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h510さんのもののあはれは彩の頃。の長文感想

ユーザー
h510
ゲーム
もののあはれは彩の頃。
ブランド
QUINCE SOFT
得点
80
参照数
315

一言コメント

和風ファンタジーにデスゲーム要素や頭脳戦要素の入った力作。他にはない独特の作品ながらしっかりと練られたシナリオは面白い!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

シナリオ:
まず双六パートの文章が3人称視点なのでちょっととっつきにくい。
地の文で情景描写がしっかりと描かれているが、立ち絵と背景で状況がある程度推測できるので
蛇足っぽくなってしまい結果テンポが悪く感じられる。
ちなみに幻日パートではそういったことは感じられない。

シナリオ自体は非常にレベルが高い。
SFファンタジーにデスゲーム要素や頭脳戦要素を取り入れたシナリオはよく練られていて面白いし
「どうやってこの場面を攻略するんだろう」って感じで続きが気になる作りになっている。
徐々に記憶を取り戻していく点も興味をそそられた。
不満としては京楓√が実質なかったことくらい。
また最後ヒロインを選ぶ選択肢、セーブ&ロードで一気に全員攻略したが
なんか浮気しまくってるような気分になったw

キャラクター:
絵がめちゃ好みでかわいい。
声もあっててかわいいしキャラゲーとしても高レベルな作品。
あと大誠が意外にカッコイイw縁とのシーンは「デブかっけー」と思ったw

攻略:
不満点はここ。
サイコロをクリックするかどうかで分岐が入るが
スキップすると分岐を通り過ぎてしまい、[次の選択肢へ進む]もないため
分岐部分でセーブをし忘れると攻略が一気に面倒になる。
一応「クリックしてサイコロの目を変える」部分もシナリオに組み込まれているので
不必要とまでは言わないが、攻略面だけ考えると正直マイナス。

総評:
シナリオや√構成、攻略方法など独自性が強くやや癖のある作品だが全体的に作品レベルは高く
極端な「ここはダメ!」って部分はないので比較的万人に進められる作品だと思う。