共通ルートの大切さを再認識させてくれる作品
霞
自分の中に眠る鬼としての人格と共存するため霞と柊が奮闘する話。「かけがえのない日々を失いたくない!」展開があるんだけど、共通が短くて思い出作りに失敗してるせいで、読み手としては何の感慨も抱けないまま話が進むせいで話が薄っぺらく感じた。俺たちの戦いはこれからだENDだし…
巴
妖狐の身から神へと進化するために主人公の下から去って云々って展開はありがちなそれなんだけど、肉体を捨ててもなお精神世界で繋がり続ける終わり方にはシビれた。短いながらも中々に読み応えがあったので読後の満足感は高い。
紫苑
恋に恋する女の子が本当の恋心を知るために神様と契約し、『好きな相手に本当の想いを伝えることができない』という代償を背負いながらも恋愛し続ける話。途中で『君の名は?』したりもして本当の恋を知ってワロタする話だった。可愛くてメイメイがエロいのだけが唯一の救い。
神様との契約を打ち切るときに「今までのことを忘れても、もう一度先輩を好きになります」って発言が出た時はちょっとグッと来たけど、その後のテキストが薄っぺらいせいで神様との契約解消後の再会も運命的な出会いという印象は薄れ、最終的にはワロタって感想に落ち着いてしまうのが残念。
グランド
最後に開放されるグランド√は今までの各ヒロイン個別の総まとめになってて、神世界に幽閉された巴を救い出す展開は少しだけ感動を覚え勢いのままに騙されかけた。ただ、よく考えてみると「共通短いせいで思い入れと呼べるものがないし全体的に話薄っぺら…」ってなる作品だった。
総評
共通ルートの作り込みが甘く、主人公の人格がハッキリと伝わってこない作品は全てが薄っぺらく感じるようになる。
グランドルートを読んでる最中にふと、「主人公である柊がどんな性格をしてるのかがいまいち分からないな」と疑問に感じてしまってからはそれまでに読み終えていた紫苑ルートも、「なぜ紫苑が柊に恋をしたのか?」が伝わってこなく感じ余計に薄っぺらい話に思えるようになってしまった。カルピスを薄めすぎるのはやめましょう。