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gyuunyu280さんのAlexiAの長文感想

ユーザー
gyuunyu280
ゲーム
AlexiA
ブランド
Operation:Novelty
得点
90
参照数
342

一言コメント

埋もれてるけどセカイ系ノベル作品の名作だと思う。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

短いながらもしっかり纏まっていた。
随所に動画や一枚絵を豊富に組み込むなどして
ユーザーを飽きさせない工夫がされており、
最期まで飽きずに読めた。

辛い現実で追い込まれて、全てが嫌になった少年の心の動きと行動が
丁寧に描かれている良作だった。

ゲームも無料で、サクっと5時間程度で読める短さゆえ、
手が取りやすいと思うので、
セカイ系作品なんかが好きな人には強くオススメしたい!
(ノベルだとCHAOS;CHILD、ハピメア)
(アニメだとエヴァ、ラーゼフォン)
※上記の作品が好きな人はハマれる可能性が非常に高いのでオススメです。


この作品、エンドが2つ用意されていて、
1つのエンドは苦労することなくたどり着く
(というかそこから抜け出せなくなる)んですけど、
もう1つのエンドまでの道がなかなか癖があって
選択肢1つ選ぶのにも頭を使わされるので、
昨今のノベルゲームで失われつつある
「選択肢を選ぶ楽しさ」が組み込まれていたのも高ポイントでした。
(一応、ふりーむのページの1番最後の部分や、
ゲーム本体に入ってくる「readme」ファイルの
最後に選択肢のヒントは書かれています。)

ただ、僕は上記のヒント群を見て何回トライしても、
やり方が悪いのかエンド1から抜け出せませんでした。
僕のような不器用な方は、
”Aを読んでいく上で感じた違和感”を元に考えて、
「拒絶」を繰り返すときっとエンド2までの道が開けると思います。


・物語の時系列としては、B→A→Cって順番になってると思うけど、
BからAに行くっていう構成が、本編を進めていて、
薄々世界観設定の秘密に気づいていた状態でも
あっと言わされる展開が盛り込まれてきたので退屈することなく楽しめた。

また、物語の振り返りと総まとめ的立ち位置にあるエピソードになる
Cも、今まで張り巡らされた伏線などから予想はできていた真実が明かされるが、
さらにその斜め上をいく真相が最後の最後に待っているので、
その部分を見せられたときは「そう来たかあ…」と唸らされました。


・この作品、A・B・Cのそれぞれのエピソードで、
ノベルゲームとしてのインターフェイスがガラっと変わるんですけど、
それもゲームクリア後に振り返ってみると、

A→主人公 上條游雅が望んだ作り物の「理想の世界」であって、
現実ではないから典型的なギャルゲー染みたインターフェイス
(立ち絵、メッセージウィンドウ)

B→主人公 上條游雅の”視点”で物語が進むから、立ち絵が存在せず、
一枚絵を何枚も駆使してアニメーションのようにぬるぬる世界が動く

C→妄想世界と現実世界の狭間の話なので、メッセージウィンドウは存在せず、
各種ツールボタン(スキップ、セーブ、ロード…etc)もない


こういう作りになっていたのかなあと考えされられてしまった。


最期に、
眞那彌さんとイチャイチャしたいです……。