keyだからこそ作れた、key以外が作ってはいけない作品
泣きゲーブランドとして名高いkeyが長年の沈黙を破って引っさげてきた完全新作だったが、
その誕生経緯に恥じない傑作だった。これはkeyが作ることに意味のある作品であるとも思った。
それは後述する理由からである。
うみルート
過去との離別がテーマになっているこのルート。
かけがえのない思い出がいっぱい詰まった過去を振り切り、
身を削りながらも希望を求め未来へと進む内容になっていたが、
これはkeyというブランド自身の、過去作との離別という構図にも置き換えられるのではないかと思った。
それは何故かというと、このルート、かつてのCLANNADの風子ルートを彷彿とさせる展開が続くのだ。
そのため、途中までは風子ルートの焼き直しで終わる悲哀の物語かと思わされた。
しかし、今回はそれだけで終わらなかった。
最後の最後に、悲しみの一歩先へと続く新たな希望の物語を予感させる終わり方で締めてきたのだ、
このルートを乗り越えてTrueルートへと続くため「過去作との離別」も意味しているのだと私は感じた。
そして、物語は最終ルート「Pockets」へと続いていく。彼女を救うために。