他人の心の声が聴こえる能力持ちの主人公が繰り広げる推理モノ。ただそれだけじゃなく能力を持っているが故の苦悩や葛藤が描かれてたり、人間臭い班員たちとの友情物語が描かれていたりと、密度の濃い作品。ミステリや人間模様を描く作品が好きな人にはお勧め。
"他人の心の声が聴こえるが誰の声か分からない"という設定が秀逸。
そのため"周りの人間に犯人がいるのは確実だけどそれが誰だか分からない"
という他の作品にはない独特の緊張感を味わうことができる。
また"能力のことを(原則)誰も知らない"という設定もよい。
そのため"能力で知った情報から如何に客観的な証拠を導き出すか"という
推理を楽しむことができる。
ただ推理部分については後半より前半のほうが好み。
後半は超能力要素が入ってきたせいで推理が複雑化しすぎてる。
"誰がどの能力持っててどの能力を使ってるか"あたりまで考慮しないといけないので
考えるのがだいぶ面倒になってくる。
前半は超能力的な要素は主人公の能力以外はなく
シンプルに推理を組み立てられるので個人的には前半のほうが好み。
また班員たちとの友情物語も良かった。
最初ははみ出し者みたいな扱いだった主人公が班員たちと交流し
徐々に仲良くなっていく様子は心温まるものだったし
主人公の能力を持っているが故の苦悩や葛藤と絡めて
描いているところもとても良かった。
それから以外に良かったのがH方面。
かなり無理やりながら序盤でヒロイン全員とのHシーンを入れた点は評価したい。
ほらやっぱりエロゲだし、シナリオ重視の作品でもHシーンは
しっかり入れてほしいと思う派なので。