プレイしたのはずいぶんと昔なので懐古補正は入りまくりです。個性的なんて言葉じゃ足りないくらいのはっちゃけたアクの強いキャラ目白押しの勢いあるキャラゲーです。演出も凝っていて、立ち絵はポーズ変化や表情の変化に留まらずに、画面ところ狭しと動き回ります。これがコミカルな会話内容と相まって見ていてとても楽しい作品になっています。部分的に重い展開をしますが、それほど精神的に引きずりませんので、気楽にプレイできる内容だと思います。
出てくるキャラ、それぞれがアクが強くものすごい強気。そのアクの強いキャラ達の巻き起こすドタバタをひじょうに丁寧にコミカルなレベルで仕上げています。最近の美少女ゲームでは強気キャラもツンデレブームのおかげで、複数登場するのもポピュラーになってきていますが、キャラが片っ端から強気キャラってのは当時はまだ新しかった。
とくに輝夜と空の掛け合いは最高でした。傍若無人vs超強気、この勝負がなかなか面白かった。やはりキャラクター同士の掛け合いの面白い作品ってのはやっていて面白い。…どのキャラも暴走ぎみですが。
喧嘩もするし、ごたごただってしますが、最終的にはみんな仲良くわいわいとした雰囲気の中で終ります。すばるの絡みでもっと重くなると予想していたのに、他ヒロイン攻略時の、すばるとの分かれは切なかったものの、最後は清々しく、とても気持ち良く終われました。恋愛の関係の無い日常シーンがとくに面白く、とくに天文部がらみの一体感や達成感はなかなかなもので胸がいっぱいに。
こう若人が男女一丸となって一つのことを成し遂げるという、青春友情サクセスストーリーはズビシッとツボに入ってしまうらしく、最後はほんわかととても優しい気持ちで終われました。友情っていいね!!
こういうシナリオは「つよきす」とかが好きな人は大好きなんじゃないかな。
今になってプレイするとインターフェイスやシステム等は古臭く、とくにキーボードで操作するのがメインな人だと、MAP移動時の選択ではマウス操作しか受け付けないために結構ストレス溜まるかも。昨今のゲームだとキーボードだとEnterで改行が多いですがEnter押しても改行しなかったり(スペースでします)、JoyToKeyなんかでゲームコントローラーにアサインするにしても普段使っているマクロなんかが使い物にならなかったりと,独自仕様が多くて結構勢い良く不便。
総プレイ時間は結構長いです。1キャラあたり7~8時間はかかるかと。中盤がほぼ全ルート同じで、やや終盤に駆け足な展開なために周回プレイ時は人によっては飽きとの戦いになりそう。2周目以降はスキップ多用することになるかと。自分的にはキャラクター個々の心理描写がとても丁寧にされており、演出も良いくキャラクターが生き生きと動いているため、それほど苦痛は感じませんでしたが。
全体としてとても丁寧に作られており、良い物を作ろうというブランド側のモチベーションの高さが良く伝わってきました。心温まるとても良い作品だと思います。重すぎずライトなコメディー主体の学園物な作品が好きな方にオススメです。
ちなみに現在、OHPにて外伝的な追加シナリオがDLできます。プレイのおりにはこちらの方もぜひ。