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handmanさんの神採りアルケミーマイスターの長文感想

ユーザー
handman
ゲーム
神採りアルケミーマイスター
ブランド
エウシュリー
得点
90
参照数
1386

一言コメント

2周してもそれほど苦と感じないのは、素直にすごいと思った。

長文感想

内容は姫狩りと比べても王道で邪悪さはないですね。
Exイベントなどもあり、周回する楽しみもありかなりかなりの出来。
ゲーム性、そのシステムやシナリオの内容のより細かなことについては
他の多くの方がいわれているので省きます。


他の方々とあまり被らずにこの作品の特徴をいうとなると・・・
【『武具』や『魔物』に関する設定が深く掘り下げられていきます】【これまで手の届かなかった設定部分を補填した内容】と公式にありますから、
この点を重点的に書いていくことにします。

新しく設定を組み入れたというよりは、今までシリーズ毎に小出しに出てきた設定をまとめたという感じでしょうか。
魔物に関する設定では、魔物図鑑がそれを一番補足している様相で、
魔物 というより天使や精霊の仕組みといった仲間の情報に特化。
武具に関する設定では、『衣装』システムにより属性の説明には特化していますが
武具の防具といえるものは装飾品と衣装のみ、サブキャラには衣装がないのであまり掘り下げたとは感じない・・
そして、ウィルは人間の工匠なので当然、シリーズの顔でもある神器等に関する話は一切出てきません。

なので、エウ作品を一通りプレイしてる人にとっては、あまり新鮮味のある情報は存在しないかもしれませんね。


作品も工匠と銘打つだけのことはあり、アイテム重視。
製作したアイテムを売ったりクエストをこなしながら日銭を稼ぎ、シナリオを進めていく。
基本的に破産はゲームオーバーですが、1回だけロサナ様からお慈悲が(資金1000)あるという親切設計。

神採りでなくともシリーズ通して武具・防具・素材は毎回かなりの数出てきているんですが、
今までは死にスキルならぬ死にアイテムが途方も無く多かったことが1つ気になっていた点でした。
今作ではその点も一掃され、バランスの良い状態になったといえます。
アイテムによっては、配置したり手に入れた直後、短いながらもイベントが発生しますし、
装飾品などのあるアイテムの上位種は変異でしか手に入らなかったりと
本当にアイテムという一点ではすごいバランスで丁寧さを感じます。

戦略上の規定ターン数というものがなく、日銭さえ頑張って確保出来れば
強制的にシナリオが進んだりゲームオーバーすることもないのもまた魅力の1つ。
まぁその分、1種類の敵が持つ素材アイテムは必ず複数存在し、アイテム収集に何度も同じダンジョンへ足を運びます。
作業は職人ならではのことなので、あまり問題にはならないとは思いますが、
作業かったりぃ~という人にはとことん向いていませんので注意。


針穴を突付くような細かいことを言ってしまうと、やはり所々でチグハグな点は見受けられますが(チラ裏で後述)
総合的に見ても良く出来た作品だと思います。
せっかくの南方セテトリ地方というシリーズ上の同世界であるのに、シナリオの薄さ 
この点は考えざるを得ないので、オススメ度は☆4(/☆5中)



~チラシ裏~
火属性と水属性、また睡魔族については、シリーズ通してみておや?と思う部分はあれど
そういう種だったり形が若干変わったのかなと。
アイテムのところでどうしても気になったのは、
セラウィルートでシナリオ上ではかなり重要になってくるアイテム・茫熱病の薬の製造。
最初に茫熱病の薬を作りますが、素材でエルフの薬草を使います。
その後に改良したという茫熱病の新薬 というものではエルフの秘薬が必要になってくるわけですが、
シナリオ上ではこの新薬は下級工匠達も作れるようにと
ウィルが簡単な技術と手に入りやすい素材で開発したという経緯がありますが
秘薬ってどう見ても薬草から難易度上がってますねw