夏から秋へと季節の移り変わりを感じることができました。妖怪たちと過ごす田舎の温かい雰囲気が非常に良かったです。
事故で両親を亡くした子供を妖怪たちが育てていたという話なんですが、想像以上に良かったです。
主人公は人間ではなくその事故で亡くなっていて、妖怪たちが魂を保護し主人公が一人前になるまで育てる為に村を作って見守っていたっていうのが事実なんですが...その気持ちが温かすぎて涙が出そうになりました。
また、この作品の世界観を引き立てるのが“極上の雰囲気”...これが非常に輝いていたと思います。
森の中の学校で行われる妖怪たちとの勉強、家の診療所や近所に住む妖怪たちの手伝い、季節に合った様々な遊びなど、ただの日常の一つ一つの描写がとても丁寧な作りになっていました。
毎日主人公がご飯を作っているのですが、献立に悩んだり旬の食材を使ったりと細かな部分もしっかりしていて驚きました。
妖怪の村が舞台ですが、もしかしたら世界のどこかにはこのような村が本当に存在しているんじゃないかと想像が膨らみましたし、そこで過ごし温かさに触れられたような気分になれました。
〇まとめ
全体的に丁寧なのですが各√の最後の方は若干荒削りに感じる部分もありました。
日常シーンがメインなので仕方のないことですが、もう少しだけ掘り下げてほしい部分があったのは事実です。
しかし、ヒロインやサブキャラみんなの個性がしっかりと出ていて一つの作品としての主張もはっきりしていたのは好印象だったので個人的には満足度が高かったです。
溢れ出す季節感と優しい雰囲気に包まれることのできる素晴らしい物語でした。