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ha-belyyaalさんのマドンナ -完熟ボディCollection-の長文感想

ユーザー
ha-belyyaal
ゲーム
マドンナ -完熟ボディCollection-
ブランド
G.J?
得点
50
参照数
1558

一言コメント

ま、絵と声だけゲー、というのが妥当な評価かと。にも拘らず、人間2人居ればそこには常に対立の可能性があると信じる僕としては、【このキャラクターが不快】POVの標的になりかねない我儘ヒロインが攻略可能である希少価値がとても心地良く。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

エロゲーの中でくらい夢のような恋愛を楽しみたい、
ストレスに満ちた生活だとか、男女間の意見の相違だとかは、現実だけで結構、
そう言いたい心情は理解できますし、
僕もエロゲーは、理想の相手との理想の関係を体験する
(D.W.Winnicottが『遊ぶことと現実』で言う意味での)fantasyであるべきだと思います。
しかし、僕にとって
各個人がそれぞれに事情と意思を有していることは
たとえ夢の中でも否定できないアプリオリな真理であって、
(例えば、ヒロインは非常に主人公の好みのタイプだが、主人公に対して敵対的、
 それが、主人公の愛、もとい執着心のゆえに主人公を受け入れる、というように)
「望まれなかった愛情希求が受け入れられること」こそ僕のfantasyで、
それが僕が凌辱系に拘る理由なのです。
(どれだけヒロインが好みであっても和姦では、暖簾に腕押し、という感じです。)

そんな僕にとって本作は
泥酔して問答無用で押しかけてきた挙句に主人公に向かってvomit、とか、
休日だからって限界にチャレンジして訪ねてきた主人公にvomit、とか
(かわしまりのは呑み過ぎて吐いたことはあるのかが気になるところ。
 とはいえ、リアル嘔吐をじっくり聴いた経験はないので
 この2つの嘔吐シーンが真に迫っているかどうかは分かりませんが、
 エロ演技はあくまで演技であって生の嬌声でないのと同様、
 この2箇所ももっと芝居がかっていた方が良かったのではないかと。
 例えば、ダメ人間振りを強調する方向で)
自分が満足するまでは許さない、とか
自分の意に反するセックスはノーだが、主人公のやきもちが原因だから許す、とか
そんな桃香と節子が好みでした。
こんな風にストレス無く楽しめたエロゲーは多分『ディバインハートマキナ』以来。

ヒロインの数を絞って、
(例えば桃香なら、ダメ人間振りだけでなく職場などでの華麗な面も描く、とか
 大人の女性の抱えるストレスをしっかり描くとか)
個々のヒロインを深く掘り下げたら中の上くらいになったのではないかと思うものの、
このライターでは薄っぺらさが増すばかりの気も…