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gurasさんの幼馴染と十年、夏の長文感想

ユーザー
guras
ゲーム
幼馴染と十年、夏
ブランド
夜のひつじ
得点
90
参照数
602

一言コメント

幼馴染好きにはバイブルの一本たりえる作品。大きくわけて3つのシナリオからなる物語。とても雰囲気の良い良作。明記は一度もされていないが、小学生編、中学生編、高校生編といった具合だろうか。始まりは社会に適応できない少女の「枝梨」と、その枝梨を救おうとするも大きな挫折を味わう事になる主人公「葉人」の疎遠となっていた幼馴染同士の関係の修復。一度は疎遠となった二人が、ゆっくりと改めて仲良くなっていく描写が優れており、お互いの微妙な心の機微など丁寧に表現されていました。そして小学生編のラストで、とある事により、また疎遠となる二人。二人の関係はいったいどうなって行くのでしょうか。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

体験版では小学生編(H.11年編)の終盤にかけてと、中学生編(H.14年編)の序盤までが楽しめる。体験版でもこの作品の雰囲気の良さは十分に伝わると思うので体験版だけでもプレイしてみるといいかもしれません。

幼馴染の持つ二人で過ごした時間というものを堪能でき幼馴染好きな私としてはストライクでした。序盤にイジメの描写があったりもしますが、基本的に終始イチャラブ。物語自体は短いのですが、幼馴染だからこその経過していく時間の長さと二人の絆の深さを感じられ、こそばゆくて甘酸っぱい若かりし頃の初恋の味のする物語でした。少年時代の微妙な距離感や関係を修復していくさいの心の機微。最終的にはお互いになくてはならない自然な関係に昇華していく、そこまでの丁寧な描写。一歩ずつ丁寧に関係を深めていくさまは同人ながら見事でした。テキストもとても読みやすかったです。夜のひつじさんのゲームは今後も贔屓にしていこうと思います。とても面白かった。



最後に一言言いたい

葉人くんと枝梨ちゃん
末永く爆発しろ