18禁美少女ゲームという媒体だからこそ表現出来た名作
――熱血、抜き、笑い、泣きすべてが揃っている。
●名作「魔法少女消耗戦線」の所謂FDにあたる作品ですが、
FDという枠組みを超えて、読み手が読みたかった
「本編では省略されていた部分」を補完しつつ、新たな未来を呈示する
派生エピソードまで用意されていて非常にボリューミーな1本になってます。
無印MGWにはなかった「笑い」まで楽しめるようになっていて
本当に隙のない作品になりました。
▼以下、備忘録メモ
「名探偵は事件を捜査しない」
やってることはバカみたいなおちゃらけ劇だが、
よーく読むと意図的なのか偶然なのか
「魔法少女消耗戦線」という作品の
ダイジェストとして機能していることが分かる。
市警の手によって勝手に変身機能が追加されるリゼットたち3人
↑
カテドラル側の身勝手な理由で、C.Cと接触して
魔法少女にさせられていた本編の彼女たちの出自と被る。
「熱の檻」
ユービック研究所に囚われ、男たちに屈する日々を送る残雪。
だが、そこには確かに愛があって残雪も使命を忘れ、
研究所の人々に尽くす日常を過ごしていく。
しかし、使命を思い出した彼女は物悲しさを抱きつつも
ぬるま湯のように温かった研究所の人々との生活に別れを告げ、
自らの使命のために研究所を破壊尽くす。
そんな彼女の姿に少しウルッとさせられてしまった。
「奈落」
イリューシャの過去で語られることになる、
「イリューシャが自分の身を、魑魅魍魎跋扈する
芸能界へと差し出して、他のメンバー2人のことを
守っているつもりでいたが、実はアンヌとヤムヤムは、
イリューシャが自分たちの為に枕営業を肩代わりしてくれていたことに
気づいていて~」と発覚する展開が、無印MGWのみのりの境遇と似ている。
この二人は割りと似た者同士なんだなと感じた。
(みのりにも、”七虹とイリューシャが卑劣漢たちの嬲りものにされるくらいなら
自分が犠牲になろう”と考え動いていたが、
二人はみのりの事情を薄ぼんやりと把握していて、
それが地球から招いたゲストへの奉仕中に発覚するというシーンがある)
「アリシャ・オラオンは死んだ。」
アリシャとキバキの友情…。難民キャンプという同じ出自の出で、
ここまで生き残り戦技兵となった彼女たちだが、それぞれの考え方から
生き残る為に取った行動が違う。(キバキは自分の手で這い上がるように、
アリシャは流れに身を任せて)そんな行動パターンの違う二人が紡ぐ、
不器用な友情が良かった。
アビーやワンチェンとも、もっと距離を縮められいてたら
G02には違った未来があったのかなと考えると切ない…。
「ちいさきものたちのゆめ」
先輩後輩関係にある、光の巨人01と光の巨人02が合体した姿が登場。
必殺技がキックだし、どう見てもガ○バ○ターです…。
本当にありがとうございました。
★凌辱シーンで人間の尊厳を踏みにじりつつも、それ以外のシーンでは
「人間が持つ強さ」に焦点を当てて壮大な物語を展開する。
無印MGWと同じく本作はまさに”18禁美少女ゲーム”という媒体だからこそ
表現できた名作だと思います。こういうのが読めるからエロゲは面白い。
■9時間48分