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haotone_tsubasaさんの三色絵恋 -Tricolour Lovestory-の長文感想

ユーザー
haotone_tsubasa
ゲーム
三色絵恋 -Tricolour Lovestory-
ブランド
dramatic create
参照数
161

一言コメント

中国発の恋愛ゲームをプレイしたのは今作が初めてだったがレベルが高すぎてかなりの衝撃を受けた。細かい部分も含め非常に丁寧に作りこまれていてスタッフさんの熱意が伝わってくるとともに感動した。「テキストが日本語でもボイスは中国語」っという部分が最初こそ不安だったが実際にやってみると全く気にならなかった。むしろ感情が良く伝わってきたのでテキストに合わせながら殆ど聞いてしまった。三角関係ということで期待していた二人のヒロインについては“どちらも魅力的な女の子”で主人公と彼女たちの立ち位置も絶妙なバランスになっていたと思う。こんなの惚れてしまうわなぁ...彼女たちを好きになりすぎて泣いたり、温かくなったり、その他言葉では言い表せない様々な感情が込み上げてきて何回も死にそうになり大変だった。久しぶりに良い恋愛ゲームをプレイすることができて心が満たされた。素晴らしい作品をありがとう。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

いきなりですが、詳細な内容についての感想を書こうと思っててもどうやっても私の語彙力では無理なようです。
神ゲーすぎて何を書いたらいいのかは分からないんですがとりあえず書きたいので...
雑談みたいにだらだら書いていこうと思っております。




この作品はヒロインの設定があまりにも強すぎる。
真面目な三角関係もので片方のヒロインに10年間一緒にいる幼馴染がいるというのはさすがにやばい。
私が強いと思う幼馴染ヒロインの大多数は、他ヒロインに対して物理的にも精神的にも大きなアドバンテージを最初から持っている。
何が言いたいのかというと、この作品の幼馴染ヒロインである墨小菊は“アドバンテージ”というものが最大限に活かされたヒロインとして完成しており、主人公との関係性が絶妙すぎるので彼女が悲しむ姿や彼女を振るシーンがとてつもなく輝きまくっているということ。
私が今までプレイしてきた美少女ゲームで出会ってきた幼馴染ヒロインの中でも墨小菊は“トップレベル”と言えるだろう。
この最強のヒロインが三角関係に絡んでくるのだからそりゃ~辛いに決まっている。

もちろんもう一人のヒロインである文菫の方も非常に魅力に溢れた女の子だった。
主人公と一緒に過ごした時間は確かに短いかもしれないが「コイツは俺が守らなくてはいけない、見捨てられない」という気持ちにさせられた。
文菫と過ごす日常の中にある何気ない事の積み重ねにより、彼女との距離が近づいていくところが丁寧に描かれているため何も考えられなくなりそうだった。

ちなみに、文菫を選ぶことによって墨小菊は当たり前のように報われない。
同じようなことを何度も言わせてもらうが...はっきり言って、この物語の中で描かれている主人公と墨小菊の関係性は尋常ではないくらい絶妙だった。
墨小菊のこれからの人生において、主人公以上と言える男性に出会うことはほぼ不可能であると嫌でも感じられてしまった。

どっちを選んだらいいのか本気で悩まされる...これなんだよなぁ。
丁寧な描写が多くヒロインたちに自然と感情移入してしまったのでもう、どうしようもなかった。

まぁ~久しぶりに心が粉砕されてしまったよね。
泣いてしまったし、
苦しかったし、
辛かったし、
死ぬかと思った...。

ちなみに、絶対にどちらかを選べと言われたら私は墨小菊を選ぶ。
文菫もかな~り大好きなヒロインだったので非常に辛く、胸が張り裂けそうなので可能ならばどちらも選ばすにいなくなってしまいたいのだが...
墨小菊は自分の理想に近い幼馴染ヒロインだったので結婚したと思ってしまった。
久しぶりに心から好きになったヒロインでした...彼女はお嫁さんです。


他にもテキストの質、ボリューム、演出、絵、音楽などなど、その他の要素はどれも高水準でびっくりした。
私は恋愛ゲームというものをそれなりに長い期間続けてきたが、プレイ前はまさかこれ程までに好きな作品になるとは思っていなかった。
奇跡も魔法もない“普通の恋愛もの”として非常に良質な作品だったと言えるだろう。
薄っぺらい描写がなく、ヒロインと主人公の関係性が変化していく過程と感情の見せ方が大変素晴らしかった。
どの部分を見てもレベルが高いと思ったし震えてしまった。

スタッフの皆様には本当に感謝の気持ちしかない。
軽く調べてみたら何やら主人公とヒロインが変わった続編的なもの?が出るとか出てるとか...日本語対応したら絶対に買います。



・細かい部分
中国という国の文化なのかどうかは知らないが、学園物でありながらも一般的な価値感に違和感を感じる部分は少しだけ見られた。仕方のないことだが家族や学園の教師の対応は少なからず日本とは違う部分があるな~っと思ってしまった。
また、中国語を訳して日本語テキストにしていると思うのだが、ニュアンス的な意味で完璧とは言えないと思うので中国版をプレイした方が100%楽しめる気もした。
まあ、一応書いてはみたが...個人的にはそこまで気にするようなことではないとは思った。実際に私のこの作品に対する評価には全く影響はなかった。
中国が舞台の物語であって、日本ではないっということや元が中国の作品ということをしっかりと理解できる人なら特に問題はないと思う。
むしろメインである恋愛観などは自分好みで震えてしまった。久しぶりに強い三角関係ものを見せてもらって感謝の気持ちしかない。


あと、できるだけ他の作品との比較はしないほうがいいかと。
勝手ながら「三色絵恋-Tricolour Lovestory-」っという作品だけと向き合いながら遊ぶことを推奨したい。
既視感があるとかくだらないことを言い出すとキリがない。
同じジャンルの作品だと似ている部分が出てくると思うし、それだけの理由で部分的な面白さの比較をしてしまうとつまらなくなってしまうと私は思っている。
なので、その辺を全く気にするなとは言わないまでも、ある程度別けて考えられる人には合うにしろ合わないにしろ満足はできるんじゃないかと思う。それでも結果がどうなるかはその人次第となるだろうし私なんかが他人に細かいことを言うこと自体が筋違いだろう。
ただ、私は最高だったと思っているとだけ言っておく。
さて、無駄に長文を書いてしまったが...

この感想を何かの間違いで見てしまった人で恋愛ゲームが好き、そしてここまでのよく分からない説明でも気になったならばプレイしてみてはいかがでしょうかね。

なんか上から目線みたいになってしまい申し訳ありませんでした。
それでは、さようなら。