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gripeさんのPure×Holic ~純潔乙女と婚姻カンケイ!?~の長文感想

ユーザー
gripe
ゲーム
Pure×Holic ~純潔乙女と婚姻カンケイ!?~
ブランド
アトリエかぐや
得点
74
参照数
666

一言コメント

シリーズ集大成の作品で、旧ヒロインもお話にしっかり出てきてくれて嬉しかった。どうしても旧ヒロインに思い入れが強く、新ヒロインを好きになり辛いのが弱点だと思う。とはいえしっかりエロくてお話も結構面白い、良いゲームだった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

以下、各ルートクリア時にそれぞれ感想を記載

攻略順:アルル→ハトホル→アストライア→モルガン→TRUE


〇プロローグ

Holicシリーズ第三弾。プレイするまで忘れていたけれど、今回のヒロイン達はMama×Holicに登場していたんですね。
以前に会った時の話が出てきて、そういえばそんなことあったなという感じだった。
もうMama×Holicから4年も経ってたのか…そりゃあまあ忘れているか。

プロローグ段階だと3人ともそこまで登場せず、とりあえず結ばれようとしているだけなので、正直まだ好きかどうかとかはわからない。
何なら現状は敵みたいな扱いで笑う。とんでもないライバルが増えたからね、しかたないね。

前作までのヒロインズがたくさん出てくるのは嬉しかった。Mama×Holicの時は前作ヒロインズはほぼ登場しなかったので、これは嬉しい誤算だった。Holicシリーズ集大成作品になりそう。みんな出てくると、特に元サブヒロイン達がすごく好きだったんだなあと気付いた。
桔梗さん、茜さん、ミーメ辺りが登場すると一気にテンションが上がる。
ミーメが家に来た時、弟妹がすごく嬉しそうなのがいいんだよなあ。

特に事前情報入れていなかったので知らなかったが、前作ヒロイン達ともお話もあるみたいなので、普通に楽しみ。


〇アルル

設定が設定だけに、仲良くなっていく過程としては少し弱かったのかなと思う。
とはいえ会話は普通に楽しいし、どんどん我侭になっていくアルルは主人公にどんどんハマっている感じがあって可愛かった。

Love×Holicでのヒロインとの仲良くなって行き方がかなりよかったため、シナリオが少し弱く感じてしまうが、それでも抜きゲとしては十分以上に面白かった。えっちが絡まない部分でもアルルが可愛く思えている時点でシナリオがきちんとしている。

魔素が凄すぎてこれが全部解決してくれるのも、もはやHolicシリーズらしさなのでこれでいい。
魅了が切れてもきちんとアルルと添い遂げる主人公はやっぱりいい奴。

choco-chip先生の絵もあり、Hシーンはやはり強い。
舌技が凄いみたいな話があったが、それを生かしたシーンが多いわけでもなかったのは少し残念。


〇ハトホル

新規ヒロインのなかでは真面目枠…のはずなのだけれど、主人公にのめり込み、どんどんわがままになっていく。
これアルルルートと一緒だな。もっとキャラの違いを見せて欲しかった。
狙われているとわかっているのに、護衛を着けず主人公に会いに来てしまう感じはどうなの…とも思ってしまうし。

ハトホルはきちんと可愛いのだが、やはり魅了されないように、でも仲良くなれるように、とやっていくルート入る前が、どういう気持ちで見守ったら良いのかわからない。仲良くなっていくことを素直に喜べないし、このゲームの明確な弱みだと思う。

ルート入ってからは結婚生活に当然主人公も乗り気なので、こうなるともう安心して見られる。
基本戦闘とえっちしているだけだが。蒼江家にお風呂借りに行く下りは笑った。舞凍さんが拗ねるのはいつも通りだけれど、紅音と二人で拗ねているのは新鮮。SD絵も可愛い。

結構尺を割いていたハトホルを狙う刺客のお話は、モルガンさんがあっさり解決してしまって、なんだったんだろうという気持ち。引っ張った意味とか設定凝ってた意味あったんだろうか。他ルートのためか…?

ハトホルとのシーンは胸を強調したものが多く、choco-chip先生の得意分野感が凄かった。胸もすごかった。ええ。


〇アストライア

ハトホルルートでうーん…となった気持ちを一気に払拭してくれた。面白かった。
他の二人のルートと逆で、我侭だったアストライアが恋心によって、むしろ周りに気を使えるようになっていくような話で、アストライアが成長していくにつれ可愛さが増していく。主人公のアストライアへの態度もそのような感じなので、主人公の気持ちにも共感できる。

何と言ってもこのルートだとチャームに負けたとき、負けてしまったという状況になっている表現もしっかりしてて、桔梗さんの悲壮感や紅音たちとのけじめのつけ方など、アストライアと結婚することに対して付けなければならない決着をきちんとしていたことに好感が持てるシナリオだった。
ここをしっかりと表現してくれて、なおかつチャームを克服しても結婚した相手はアストライアで、きちんと愛していることを伝え、アストライア側も罪悪感はあるけれど、今後も愛し合っていく覚悟が決まっている。
これをルートの最初でやってくれたから、その後の二人のイチャイチャも他ルートより優しい気持ちで見ることが出来、ちゃんと幸せになって欲しいなと思えた。

ヤルダ相手の決着はこのルートでもあっさりだったが、ヤルダ側の目的も金目当てと、ハトホルルートほどしっかりしたものではなかったため、これはこれで問題なかったと思う。

あと、舞凍さんに対する認識、扱いが今作ヒロインたちからも悪いの笑った。やっぱりみんなから下品で性欲強すぎって思われてんだな…。

アトリエかぐやB&Bに求めている、しっかりエロくて、それでいてお話も結構面白いを体現しているルートだったので、大満足だった。


〇モルガン

まあサブヒロインだなという感じのお話。Holicシリーズはサブヒロインのお話が面白いイメージもあるので、そういう意味では少し拍子抜けだけれど。
面白くなかったわけではないけれど、ハトホルたち以上に積み重ねが薄いため、二千年生きてきた中で今が一番楽しいと言われても、そこまでの魅力があるのかこの主人公…。という気持ち。

ただ、素材集めを通じて距離が縮まり、それが楽しかったから今後も冒険をしようというENDは流れとして綺麗だし、あの最強パーティでの冒険はちょっと見てみたい。誰かひとりだけでも結構過剰戦力だからな…。
孕ませないENDの最後のCGは何のゲームでしたっけ?って感じで好き。やっぱりchoco-chip先生にはいろんなゲームの原画やってもらいたい願望、あります。


〇旧ヒロイン、TRUE

旧ヒロインたちとの思い出を巡るお話。こうして振り返ってみると、1作目は結構萌えゲーよりで、2作目は抜きゲーだったんだなと思う。
1作目ヒロイン達との思い出はきちんとしたイベントごとに基づいた思い出だったけれど、2作目ヒロイン大人組はえっちの思い出ばかりで、確かに2作目はえっちしてただけだもんな…と思った。
久しぶりに1作目ヒロイン達と仲良くしている姿を見るのはなんだか嬉しかった。先に好きだったのにじゃないけれど、今の状況が初期メンバーにとって可哀そうすぎるよなあ…とは思ってしまうので。

そしてTRUE。これでHolicシリーズはおしまいなんだろうなと感じるまとめだった。
正直エロいかはともかく、興味本位で13Pはしてみて欲しかったけれど、原画負担が凄いか。
新ヒロインズも自重しないし、これ以上女の闘いしてもしかたないから一夫多妻を認めさせてしまおう!は強引だけれど、もうこうするしか収まらないのはそう。桔梗さんたち含めて一応みんな幸せだし、まあらしいっちゃらしい終わりだったのかな。


〇全体の感想

一番好きなキャラ:新ヒロインではアストライア、全員含むなら鈴鹿

TRUEの方でも書いたけれど、シリーズはこれで終わりなんだろうなと。
むしろ2作目は1作目と比べると…な感じだったし、1作目のヒロインたちが眠ってる間にライバル増えて可哀そうだった気持ちが強かったので、シリーズとしてしっかりとまとめてくれたのは嬉しい。
抜きゲーでお祭り感が味わえるという経験もなかなかないので、そういう意味では本作は貴重だった。

続いて欲しい気持ちも無いではないが、1作目が正直萌えゲーとしてしっかり楽しかったため、1作目ヒロインに対する思い入れが強く、ヒロインが増えていって彼女たちが割を食うのが正直可哀そうでこれ以上シリーズが続くと見ていられなくなっていきそうなので、このくらいで良いと思う。

choco-chip先生の絵は相変わらず美麗だったが、今作では夕方のような光の当たり方が多く、これだけちょっと苦手だった。たまにあるくらいならいいけれど、かなり多かったので。
それでも旧ヒロインの新CGなんかも書いてくれたり、SD絵があったりで、大満足だった。
というかSD可愛すぎません?今後もどんどん入れて欲しい。
あと、紅音と舞凍さんとの3PのCGの、紅音が美人過ぎて、choco-chip先生の絵は同級生くらいが一番好きだなと感じる。アネトモの絵もかなり好きだし、B&Bはもう少しヒロインの年齢下げてくれると個人的には嬉しい。

いつも通りしっかりえっちで、それでいてシナリオも結構面白い、いつものアトリエかぐやB&Bだったと思う。
これからも応援してます。