朱門、樋口、WHITE-LIPS他、最高の組み合わせ
かつてこれほどクリエーターが調和的にそろった作品があっただろうか。朱門が全面的にプロデュースしたのがよかったのだと思う。10時間位で終わってしまうとか、あいかわらずギャグが滑り気味だとか、キャラとか、えろとか、そんなことはどうでもよい。
クラナド→リトバスがそうであったように、『いつか届く、あの空に。』と比べると、わかりやすく纏まっており、受け入れやすく後味がよい。超展開や急展開は鳴りを潜め、ある意味単純化されているが独自性は損なわれておらず決してチープになったわけではない。サブキャラクターのシナリオはかなりあっさり流すが、その分主題はぶれない。飛び道具で勝負するのではなく、着実に丁寧に、真っ直ぐで美しく物語をつむいでゆく。
不満点は視点切り替えが(恐らく)体験版から増えたこと。朱門の実力があれば視点を切り替えたシーンを挿入する必要がなかったであろう所がある。終盤で視点が頻繁に切り替わったところではBGMも短時間で切り替えられたために流れが悪くなってしまった。また、新しい別のBGMを使ったほうがよかったと思われる所が散見された。これのあたりで-1点。今後よりよい作品を生み出してくれることに期待を込めてさらに-1点。