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haremloveさんのフェイト/タイガーころしあむ アッパーの長文感想

ユーザー
haremlove
ゲーム
フェイト/タイガーころしあむ アッパー
ブランド
CAPCOM
得点
50

一言コメント

前作と同様に良くも悪くもギャグ主体なのに変わりはないが、切嗣とアイリのハッピーエンドが見れる。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

※注意
ここから先の文章はFate/EXTELLAとFGOによってTYPE-MOONに失望し、
Fate/EXTRAシリーズのキャラクターは好きだけどTYPE-MOONの事は嫌悪する、
そんな一個人の独断と偏見に満ちた駄文です。

正直見辛い所も多々ありますし、恨み節の偏見な所も大分ありますが、
それでも良ければご覧ください。














前作であるタイガーころしあむからタイトル通りアッパー気味に進化した続編。

ゲーム性がやや微妙である事に変わりはないが、多少は遊びやすく進化している。
本作では前作に登場したキャラが全員続投しつつ、
前作のゲームオリジナルキャラであるセイバーライオンがセイバーの衣装違いから独立したキャラになった事を筆頭に、
原作のhollow ataraxiaからはアヴェンジャーやカレイドルビー達が、
外伝小説のFate/Zeroからは衛宮切嗣とアイリスフィールが、
更にTYPE-MOONの原点である月姫から、
派生キャラクターのネコアルクやファンタズムーン、ドクターアンバーなどが参戦し、
それに伴ってシナリオもかなりカオスかつアッパー気味にグレードアップした。

Zero組の切嗣とアイリはギャグ補正も相俟って、
悲惨極まりない原作から一転して、一家揃ってのハッピーエンドを迎えるので、
ある意味では、所謂スパロボ補正的なシナリオが良い方向で描かれていると言える。

 

また、本作はシナリオ回想などの機能も追加されており、
さらに前作のUMDを読み込ませることで、前作のシナリオを本作の仕様で見る事もできる。
(ただしゲームを終了するとリセットされるので、その場合は見たい時に再度UMDを読み込ませる必要がある。)


ゲーム性に関しては新ルールの導入や幾らかのアップデートで改善されている部分もあるが、
最初に書いたようにやや微妙な所も相変わらずである。
特に顕著な例としては、
おまけ要素コンプのためにゲームを高難易度に設定している場合、
中々死なない上に素で強いバーサーカーを敵に回した際には地獄が見えるし、
敵を倒すと貯まるポイントが一定のラインに達するまで終わらないルールで間桐慎二だけを敵に回した場合、
慎二が元々ステータスが貧弱な分撃破時に加算されるポイントも低い為、何度慎二を倒しても中々終わらない。
なので、キャラの特性やルール次第で場合によっては非常に辛い所がある。

その他、本作でストーリーモードがあるのはセイバーライオンや切嗣などの新規参戦した面々が中心で、
前作からの続投組は凛や桜、イリヤと言った一部を除いて本作での新たなストーリーは無く、
単純なストーリーの数の面では前作に劣る感は否めない。

前作同様シナリオを楽しむのがメインで、ゲーム部分はやや微妙ではありますが、
切嗣やアイリのハッピーエンドや型月キャラたちが織り成すカオスなストーリーを見たい人にお勧めできる作品です。




◎アッパーからの新規キャラクター


●セイバーライオン

前作のセイバー(アルトリア)シナリオにおいて虎聖杯の力で誕生してしまったライオンなセイバー。
(見た目はライオンの顔出し着ぐるみを着たアルトリア。)

性格は無邪気な子供同然で、「がおがおーん(心の声でセリフ)」としか言えないが、意思疎通はそれなりにできる。

前作ではアルトリアのコスチューム扱いであったが、本作では別キャラクターとして独立している。
(厳密に言えば、前作のアルトリアのシナリオのエンディングにおいて、アルトリアとは別存在のセイバーライオンが出てきている。
 しかもそのシナリオにおけるセイバーライオンは、シナリオ終盤に大河が召喚した末にアルトリアに敗れて消滅した筈なのにである。

 余談だが、セイバーライオンの敗北に愕然とした大河は悪足掻きとばかりにメタルセイバーなるモノを召喚しようとしたが、
 その前にアルトリアが大河を諫めた事で、アルトリアのシナリオにおける事件は終息を見た。)



●衛宮 切嗣

小説「Fate/Zero」の主人公。アイリ共々それぞれ別の世界からタイガーころしあむの世界にやって来ている。

切嗣は基本的にZeroとほぼ同様の人生を歩んだ上でタイガーころしあむの世界にやってきた様子。

そんな訳で、やはりZeroと似た様な過去を持つタイガーころしあむの世界のイリヤからは恨み骨髄であり、
とあるシナリオでは再会早々プロレス技を掛けられる羽目になったりする。
(一応、タイガーころしあむの世界観と時系列はstaynightやhollow ataraxiaに準じたモノとなっている。)

シナリオによっては既にイリヤ達と和解して家族関係が修復された状態でも登場するが、
その結果、娘可愛さから惚気て最新(ゲーム発売当時)のデジカメを自慢したりもした。
(結局そのデジカメは話し相手のマジカルカレンに粉砕されたけど。)


●アイリスフィール・フォン・アインツベルン

小説「Fate/Zero」のヒロイン。

「セイバー(アルトリア)が緒戦敗退した事から、何やかんやで切嗣やイリヤと共に聖杯戦争を抜けてハッピーエンドを掴んだ。」
と言うZero本編とはだいぶ違う展開を辿った世界からやってきており、
辿った経緯は違えどこのタイガーころしあむの世界で出会った別世界の切嗣とも夫婦として強い絆で結ばれつつ、
義理の息子にあたる士郎達に対しても母として毅然として振る舞ったり、切嗣と言峰の関係を怪しげ(BL的)に誤解したりと、
家族想いで戦いでは凛としているが若干天然成分も入っている所もある。
(個人的には今改めて思うと、
 Zero準拠なので色々と失ったりしているであろう切嗣の方はまだいいかもしれないが、
 上述の通りのIF展開な世界から来たアイリの方は「元の世界の夫と娘はいいのか・・・?」と思ってしまう設定である。)

なお、メディとの人妻対決に際して貧乳扱いされている。


・アヴェンジャー(アンリ・マユ)

前作タイガーころしあむでは出番が無かった「アニメーター殺しな姿」のサーヴァントにしてバゼットの相方。

慇懃無礼な一方で達観したモノの見方をする人物だが、
こんなギャグ時空であっても生贄属性からは逃れられない悲しい存在。
(と言うか、ギャグ時空だからこそ生贄属性が存分に発揮されたとも言える。)



・カレイドルビー

凛がカレイドステッキによって魔法少女になってしまった姿。
魔法少女化に伴って色々とぶっ飛んでおり、シナリオ次第では妹(桜)の逆鱗に触ってしまう事も。


・カレイドステッキ

自意識を持った魔法のステッキ。
今回の騒動に深く関わっている。



・ネコアルク

突如として冬木市にやってきた謎のネコ型生物(なまもの)。

とある目的の為に動いているが、シナリオ次第では相方が間桐 慎二だったばっかりに散々な目に遭う。

また、シナリオによっては、とある事に興味を持ったアンリ・マユから狙われたりもする。

月姫系列からのゲストその1

ちなみに、とあるシナリオにおいてネコアルクとコンビを組んでいた慎二は、
ネコアルクが来てくれなくてプレイヤー側に集団でフルボッコされる羽目になった挙句、
そのステージのバトルの事を「自分と言う雑魚を相手にしたボーナスゲームである」と自称した上でぶっ飛んでいったが、
実際のゲーム上では、
・指定のポイントに達さないと終わらないルールでのバトル。
・そのポイントが記憶が確かなら20くらいある。
・慎二はキャラクター性能の面で最弱である事を反映して、倒した際に得られるポイントは最低の「1」しかない。
・つまり、このステージをクリアする為には「慎二を20回倒さないといけない」と言う、
 相手が一度倒されてから復帰するまでの時間なども含めて非常にめんどくさい作業をする羽目になる
 (あと、記憶が確かなら、プレイヤーと味方NPCで撃破ポイントの加算が別枠だった筈なので、
  プレイヤーの手で20回倒すのが一番効率が良いと言う点でもめんどくさかった気がする。)
・即ち、このステージはボーナスステージでもなんでもないし、たった1人の雑魚を20回も倒さなければ終わらない只の糞ステージでしかない。
と言う代物であった。



・ファンタズムーン(アルクェイド・ブリュンスタッド)

冬木市にやって来た魔法少女の1人。

キャスター(メディア)から強奪した杖を振るって好き勝手に活動している。
当然ながらメディアからは杖の返却を求められている。


・マジカルアンバー(琥珀)

冬木市にやって来た魔法少女の1人。

自由気ままに色々やらかす本作の元凶の1人。

キャラクター的には月姫本編よりもMELTY BLOOD系などの月姫派生作品の方の明るくて危ない琥珀と言った感じ。

決め台詞は「笑顔はひまわり、心は策士。」

月姫系列からからのゲストその3


・マジカルカレン

マジカルアンバーに後を託されたカレン・オルテンシアが魔法少女になってしまった姿。

正体を隠している際には目のあたりに穴を開けた紙袋を被っている。

基本的な性格は元のカレンのままだが、魔法少女化の影響で色々とおかしくなっている。

武器はトゲ付き鉄球(アニメで言えばガンダムハンマーとかみたいなヤツ)。

アッパーの色んなシナリオのあちこちで暗躍している。