ATRIとは大分雰囲気が違うので、ATRIを求めていると辛いかも。恋愛面や日常シーンには従来の紺野アスタさんらしさが存分に出ている。 少し複雑な設定ながらもわかりやすく説明出来ており、伝奇物も書けるという紺野アスタさんの今後にも期待できる良作だと思った。
ストーリーの感想
ATRIとは比較するものじゃないは大前提に置いた方がいいゲームだと思う。とはいえこの感想では名前出しますが。
そもそもこの作品はがっつりファンタジーなので、奇跡は起きる。
また、前半と後半でも少し雰囲気が変わる。
前半は日常を多めに、怪奇もの、伝奇もののような色がかなり濃いが、後半はバトル要素だったり、
エグめの描写が増えたなという印象。
前半はギンカ、後半は銀花がヒロインで、銀花の方が苦手な人多そうなので、前半が良かったと思う人は多いのかなと。
個人的には銀花の方が好きだが。ギンカの方が可愛いけど。
ATRIよりも各キャラクターに焦点が当たっていたという印象もある。
先生は分かりやすいが、ひまわり、草二、リン姉もしっかりキャラが立っているし、活躍も多かった。
草二は少し弱いかと思ったが、最後の主人公の原動力は草二のおかげが多分にあり、大好きなシーン。
とにかく主人公と銀花がお互いに本気で恋しているということは一貫しており、上手くいかなくても、常にお互いが
お互いのために動いている。本当に上手くいかないんだけど。
でもその純愛が最後に実を結び、最初の約束につながるという構成はとんでもなく綺麗だった。
その純愛の魅せ方自体は、従来の紺野アスタさんの良い部分は存分に出ていたと思う。
日常シーンも常に良かった。シリアスだと可愛げを見せない銀花の可愛い部分を存分に見せてくれる。
して誰もが思うであろう、ギンカが可愛すぎる。アトリもそうだし、ひまなつの雛ちゃんとか、
小さい可愛い子を描くのが上手すぎる。
悪い点としては、銀花のお母さんだったり、初代の巫女だったり、後半に大事なキャラが増えるのは、あまり好きではなかった。
物語を完結させるために出てきた感じを強く感じてしまった。
悪いというほどではないが、バトル要素も、もっと緩くてもいいのかなとは思った。
普通に楽しむことは出来るのだけれど、おそらくこの作品が見せたい部分はバトルでは無いと思ったので。
正直前半の終わりが最高値なので、そこも良くない点と言えば良くない点。
流星のことを心から想ってるギンカの気持ちが存分に出た最後であり、本当に名シーンだと思う。
EDでの余韻も最高のシーン。この盛り上がりが最後の方がもっと人気は出たかもしれない。
実際のラストも最高なのだけど。
紺野アスタさんには珍しく、プレイヤーとしては辛い気持ちをため込んで、一気に解放されるようなゲームだった。
ATRIはむしろ最後だけ少しつらいゲームだったので、逆と言っていい。そこもATRI好きに良くない点。
GINKAはGINKAというゲーム単体で見て貰ったら、きちんと面白い作品だと思う。
欲を言うならエピローグはもう少し見たかったかも…。
※追記
見たいエピローグがまさかの無料追加。本当に見たかったものをお出ししてくれたので、本当に感謝です。
キャラについて
一番好きなキャラ:銀花
主人公(流星):
見上げての主人公とかみたいな、少しぶっきらぼう気味で、いじわるとかもするけれど基本は優しい主人公。
まあテンプレと言えばテンプレ主人公。
可愛い銀花、ギンカに悶える姿がとても面白いが伏線だった…。
銀花への愛情が本当に一途でそこはかなり好感が持てる。頑張れる男の子は素敵。
ギンカ:
神隠しから帰ってきたと思われた女の子。無邪気で流星に懐いている姿は本当に可愛く、ずっと見ていたい。
銀花の恋心ということで、流星への想いが本当に強く、流星の発言、行動で一喜一憂し体を張って流星を守る姿は
こんなの誰でも好きになる。可愛すぎる。
銀花:
クールな女剣士といった感じの子。流星に対して特に想いは無いので、会話も結構ぶっきらぼう。
恐らく評価がはっきり分かれる子。ギンカを殺してしまったり、呪いに侵されて流星に夢を見続けさせたり、
その際に毎度殺してきたりと、プレイヤー側にヘイトが溜まりそうな行動が多い。
後半部に入ってからは行動理念は常に流星を守るためであり、そのために自分の身を案じていないので、
流星目線で見るともどかしい気持ちになる。
この子を好きになれるかどうかで、結構このゲームの評価が変わる気がする。
個人的にはなんだかんだで常に流星のことを考えている姿に胸打たれたので、大好き。