傑作。前作に引き続き、異能力を装置にした人間ドラマだが、フルプライスの域を越えた大幅なボリュームアップで作られている。
徹頭徹尾、細部まで作りこまれたエンターテイメント。世界観に没頭できれば、クリア後の満足感が並ではない。
逆に言えばプレイヤーの考察による補完を委ねない、かゆい処まで手の届く作り。
テーマは、信念、行動原理、存在意義といったもの。
ストーリーについては、感動するが、泣きはしないといったところ。ドラマ性、瞬間最大風速は、前作、幻想のイデアの方が優れていた気もする。
ＣＧ、演出ともに水準以上。多少、状況がわかりにくい点も見受けられるが、センリ、フィオナのバトルシーンは素晴らしいの一言。
何よりも特筆すべきは、進化し続ける魅力的なキャラクター造詣。
テンプレを排した、行動理念を根幹に作られたキャラクター達は根底においてブレが無く、プレイしていて気持ちがいい。主軸に関わらない脇役の生き様は、げに見所。
会話の掛け合いの面白さやテキストも更に進化。日常シーンもダレることなく進められる。
総評としては100点をつけたい所だが、恋愛要素の薄さと、クライマックスが中盤に比べ弱いというのも否定できない部分があるため-5点。
しかし、プレイしてよかった、と思うゲームを久しぶりに発見できたので大満足。次回作にも期待。