海の家でバイトをすることになった主人公のひと夏の恋愛物語。あっさり目でもったいない部分はあったが好きな部分もありました。
〇総評
全体的に短いわけではないのですがテンポがあまりにも良すぎて各キャラの行動などの動機が少し弱いと感じる部分がありました。また、主人公の性格が個別√によって微妙に変化したり選択肢が多いためか整合性が合わない部分に違和感があった印象です。
一枚絵はどれも安定して綺麗で数も多くかなり良かったと思います。
夏の終わり独特の寂しさと名残惜しさが良く出ていました。
個人的には好きなシーンがいくつかあったので楽しめました。
〇ヒロインについて
・美帆
センターヒロインでこの作品の中で一番可愛いと思った女の子。
話の流れは大学のサークル活動で海に来ていて明るい女子大生グループの中で一人だけ浮いている姿を見たために主人公が話かけて、相談などをしているうちに仲良くなっていくっというものです。
サークル活動が終わり帰ってしまうので一旦離脱しまうのですが、直ぐに戻ってきて海の家でバイトをすることになります。その理由が主人公が気になったのと引っ込み思案な自分を変えたいというものでした。
全体的にとても可愛らしい女の子で前向きに頑張る姿や恥かしがり屋で照れてる姿には萌えましたね。
大人と子供の良い部分をどちらも持っている魅力溢れるヒロインでした。
個別√では主人公が若干ヘタレなのでイラッときましたが...美帆ちゃんが可愛かったのでなんとかなりました。まあ、釣り合うか釣り合わないとかで主人公がグダグダするよくあるやつでした。
この√の主人公はそれなりにクソでしたがヒロインはとても魅力的で大学生なのに夏祭りではじゃぐ姿は実に微笑ましくてヒロインだけ見た場合は楽しめました。また、ここでの陽子さんは実に良かったです。
・今日子
緑髪で三つ網の地元の女の子。
貧乏でバイトを掛け持ちで頑張る姿が素敵で性格も真面目で優しくて好印象でした。
個別√ではバイトをしている理由が明かされるのですが...亡くなったご両親の残した多額の借金があり、地元の子からいじめられていたりと色々と悩みがある女の子でした。
借金というのも事故にあった両親の治療費だったので不幸すぎましたね...こういうヒロインは守りたくなってしまいますし主人公が彼女を気にするのも分かる気がしましたね。
借金の問題については過去に両親に良くしてもらったという理由で全くの他人であったおじいちゃんが立て替えていたということになっていたのですが...そのおじいちゃんも亡くなってしまいます。それでも最後は綺麗なハッピーエンドだったので良かったです。
恋愛面については同情から始まった恋でしたが今日子ちゃんがどんどん可愛く見えてきましたし、主人公の“側にいるのに何もしてやれない辛さ”がちゃんと出ていたと思います。
最初は全く期待をしていなかったヒロインでしたが全体的にまとまりがありこの作品の中では一番好きなお話でした。
・真理
海近辺をフラフラ彷徨う不思議な女の子。
個別√では彼女には幼馴染で3年前にライフセイバーをしていた婚約者を海で亡くしたという暗い過去があるということが明かされます。それをまだ忘れられずに塞ぎ込んでしまっていた心を開きましょう!っみたいな感じでした。
全体的に主人公のエゴによる行動が多かったのですが彼女にとっては過去に囚われずに前を向けるようになったのは事実なのでハッピーエンドって感じでした。
ENDが2つあって夏が終わり主人公が帰るときに真理が一緒に来てくれるか来ないかってなっていましたがどちらも〆方は良かったです。お互いが好きになる描写は少なかったですがけっこうお気に入りの話でした。
・陽子
民宿と海の家のオーナーで主人公の雇い主。強気で明るい大人のお姉さん。
若い子が減った海の町で元気に働いているため周りから頼りにされており、元ライフセイバーで真理の婚約者とペアを組んでいたりと顔が広い地元の人気者。
いつもはみんなの姉御的な存在なんですが幽霊が怖かったり、人への頼り方が不器用だったりとちゃんと女の子の一面があってギャップは良かったです。
個別√については最後は普通だったんですが、途中で主人公がガキっぽくなって陽子さんを叩いたりとあまり印象はよくなかったです。まあ、そのあと返り討ちに遭ってグーで殴られるので笑って流せたのでギリ許せました。
とりあえず彼女自体は頼れるし他√でも主人公を助けてくれたりと熱い女性でした。
・里美
主人公と一緒にバイトをしている友人の妹で性格は沸点が低くすぐ怒る子供って感じでした。
個別√は主人公とずっと喧嘩していてイライラしましたが、最後は仲直りして明るい雰囲気で気分良く夏を締めくくったので助かりました。細かな内容は喧嘩してただけなのでそれ以外は記憶に残りませんでした。