抜ける環境がそろえられた名作
このゲームはエロゲらしいエロゲだと思います。エロゲに求めるものは抜けることだと思うんですが……それを最高に満たしてくれます。
まず設定がしっかり作られているので主人公がエロイことを経験できる自然な理由がしっかり用意されています。設定によるちゃんとした雰囲気があるため非常に淫靡で背徳的な世界を味わえます。
次に特筆すべきは、卑語、隠語の多さです、しょっぱなからおチンポだとか子種汁だとか孕ませてくださいだのといった単語のオンパレードでテキストが非常にエロいです。声優さんの演技もあってとにかく耳から入ってくる興奮要素が高いものとなっています。この点については世界観がしっかり作られているだけであって設定との齟齬(閉鎖された村の中で使われるような単語じゃない)があると感じる方もいるかもしれませんが、そこらへんは割り切ったり、脳内補完したりでいかようにもできると思われます。
むしろ狂ったような卑語が狂った世界観を表現してくれていると私は思いました。(エロゲはやっぱり非日常でなくては)
ストーリーもしっかり作ってあるので、物語としても十分楽しめるものだと思います。ただ、単純なハッピーエンドがあるような作品ではないので後味のあまりよくないものも多いです。どのエンドも大円団的なハッピーエンドはなかった気がしますね。犠牲のない解決方法は存在しないってことでしょうか。
また、輪姦が多いのも特徴です。閉鎖的な村やしきたりには必ずくっついてくるものなので仕方はないですが、やはり、ジャンルも「マレビトとして奉仕される」とあり、前半は1体1もしくは1体複数で奉仕されるシーンも多いだけに輪姦されると若干うーんと感じるところもあります。また後半は本当に輪姦しかないです。しかし、結局エロいし、ストーリー的にもあってしかるべきなので悪くないと思います。輪姦好きは満足するかと思われます。
主人公が優しいスタンスなのであれですが、いい塩梅の凌辱シーンもしっかりあるので、欲望に任せた凌辱自体は好きなんだよなぁって人にもいいと思います。ガチレイプ寄りのものも多いですが…(狂った村なので
ヒロインは十子、稀世良、サエの3名でした。実際のメインヒロインは十子で確定しています。
個人的に声優さんがハマり役だなと思ったのは稀世良でした。後半は全く出番がありませんが、キンキンする脳に直接来るような声が特徴的なミステリアスで蠱惑的なキャラクターがまさにそこにいました。なかなかここまで完成されたキャラはいないのではないでしょうか?ってか稀世良単体でファンディスクあってもいいんじゃないのかってレベルです。初めて造形的に幼いキャラクターが好きになりました。幼さとエロさの見事な融合を果たしています。稀世良はなにか特別なものを持っていそうで物語全体から見れば何も持っていない一キャラクターです。最後までプレイして思ったのが彼女は作中の狂った村の中で最も純粋培養された存在だったということです。彼女には何の罪もありませんし、彼女に得体の知れなさを感じるのは彼女が狂った村の「常識」にもっとも準じた存在たからだと思います。それゆえに狂った村の常識の中で純粋に主人公を愛するのは彼女だけです。その一方で彼女は存在せずとも問題のないキャラでもあります。なぜなら村の常識はあくまで……
サエに関してはあまり扱いがよくない感じがしますね。個別エンドもありますがその後が見たいキャラでした。
結果的に問題の解決が完璧になされるのは唯一1つしかないほろ苦いものですが、やはり代償なく誰もが幸せになることない…こういうゲームです。他は…その後の展開がよいほうにも悪いほうにも進むものです。
このゲームのエロは確実にヌキゲーよりエロイと思います。
プレイし終えて…本当にエロかった。この作品のライターさんはストーリーが面白いというものがありますが、監督の阿久津さんとと組むとエロも相当いけるんだなと思いました。インモラルさや男の求めるエロシチュエーションの演出が素晴らしかった。そこで思うのが、この作品はあくまでストーリーがあってそこに豪華なエロシーンだったんですが、機会があればエロシーンを引き立たせるためのストーリーを持つ抜かせるためのエロゲを作っていただきたいですね。やっぱりキャラ付けやそれを補強するバックグラウンドとなるストーリーがあってこそエロさが引き立ちますし、それをこの作品で強く感じました。 素晴らしいゲームをありがとう。