全てにおいて完璧な作品。1行たりとも無駄がない洗練されたテキストは上質な純文学を読んでるかのよう。
文章が秀逸。ふとした描写で心が揺さぶられ目頭が熱くなる。
1行たりとも無駄がないテキストは感嘆するしかない。
また全体の構成や伏線回収が凄すぎる。
とにかく無駄がない・過不足がない、これにつきる。
またキャラクターが記号化されたキャラではなく
実在してるかのような生きたキャラクターとして描かれている。
そのため魅力的に見えるし感情移入もしてしまう。
特に驚いた、というか関心したシーンが、
有島が親の金を使い夕食を振る舞った凛を叱るところ。
多分よくあるエロゲなら
「手料理なんて嬉しい!ありがとう!美味しいよ!」
で終わるところを主人公とヒロインの立場・年齢等を
考慮した現実的な対応を描いている。
こういった描写がまさに"人間を描いている"部分なんだと思う。
個人的に一番好きなCASEは3。
それなりに恋愛経験がある年上ヒロインが年下の男の子を好きなる…
なんかレディコミにありそうな話なのに
主人公・ヒロインどちらの心情も丁寧に描いており
どちらの側にも感情移入させてくれる。
夏の日の思い出・青春の1ページを垣間見ているようで
切なくも爽やかな気分にさせてくれる。
心地良い読了感を感じることができた。