ErogameScape -エロゲー批評空間-

ha-belyyaalさんの聖娼女 ~性奴育成学園~の長文感想

ユーザー
ha-belyyaal
ゲーム
聖娼女 ~性奴育成学園~
ブランド
Frill
得点
80
参照数
1912

一言コメント

紫苑が良い武士っ娘で(声が大和桜なこともあって)この1年半で最も可愛いと感じました(確かにお嬢様属性としてはどうかと思いますが…)。点数はバルーンウィンドウ(この仕様に合わせてテキストにおけるヒロインのセリフ比率が上がっているため、BGVが再生される時間がほとんど無くなっていますが…)とヒロインが(フェラしたり仰け反ったり)顔を動かしたときの顔差分CG(描くのが地味に面倒)の2点を主に評価して。留意点は、中盤までは本番が無い点(そして、個人的にはこの愛撫シーンが良いと感じました)と、描写が基本ヒロイン視点で主人公は影が薄い点の2つかと。ただ、熱烈に求愛を繰り返す男達と「そこまで愛してくれるなら…」と体を開くヒロインという基本構図で「聖娼」女と題した割には、エンディングの方向性がどうかと思うので、その点ネタバレ長文にて

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

「聖娼」と言えば(イシスやイシュタルなどの)神殿娼婦なわけで、
イシスの女司祭などは古代ローマの政界でかなりの影響力を有していたと聞きます。
(豊穣儀礼を取り仕切る立場もさることながら、
 偉い人たちがイシスの神殿娼婦の顧客だったから。)

なので、エンディングはヒロインが男たちにかしずかれて君臨する感じになるのかなと思っていたら、
別にそんなことはない、調教ものにありがちな隷属エンドで、肩すかしでした。
(小夜子編に入ってから唐突に主人公が格好良く描かれるようになってる気も…)

優莉の実家の菓子屋も、仕事ぶり自体は悪いわけではないという設定ですから、
有力者と次々とコネを作ることで、セレブご用達の名店に、
という筋書きもあり得たと思うので、あとは、
涼香を、生徒に人気の女教師→父親に色仕掛けで優秀な生徒を獲得、とでもしておけば、
ラジカルフェミニズム的色彩の強い作品にすることもできたのではないかと、思うのですが、
世間一般的には、そういうのはやはり受け入れられ難いんでしょうか?
個人的には(G.J?みたいに)女性の性欲や野心に肯定的な作品の方が好きなんですが…
(というか、性欲や野心が無いというのは生き物として不自然極まりないと思うで、
 表面上は性欲や野心に欠けるように見える人は、手の内を隠している危険人物にしか見えないんですよね)



あと、僕好みの役が多いので今回しっかり聴いておこうと思っていた手塚りょうこ。
非エロシーンは良い(特に怒っている演技は素晴らしい)と思うのですが、
(僕の好みから外れるのか)エロは…あんまり…(『痴漢専用車両2』の時も抜けなかったんだよなぁ)
むしろ鈴音華月の方が好印象。声の癖が良いと感じるポイントなのかなぁ?
以前から幅広い年齢層のキャラをこなすと思ってはいましたが、次はもっとしっかり聴かねば、と。