで矛盾を抱えた破壊者と言った立ち位置であったが、
主役を担った未明篇では間違いなく本作トップのヒロインと化す。
しかし、原作者達公式側の思惑的に未明篇は全滅エンドに向かった為、アルテラはネロと玉藻を殺す事になってしまう。
それ自体はアルテラの破壊者的な面が出ていると言えるので、個人的には複雑な想いである。
未明篇のエピローグにおけるアルテラは完全に主人公(岸波白野)を愛するヒロインであり、続く金詩篇におけるアルテラ救済を強く求める事間違いなしな結末を迎える。
しかし、肝心の金詩篇においては、肉体の主人公消滅とそれに伴うサーヴァントのアルテラの消滅と言う展開が、
個人的に未明篇における主人公の決意に泥を塗った感がするのが残念な所と言えるだろう。
CCCを経験した身としては、この金詩篇の展開はCCCルートのサーヴァントとのお別れ展開に近いモノを感じる。
そう言う訳で、アルテラもまた原作者達公式側に弄ばされたことに変わりはないと言えるだろう。
●レガリアの強度の謎
エリザベート絡みや焔詩篇や蘭詩篇におけるアルテラ陣営のレガリア喪失描写を見ているとレガリアは脆い印象をもちそうになるのだが、未明篇に限ってネロがアルテラの宝具の直撃を受けてもレガリアだけは残って頑丈そうに見せていた感がある。
(一応、蘭詩篇での玉藻の台詞からして、アルテラはネロや玉藻に対して宝具を使う時はレガリアを壊さない様に手加減していたとの事。)
マンガ「とっても!ラッキーマン」の終盤に登場したビッグコスモスゴッドリング(大宇宙神の指輪)の様に「絶対に壊れない設定」があるのならアルテラのシナリオにおけるネロのレガリアが残った描写にも納得がいくが、
最初のネロのシナリオの時点で「レガリアは壊れる」と言う事を描写してしまっている以上、アルテラのシナリオにおけるネロのレガリアの扱いには玉藻のシナリオでワンクッション置いたとは言えシナリオの都合が透けて見える感がある。
と言うかそもそもアルテラもアルキメデスもレガリアは最終的に壊す気でいるので、やはりレガリアは「壊れる物」として扱われていると思うのだが、それが未明篇のネロの最期のみネロ自身が塵芥になって消滅する程の攻撃を受けながらレガリアだけ残ると言うのは、幾ら蘭詩篇で「手加減している」と言われても目の当たりにする破壊力の描写的に違和感があるし、原作者達公式側のご都合主義が表れていると言える。
◆エリザベート・バートリー
●悪役に逆戻りさせられた鮮血魔嬢
同時期のFGOでは味方扱いも多かったエリザベートだが、それに対してEXTELLAでは悪役扱いに逆戻りである。
その上、主人公の側にいた蘭詩篇前半では小間使いとして玉藻にイジメられる日々でそりゃサブシナリオで反逆するのも納得な不遇の扱いであった。
玉藻にも言える事だが、EXTELLAで原作者達公式側が見せた反英雄系サーヴァントに対するスタンスは、
「道を踏み外す宿命づけがされている」
と言う、キン肉マン二世における悪行超人の扱いにも通じる悪い意味での悪になる事は決まっている様なモノなのが個人的に本当に不快である。
しかし、悪役サイドに転じながらエリザベートなりに主人公(岸波白野)を想うし主人公の事ならマジにもなる所を見せるのは何だかんでで良いと思う。
また、悪役扱いになってもそのコメディリリーフ属性は健在であり、相変わらず主人公達に弄られたり、アルキメデスの手下でありながら何度もアルキメデスにとって想定外且つ事態悪化の方向性でトラブルを起こしまくっている。
ちなみに、CCCの時点でエリザベートを悪役側に縛り付ける様な設定描写があり、生前の罪業を死んだ後にも背負わせ続けるその扱いは個人的にマジで不快なのだが、
そのCCCにおいてエリザベートは神話礼装解放後にカルマ値が多少減少していると言われる場面もあり、
それに基づくならEXTELLAの巨神アルテラ解放はカルマ値をどれだけ減らしたのか気になる所である。
●謎のエリザベート・ヴォイドの記録
蘭詩篇で衝撃の登場をしたエリザベートの新形態(悪堕ち形態)、エリザベート・ヴォイドだが、
個人的に続く未明篇や金詩篇でのエリザベートの姿を見ると疑問が浮かんでくる。
金詩篇ではエリザベート・ヴォイド登場時に主人公側にもその記録があるとしているのだが、
主人公が受信した未明篇の記録の中には(少なくとも未明篇本編の描写の中には)エリザベート・ヴォイドは出てこないのである。
未明篇に出て来たエリザベートは終始ノーマルな姿であり、ヴォイドの姿での出番が無いのにも関わらず、その記録を受信した金詩篇の主人公がヴォイドの記録があるのは不自然であり整合性が取れていない。
また、ヴォイドは蘭詩篇においてエリザベートがレガリアを舐め転がした結果防衛機構由来の魔力の暴走が起きた事で爆誕した偶発的な変異の筈であり、蘭詩篇の世界から金詩篇の世界に直接転移したのなら登場するのも分かるし、
蘭詩篇エピローグや未明篇のアルキメデスの並行転移に掛かると思しきシーンも本人が直接転移している様であるが、
未明篇の世界ではエリザベートはノーマルな姿なので直接転移と言うよりは意識を転移させて移動先の世界の自分に憑依した様にも見えるので、
未明篇経由で金詩篇にシフトしたとなると何らかの手段でエリザベートを改めてヴォイドに悪堕ちさせなければならなくなると思われる。
(その為にはヴォイドになった時の状況を調べてどうすればヴォイドになるかやエリザベートがそれを受け入れるかを確かめるなどした上でヴォイド化に取り組む必要があると言える。)
結局、並行世界移動関係がその辺結構フワッとしているのが原因で、結構ややこしい事になっていると言えるだろう。
●結局、資格なき所有者への防衛機能とは何なのか
エリザベートは焔詩篇と蘭詩篇の2回に渡ってレガリアの資格なき所有者への防衛機機能を発動させて魔力の暴走からのレガリア喪失を招いている。
ここで疑問に思う事を整理する。
本来レガリアの所有者は主人公とネロであり、他のレガリア所有者である玉藻やアルテラは何故防衛機能が働かないのかと言う問題がまず生じる。
玉藻は主人公のサブサーヴァントと言う位置にいたとは言え、糞前日談ではアトラムの死後主人公が令呪で玉藻を助けた程度かつ実は平然と生きてて主人公とネロにくっついてきている為、主従契約関係の描写の詳細は不明瞭な上に、玉藻はバグチェッカーに引っ掛かるしそれ以前はムーンセルの目を盗んで活動していた為、どう見ても合法性のないサブ扱いも止む無しな立ち位置として扱われていたのに、防衛機能を発動させずにレガリアを所持している。
そもそも主人公の三分割に関しても、三分割後に、精神がネロの所に、魂が玉藻の所に、それぞれどういう形で行き着いたのかが不明瞭であるのも問題だと思う。
(分かっているのは主人公は帰還後に長時間寝ていた事とアルキメデスが分割後の主人公を助けたらしいと言う事くらいである。)
完全な妄想だが、アルキメデスが分裂後の魂の主人公に接触した際にレガリアに玉藻をレガリアの主と認識する様な小細工でもした可能性も考えるべきなのだろうか?
あるいは玉藻が魂の主人公をゲットしたチャンスにかこつけて主人公が寝ている間に主従契約を結んだ可能性もある。
(そういう描写が無い以上、これらはグレーゾーンな領域の妄想に過ぎないが。)
ただし後者の場合、玉藻が主人公と契約を結ぶ前にレガリアを指に嵌めるなどしたら、焔詩篇のエリザベートの様な資格無き所有者への防衛機能が働く可能性もある。
アルテラに関しては巨神アルテラ側で契約を済ませていた上に主人公から直接レガリアを譲渡してもらっているので、多分問題は無いと思う。
そんな彼女達に対して、エリザベートは指にレガリアを嵌めただけで資格無き所有者扱いである。
以前は「ネロと玉藻の2人連れならCCCの神話礼装解放の際のエリザベートの出番が無くなるだろうからそれ即ち仮とは言えエリザベートと主人公の間に主従契約の縁が出来ないからでは?」と思ったが、
EXTELLA本編でのエリザベートの台詞から、どうもこの時にエリザベートの出番があったと思える事から、エリザベートは主人公との主従関係と言う点では玉藻とそんなに変わらない立ち位置に居てもおかしく無いかもしれないと思えるのにも関わらず、片や玉藻は一応は正式にレガリア所持者の1人に成りあがり、片やエリザベートはレガリアに認められなかったと言う”一応主役”と”サブキャラ”の露骨な格差を見せつけられる結果となった。
また、蘭詩篇においてエリザベートは霊器の強度上げなどで自身を調整してレガリアを指に嵌めたものの、
ドラゴンの本能からレガリアを舐め転がしたら結局防衛機能が発動してレガリアを喪失した所かエリザベート・ヴォイドに悪堕ちする羽目になってしまったのだが、
そもそも霊器の強度上げが何故資格なき所有者への防衛機能への対策なるのかが不明であり、
結局の所、原作者達公式側がレガリアの資格なき所有者への防衛機構に対してどういう線引きでどういう事が起きるのかについてシナリオの都合以外の線引きが無かった様に思う。
◆アルキメデス
●原作者達公式側に便利使いされた黒幕
アルキメデスは端的に言って原作者達公式側に便利使いされたと考えられる。
ネロと玉藻の陣営には分裂後の主人公を助けたと言う武器をもって取り入りに成功するし、
しかもネロと玉藻はアルキメデスは何か企んでる事くらいは察しつつも追及してこないのでのうのうと自分の活動をしているし、
ヴェルバーに侵蝕された影響か主人公が多大な制限と特大の呪い付きで漸く出来た並行世界移動関係を平然と熟しているし、
感情を見下し、ネロと玉藻とアルテラと主人公を見下し、彼女達を酷評して罵倒して愚弄する醜さ全開のムーブもあるし、
かと思えばエリザベートが想定外の行動をして計画がご破算になる上に、
せっかく自力であと一歩の所まで行ったのに獲物の前で舌なめずりする一流のド阿保ムーブかましてギルガメッシュにボコられるなど、
全体的に優遇と制裁の振れ幅が大きい扱われ方をしている。
こうした扱いは主人公側のメインキャラクターの扱いの酷さと比べると悪目立ちしており、アルキメデスに対するヘイトが強まると同時に、
FGOでの所行と共に原作者達公式側に対する不平不満を爆発させてその文章を読む気を失せさせるきっかけにもなった、
アルキメデスは悪役としては優遇され過ぎ便利使いされ過ぎなヤツなのである。
●どうにも軍師感がしないアルキメデス
アルキメデスは焔詩篇でネロに取り入った際やそれ以降のシナリオ的にも概ね軍師的ポジションに収まっていたと思われる。
しかし、各シナリオでのアルキメデスの描写を見ていくと、ネロや玉藻を煽てるばかりで軍師らしい仕事をやっている様には見えない。
未明篇ではネロの未明領域突入を手伝っていたが、それは軍師と言うよりも工作員の仕事に見える。
金詩篇では玉藻陣営との衝突を前にネロと主人公がこの対立の陰でアルキメデスが漁夫の利を企んでいないかと勘繰っていたが、
結局アルキメデスはネロと玉藻の和解どころか英霊(サーヴァントの)アルテラと肉体の主人公の消滅まで裏方に引っ込んでいたので、
どこまで金詩篇の玉藻の行動の裏にいたかは不明である。
なお、アルキメデスと各陣営の関係への個人的印象は以下の通りである。
・ネロ陣営
焔詩篇や蘭詩篇では最終的にネロの感情で動く所を酷評しているものの、その割には未明篇で再度取り入ったり、金詩篇でも取り入ろうとしていた当たり、内部に潜り込んだり利用できる陣営と言う意味ではチョロい陣営なんだと個人的に思えてしまう。
ネロはアルキメデスに対して「権力者を潰し合わせて権力総取り的なたくらみを持っている」とは思っていたが、
この事を口にする焔詩篇第5章までアルキメデスを疑う様子は無く、
それ以前にヴェルバー関係の事を黙って嘘をついた件も厳しい態度で詰問したが最終的には許しているし、
金詩篇においてもアルキメデスの弁舌に対して徐々に心を許していってしまっている。
(金詩篇の件に関してはアルキメデスも悪堕ちしている割に理性と信念と誇りがあると主人公に評されているが。)
・玉藻陣営
玉藻に神霊としてのセファールとの因縁があるから御しやすいと見ていたが、
蘭詩篇序盤ではその気の無い玉藻に何度も進言して不興を買って主人公が諫めなければ危ない所だったし、
最終的には玉藻に関しても感情で動く所などを酷評していた。
EXTELLAの物語は主人公が未明領域で三分割してから次の量子記録固定帯がかかるまでの約1ヶ月と言う期間な為、個人的に玉藻陣営は貴重な時間を浪費するリスクがあったのではないかとも思う。
(金詩篇基準なら1ヶ月の内半月ほどは主人公は眠っていたらしいので、残り半月しか猶予が無い事になる。)
玉藻はアルキメデスが「忠実な下僕を装いつつ腹に一物持っているかもしれない」と見ていると同時に「レガリア関係の情報を聞き出せば後は玉藻の自由」と思っているのだが、
その一方で「無駄な謀は好まない」として特にアルキメデスを追求したり警戒したりする事は無く、むしろアルキメデスの方針と利害が一致して打倒ネロ陣営に走ったのだから、個人的には焔詩篇で正体が割れてるアルキメデスに対してここまでの考えを持っていながら何もしない玉藻はやはり愚者であると同時にその扱いに不満を感じたモノである。
・アルテラ陣営
そもそもアルテラとアルキメデスでそりが合わないので同じ遊星の眷属でありながら相性は最悪で手を組む事は無かった。
アルキメデスはこの陣営と殆ど関わらなかったが、その一方で彼の手下のエリザベートは頻繁にアルテラの下に現れている。
●具体的にアルキメデスがどう言うムーブをしたかを振り返る。
軍師ポジションに置かれたり、天才的な学者と言われるアルキメデスだが、
実際のEXTELLA本編でのムーブがどうであったのかをここで今一度振り返ってみようと思う。
・発端:巨神アルテラの石室での動向
主人公をどうやって言い包めたかは分からないが、ともあれ主人公をサーヴァント抜きの1人で巨神アルテラの石室まで連れてくる事には成功している。
しかしその後は主人公に「巨神が眠っている間にレガリアで倒せ」とデカイ声で連呼しており、
主人公視点だと主人公に眠っている巨神を討たせたいのか巨神を起こしたいのかどっちなんだと言いたくなるようなムーブをした挙句、
主人公が巨神アルテラに捕まると早々に本性を明かすと言う短慮さまで発揮するので、(3番目の未明篇のシナリオだが)早速ド阿保な所を見せている気がする。
その後は巨神アルテラに同じ遊星の眷属として協力を持ちかけるも拒絶され、独自に行動する事になる。
・焔詩篇:焔詩篇におけるネロ陣営での様子
自己紹介から真名を明かしてネロに疑う事は非礼だとさせて、ローマ時代の有名人な上に、分割後の主人公を救出したとしてネロの信用を得る。
ネロを利用して玉藻のレガリアを入手しようとするがあと一歩の所で手下の筈のエリザベートの横槍で玉藻のレガリアを喪失。
(ついでに、この時レガリア統合の件で一度は落ち着いたネロと玉藻の間で不和が再燃していた。)
その後も何やかんやでネロ陣営に残り続けたが、ネロがアルテラを倒した際に本性を現し、
覚醒させたセファールが倒されても平静を保ちつつセファールと限界が来た精神の主人公とで痛み分けとして並行転移をして去る。
・蘭詩篇:蘭詩篇における玉藻陣営での様子
主人公が目覚めた頃には玉藻陣営に入っている。
アルキメデスは分裂した主人公の回収やその後の働き(具体例無し)で玉藻の信用を得ている。
玉藻には繰り返し自分の意見を具申しているが、この時点では玉藻にはその気が無く同じ意見の具申を繰り返された事に玉藻が怒りかけて主人公が諫めなかったら危ない所だったかもしれない。
その後玉藻とアルキメデスの間で利害が一致した為ネロのレガリアを手に入れる所まで事を進めたが、
レガリア確保の段階で玉藻に警戒された上にまたもエリザベートの横槍で台無しになりネロのレガリアを喪失、おまけにエリザベート・ヴォイドの宝具で吹っ飛ばされて退場するのだが、エピローグではシレっと生存しており、ネロや玉藻達の事を酷評するなどの負け惜しみの罵詈雑言を並べた末に並行転移した。
・未明篇:未明篇における動向
初っ端でアルテラに拒絶された後はしばらく出番は無く、シナリオ後半のネロ陣営にシレっと入ってネロの未明領域突入をサポートしたり、自閉状態の巨神アルテラを封印したり、ネロを倒したアルテラに対して主人公を人質に取って有利に事を進めようとしていたが、
獲物を前に舌なめずりする一流のド阿保ムーブが祟ってギルガメッシュにボコボコにされるものの、何故かその後アルテラと一戦交えるくらいには元気な所を見せ、アルテラに敗北した後は巨神アルテラをセファール化させた上で自身は余計な事までベラベラ喋った事で主人公に並行世界への転移のヒントを与えた事に気付かずに並行転移した。
ちなみにこれで3周目らしい。
・金詩篇;金詩篇における動向
焔詩篇の時のノリでネロ陣営に取り入るが、主人公が未明篇の記録を受信した事から取り入りに失敗し、辛うじて脱出には成功する。
その後は姿を見せず潜伏し、主人公とネロは玉藻陣営の活動の裏にアルキメデスが居る可能性も考えたがこの時点では登場せず、結局姿を見せたのは肉体の主人公とサーヴァントのアルテラが消滅した後だった。
肉体の主人公達を嘲笑するヘイトムーブをかましたアルキメデスは当然の様にネロにフルボッコにされて描写的にこれまでで最も深手を負うが、
既に制御下に置いていた星舟ヴェルバー2をムーンセルに落とす作戦は継続中で、勝利を目前とした。
しかし、ここにきて三度エリザベートの横槍が入り、復活した巨神アルテラに星舟落としを阻止され、エリザベートの計算の無さにブチギレる。
それでもアルキメデスは自身が星舟に入りそのまま星舟落としを再開するものの、主人公とセイバー(ネロ)・ヴィーナスの活躍の前に星舟落としを阻止され、星舟も分解される事になった。
だがしかし、それでもアルキメデス本人は何故か元気に生きており、今回の敗北を認めた上で何れヴェルバー本体が来る事を示唆して物語を締めくくる。
●妄想する他ない主人公3分割後のアルキメデスのムーブ
主人公が3分割された後、巨神アルテラに拒絶されて独自に動かざるを得なくなったアルキメデスだが、
主人公がいる陣営に来るまでの間、一体何をしていたのかは不明である。
分割された主人公を助けたと言うが、ネロ陣営に対しては焔詩篇第1章~第2章が初対面なのでアルキメデスが直接主人公を連れてきた感じでは無さそうだし、
玉藻側に関しても直接的描写が無いので不明瞭な所が多い。
ゲーム本編冒頭の主人公名入力画面のくだりでは分割後の主人公に接触したアルキメデスらしきシルエットが出ているが、ここでやっているのは主人公の状態のチェックくらいである。
ただ、この場面、妄想するとなればアルキメデスの黒幕ムーブを盛れるポイントでもある。
まず、主人公の状態のチェックのついでに、必要とあれば3分割時の記憶の消去または抜き取りを出来る余地はありそうだし、
仮に主人公が3分割時の記録を残していても、本人が持っているのならアルキメデスはそれを見つけて揉み消すムーブに繋げる余地もありそうだし、
玉藻の手に渡る分のレガリアに対して防衛機能を無力化する細工を施す可能性もあるなど、
妄想の余地は結構あると思う。
また、その一方で気になる所としては、アルキメデスの計画では精神と魂と肉体で3分割されたレガリアをちゃんと統合した上で破壊する予定であるのだから、分割後の主人公に接触したならばその時にレガリアを奪えばよかったのではとも思うのだが、そう言う事は作中では特になかったようである。
余談だが、レガリアと言えば、ネロは登場時にレガリアを指に嵌めた所を見せ、蘭詩篇の玉藻もほぼ同様、未明篇的には主人公からアルテラにレガリアを譲渡しているのだが、これらを見ていると主に玉藻に関しては多分魂の主人公のレガリアを着けたのだろうかと思ってしまう。
●エリザベートを手下にするべきではなかったアルキメデス
アルキメデスはサブシナリオで適当な手下を欲していた時に偶々近くにいたエリザベート(焔詩篇第1章の後不貞腐れてた)を見つけて手籠めにして手下にしている。
(この時のエリザベートの様子がNTRの様な上に締め括りのアルキメデスが最高にキモイので胸糞悪い。)
しかし、その後のエリザベートの本編でのムーブ、アルキメデスの計画進行に関わる局面での動きに関しては、
肝心な所でエリザベートがアルキメデスの邪魔をしてばかりでレガリア収集も星舟落としも失敗に終わらせ、エリザベートが関わる事なくレガリア収集が進んだ未明篇(アルテラがレガリアを集めた場合)が一番いい所まで行っていた気がする程である。
その未明篇はレガリア集めはアルテラが自主的にやってただけな上に、
アルキメデスは集まったレガリアを自分の懐に入れようとしてやった人質作戦で獲物の前で舌なめずりする一流のド阿保ムーブをギルガメッシュに笑われながらボコられて失敗したのだが。
そして数々の失敗の上で至った星舟落としも、エリザベートが巨神アルテラを吸血してパワーアップしようと目論んだ際に「邪魔だから」と封印を破壊してしまった事で巨神アルテラが自由の身になった事で失敗している。
正直言って、アルキメデスは手下の制御がまるで出来ておらず勝手な行動を許しっぱなしでその結果自体が望まぬ方向に転がった感が否めない。
神視点の話だが頭脳派悪役ならそれくらい自力で気付いて欲しい事として、アルキメデスはエリザベートを手下にするのではなくむしろどこかのタイミングで切り捨てるべきだったと思う。(出来るかどうかは別だけど。)
しかも本編でアルキメデスがエリザベートに施したのはレガリア対策に霊器の強度上げをした程度なのだが、
何故霊器の強度上げがレガリア対策になるかは不明だし、その上でアルキメデスはエリザベートにレガリアを指に嵌めない様に言っているので本当にレガリア対策になってるのかさえ半分怪しく思える。
(蘭詩篇では指に嵌めただけなら問題なかったが、飴玉の如く舐め転がしたら防衛機構由来の魔力の暴走が起きた。)
少なくとも焔詩篇や蘭詩篇はアルテラ襲来まで(少なくとも2度目の蘭詩篇からなら時間を計れる中で)時間が無いとは言えエリザベートの横槍が無ければレガリアが失われる可能性は下がったかもしれないし、アルキメデスが仕える側にレガリアが渡らずとも襲来したアルテラがそのレガリアを手にする可能性だってあるのだから、エリザベートに横からレガリアを掻っ攫わせる必要性は本編での彼女のやらかしを見るに無い様に思えてくる。
金詩篇での巨神アルテラの件に関しても、エリザベートを手元においてネロと戦わせればアルキメデスがあそこまで傷つく事は無かったかもしれないし、手元に置いておくだけで勝手にアルテラの石室に行って封印を破壊する事は出来なくなるのだから、不測の事態を避けるならアルキメデスはエリザベートを手元において自由にさせない様にすべきであったと思う。
つまり、ある意味最大の問題と言えるのは、アルキメデスはエリザベートを手下にした上で彼女を自由にさせ過ぎな所である。
エリザベートはEXTELLA全編においてアルキメデスの手下として動くのではなく、あくまで我欲や自己顕示欲などのエリザベート本来の気性で彼女の思うままに行動していたと感じられるし、アルキメデスはそれをまるで制御できていなかったのである。
結局の所、原作者達公式側はエリザベートをジョーカー的存在にしたかったのだろうが、
結果的には頭脳派悪役であるべきアルキメデスの間抜けを晒しただけであり、
仮にアルキメデスに「他人を額面上のデータでしか見ない」と言う要素を付加したかったとしても。
アルキメデスが「データの読み込みが不十分な間抜け」にしか見えない結果に終わったと思う。
●不死身のアルキメデス
何よりも原作者達公式側がアルキメデスを便利使いしていると感じられるのが、その不死身っぷりである。
蘭詩篇ではエリザベート・ヴォイドに宝具でぶっ飛ばされて地の文でも消滅したと言われながらエピローグでシレっと健在な姿を似せているし、
未明篇ではゲート・オブ・バビロンの第1波を喰らっていながら第2波を防いだ上にアルテラと一戦交えるくらいには元気な所を見せていた。
特に後者は、staynightのUBWでアインツベルンの面々がやられた所やZeroで百貌のハサンの1人(ハサン百分の一)が早々に捨て駒にされたシーンなどから考えれば、
ギルガメッシュが余程手加減した事にしないと(それにしては該当シーンの武器射出量はどう見ても多い)アルキメデスは手足欠損ならまだ優しい方なくらいのダメージを負っていてもおかしくない(少なくとも金詩篇のVSネロ戦後くらいのダメージ描写は欲しい)筈なのに、
実際は金詩篇のVSネロの方がよっぽど深刻なダメージを負っているのに比べれば見た目にダメージは無く、
その後もアルテラと一戦交えた上にセファールを出してと割とピンピンしているのだから、これではギルガメッシュの価値にも傷をつけるアルキメデスの厚遇である。
こう言う所が原作者達公式側のダメな所であり、アルキメデスを後生大事に扱う代わりに周りの全てをダメにしているのである。
そして極めつけは金詩篇のエピローグであり、
星舟ごとアルキメデスを倒して主人公とネロと玉藻とロリなアルテラの平和な日常で終わらせればいい所を最後の最後でアルキメデスを生還させ、
その上出るかもわからないヴェルバー絡みの新作のフラグを残して終わらせると言う最悪のムーブをかましているのである。
正直言って風呂敷の広げ過ぎだし畳む気も無いのが伝わってきて大変不快だし、
主人公達の平和な日常まで台無しにされた感が強いのだから酷い話です。
それ故に、個人的にはEXTELLAのシナリオは素人考えでも大改編する必要性を感じるのである。
◎個人的に考えるEXTELLAの改善案
個人的にEXTELLAの物語は骨子は良いと思うのに全体で見ると物申したくなる事ばかりであり、
EXTRAの物語を大々的に改悪した糞前日談も含めて、個人的に「こうであれば良かった」と思う所が多い。
そんな訳で、ここからは個人的に思う改善案を提示していく。
◎前日談の改善案
前日談に求める要素として個人的には以下のモノがある。
1.EXTRAやCCCの物語は極力改変しない。
糞前日談は玉藻絡みや6回戦周りにおいて、数々の問題を起こす改悪をやらかしており、
これを解消するには、兎にも角にもEXTRAやCCCのシナリオを改変しないのが一番と言える。
ただ、個人的に後述の要素の1つを取り入れると、6回戦の主人公の対戦相手が空席になってしまう為、そこだけはどうにかする必要が出てくることになる。
2.ネロと玉藻は同時召喚&2人で一組扱いのサーヴァントとする。
糞前日談にせよEXTELLA本編にせよ、ネロがメインで玉藻はサブとしているのは大変不快であり、
元来2人はそれぞれ平等に主人公のサーヴァントなんだから、
変な奴を新たなマスターに起用するくらいなら、最初から2人一緒に主人公のサーヴァントをやって欲しいものである。
勿論、正規の主従として成立している事として、どちらかがムーンセルの目を避けて動いた末にバグチェッカーに引っ掛かって退場と言う事は禁止であり、
同時に、パワーバランスの問題を考えてネロと玉藻はそれぞれ半分の力しか出せず、2人が力を合わせれば一人前の力を発揮できる事にして、2対1になる戦闘のバランスを取りつつ、1人だと半人前だからこそ神話礼装解放時にエリザベートの力が必要になる展開に持ち込めるようにする。
FGOにはアン・ボニー&メアリー・リードなどの様な2人一組扱いのサーヴァントが何人かいるのだから、
EXTRAシリーズの主人公にだってサーヴァントの同時召喚・同時使役展開があっても良いと思う。
そして、EXTELLAに至ってからは、レガリア効果で半人前を卒業しても良いし、それでも聖杯戦争で養った連携を活かす展開を盛り込むのもありだと思う。
なお、個人的にはちびちゅきの様なネロと玉藻がギャアギャア喧嘩する関係は望んでいない。
3.凛とラニの扱いは両方救出ルートを創設する方向で。
糞前日談では両方処分ルートな方向であったが、個人的にはむしろEXTRAのコミック版において中途半端な所で路線変更した「凛とラニの両方を救出する」ルートを最後までやりきる方向で行きたいと思う。
そうなると最大のネックはEXTRA本編で凛とラニのどちらかと戦う事になる6回戦の対戦相手が両方救出ルートをやると空席になると言う点である。
この問題点の解消としては、元のEXTRAにおいて凜ルートとラニルートの対戦相手の面子の中から、
臥籐&アルクェイドはCCCでの扱いから4回戦敗退がほぼ確定しているから無理、
(その代わり4回戦の対戦相手を臥籐に固定するのもあり、キアラの名前も出すからCCCの伏線張りに丁度いいし。)
らんるーくん&ヴラド3世(EXTRA)を生き残らせるのは安直な手だし6回戦の相手とすると力不足感もあるのだがらんるーくんとお弁当イベントを絡ませる可能性がある気もする、
と言った具合の想定が出来る。
また、糞前日談のもう1人の主人公要素を持ち込む可能性も考えたい所だが、
ずっと聖杯戦争を勝ち上がらせていた事にすると時系列的にCCCで正体露見すると見ているので、個人的にはコミック版のトワイスがラニを主人公の対戦相手に仕立て上げた展開の様に、トワイス側でポッと出感覚でもう1人の主人公を出す方向に考えがちになってしまう。(トワイスをあまりにも便利使いしてしまう事になりかねないのが心配。)
◎糞前日談の糞要素は排除
結論から言えば、糞前日談の問題点はその殆どが基のEXTRAやCCCのままにしておけば解消できるし、
個人的なロマン込みなら玉藻はネロと同時召喚且つ正規のサーヴァントとすれば問題ないと言える。
つまり、玉藻は最初から主人公のサーヴァントの1人として扱えばアトラムの出番は不要である。
そして、玉藻は正規のサーヴァントなのだから玉藻を排除する為だけにバグチェッカーを出す意味も無いし、EXTELLA本編でレガリア所持者になる事にも違和感が無くなる、
そんな訳で、玉藻を最初からネロと平等な主人公の正規のサーヴァントにする事で玉藻絡みの糞要素は排除できる。
その他、EXTRAやCCCを基のままにする事で、EXTELLAと糞前日談の間の矛盾は無くせるし、糞前日談の諸問題も発生も防げるのである。
◎EXTELLA本編の陣営などを再編する。
EXTELLA本編においてはネロ,玉藻,アルテラの3陣営に分かれて戦いを繰り広げているが、
個人的にはネロと玉藻の対立そのものを無しにしたい(あるいは演習程度に留めたい)所があるのもあり、
3陣営と言う要素はそのままにメンバー構成は再編したいと思う。
まず、表サイドの主役を張るのはネロと玉藻の両方をトップに据えた主人公陣営、
次に、裏サイドの主役を張るのは本編とほぼ変わらない編成のアルテラ陣営、
そして前半戦のボス役(ライバルサイド)としてはエリザベート辺りをトップにしたライバル陣営、
という具合の3陣営構成で行きたいと思う。
また、後述のシナリオの再編と併せて、時系列を管理する上で必要とあれば、未明篇第3章~第4章のVS玉藻陣営の分は、
玉藻を分隊長とした主人公陣営からの出張組にするか、
あるいは独自に新規キャラクターを起用するなどして即席の敵陣営を用意するかで対処したいと思う。
まあ、基本的かつ個人的にEXTELLA本編のネロと玉藻の対立展開が嫌だからと言うのが本音の再構成とも言える。
◎シナリオは3部作構成で行く
EXTELLA本編のシナリオは焔詩篇と蘭詩篇と未明篇に金詩篇の4部作構成となっているが、
この個人的改善案ではネロと玉藻を一つの陣営にしている事と合わせて焔詩篇と蘭詩篇の分は1つのシナリオに統合して、
ネロ&玉藻サイドのシナリオ,アルテラサイドのシナリオ,最終章のシナリオの3部作構成にしたい。
その方がセファールをボスにする回数を3回から2回に減らす事でマンネリ感を薄められるし、
1詩篇分のシナリオが浮くのでそれを再配分すれば各詩編のボリュームアップなどが出来るし、
3部作構成になった分全体を引き締めたシナリオが出来ると思う。
また、3部作構成の場合は、
基準となるネロと玉藻が主役のシナリオ、その裏側を描いたアルテラのシナリオ、そして最後は大団円を迎える最終章のシナリオ、と言った具合で進めていきたい所だが、
この3部作構成プランは同じ時系列同じ時間軸のネロ&玉藻側とアルテラ側をそれぞれ描いた上で並行世界で最終章シナリオをやる構想な為、
(一応)幾つもの並行世界を股に掛ける元のEXTELLA本編のシナリオと比べてより並行世界感が薄まる気はする。
もっとも、元のEXTELLA本編のシナリオも視点となる主人公(分割された岸波白野)を変えただけで並行世界感がちょっと薄口なシナリオなので、ここは開き直って3部作構成に再編してもいいのではないかと思う。
余談だが、個人的にEXTELLA本編の蘭詩篇は焔詩篇と未明篇と金詩篇で扱いの悪い玉藻に対する、余計な事も多いけど一応主役としての面目を保たせる為に作ったシナリオの様に思える。
◎ヴェルバーの処遇に関する思う所。
EXTELLA本編は最後にヴェルバー本体が何れ来る事を示唆すると言う出るかどうかも分からない続編フラグでエピローグの余韻をぶち壊していたが、
だからこそヴェルバーの扱いをどうするか考えたい所である。
まずは、そもそもこのアルキメデスの生存の明示からの続編フラグの下りを丸々没にすべきである。
このシーンは続編が出来た時にその冒頭で流すべきであり、折角の余韻を台無しにしてでもEXTELLAにぶち込む様なモノではないと思う。
次にヴァルバー本体の扱いをどうするかである。
EXTELLA劇中のアルキメデスの行動目的としては、ヴェルバー本体を太陽系に呼び込む事にもあるし、
将来的にヴェルバーを絡ませた続編を出すつもりがあるのなら個人的に譲歩して健在もありの方向で考えたい所だが、
シナリオの中心にいるのはアルテラ(セファール)と星舟ヴェルバー2なので、アルテラ絡みのシナリオと金詩篇終盤の展開は月に打ち込まれたこれら太古のヴェルバーの置き土産を扱うだけで済んでいるので、
ヴェルバー本体について触れるのは最小限にとどめても別に問題は無さそうな気もする。
個人的には8年ぶりにEXTELLAをプレイした上での印象だと、最後のアルキメデスのエピローグの部分を没にした上で後はEXTELLA本編の扱いのままでもいい気がしてくる。
◎主人公が3分割に至る過程を考える
未明篇冒頭で語られた主人公が3分割に至る過程には個人的に2つほど物申したい所がある。
まず、主人公がアルキメデスにホイホイ乗せられて未明領域までサーヴァントを連れずに赴いた事、
次に、脱出は良いとしてそこに至るまでの情報を送る様子が見られなかった事である。
情報の送信に関しては、8年ぶりにEXTELLA本編をプレイした上だと、仮に実践していたとしても場合によっては「アルキメデスが分割後の主人公を助けた」とする描写の中で握り潰された可能性があるのでまだ大目に見れそうだが、
アルキメデスに同行してサーヴァントを連れずに未明領域に行った件は個人的に違和感がある。
個人的には、主人公は最初ネロ達と共に未明領域の調査に赴いたものの、トラップか何かでネロ達と引き離され、1人になった所でアルキメデスと出会って巨神アルテラの石室に赴く展開にした方が良い様に思う。
◎レガリアと分割された主人公の扱いをどうするか
個人的改善案では陣営の編成をネロ&玉藻,アルテラ,エリザベート(仮)にした関係上、
主人公の3分の2がいそうなネロ&玉藻は直ぐにでもレガリアの統合による精神の主人公救済ができてしまいそうなので、物語的な緊張感に欠けそうな所がある。
であれば、統合が出来ない様にネロ&玉藻にレガリアが2つ渡っている場合は片方をエリザベートあたりに奪わせる展開にしたり、
分割後の主人公に対してアルキメデスが何らかの関わりを持っているのであれば、
主人公の送付先をネロ&玉藻陣営に限る事なく、3分の2の内片方をネロ&玉藻サイドに、もう片方をエリザベートサイドに送り付けて対立を煽ると言う手段もある。
(そもそも分割後の精神と魂が如何にしてネロと玉藻の下に渡ったか不明瞭だし、こういう裏があっても良いと思う。)
◎基本的な流れは元のテンプレ構成に則る形でいい。
個人的にEXTRAシリーズのシナリオはテンプレであると言っているが、ストーリーやその骨子自体は曲げなくても良いと思う。
ある意味安心感もあるし。
その上でネロ&玉藻がメインのシナリオAはエリザベート陣営(仮)との戦いを前半戦、アルテラ陣営との戦いを後半戦、セファールとの戦いをラスボス戦とし、
次にアルテラがメインのシナリオBはイスカンダルやギルガメッシュとの対決の末に玉藻率いる斥候部隊と衝突する前半戦、ネロ&玉藻陣営と対決する後半戦、プレイヤー的には2回目になるセファールとの戦いをラスボス戦とし、
最後のシナリオCはシナリオAをベースにラスボスを星舟ヴェルバー2のコア破壊にしたいと思う。
◎最終決戦は全員参加?
シナリオAとシナリオBを共通の世界とするのであれば、セファール戦はプレイアブル以外は台詞のみでもいいから、
ネロと玉藻とアルテラの3人を同じ舞台に立たせたいと思う。
その上で、シナリオAはアルテラ消滅までで一区切りしてエピローグで主人公とネロと玉藻が平和を謳歌する中でアルテラの主人公の事を案じる所を描き、
シナリオBではアルテラ消滅までに加えてアルテラの主人公が並行世界に旅立つ(この場合形式は元のままでも別の形でもいい)場面を描き、エピローグは抜きで締めくくってシナリオCに繋げる。
シナリオCはサーヴァントのアルテラと肉体の主人公の生存ルートを作りつつ、全員で大団円を迎える形にしたい。
ざっくりとではあるが、これが個人的なEXTELLAの改善案である。