とにかくイチャイチャ特化の作品。普通に恋人になり、大人になり、結婚…といった流れをギャグすら少なめで進めていくことになるので、正直テンポは悪かった。それでも人と人との繋がりだとか、恋人と幸せながらもどう人生を過ごしていくかとか、そういうところは丁寧に描かれていた作品だと思う。個人的にはそら、夏希ルートの面白さが頭一個抜けていた。
以下、各ルートクリア時にそれぞれ感想を記載
攻略順:真里花→透子→美砂→夏希→律佳→そら
〇共通
tone work's作品初プレイ。真面目な恋愛ものみたいな噂だけ聞いていて、それならば好みに合っていそうと購入。評価も高いので楽しみ。
久しぶりに故郷へ帰ってきた、一人暮らしの主人公が幼馴染の真里花を筆頭に次々に女の子と仲良くなっていく共通。
行事委に入った以外は本当にあらすじとしてはこれだけ。
大したイベントは起きないが、主人公含めみんないい子で文章も読みやすく、さくさく読める。
悪い言い方になってしまうが、ノリは少し古臭く、Shuffleとか、その辺の作品のノリを感じた。
ちょっとむずむずする感じの、ちょっと臭いセリフも結構飛び交うような感じ。
主人公は陽キャで、ありがちな女の子に話すの苦手と言いながら女友達多いみたいな感じではなく、普通に女の子に積極的に話しに行くことが出来るし遊びの提案とか、特に用のない連絡とか出来るタイプ。
とはいえ軽そうな感じではないので、そのあたりがすぐヒロインたちと打ち解けている理由だろうか。
面接のときにきちんと受け答えが出来ていて、目上の人にきちんと接することも出来るので、コミュ力についてはやたら高い。実際共通は転校から10日くらいのお話しなので、とんでもスピードで女の子と仲良くなっているのがわかる。
しかも6人中4人は自分から積極的に話したから打ち解けているし。
センターヒロインはそらだと思われるが、真里花だけ昔からの知り合いなので、過去話があったり、一緒にいること多かったりで、真里花が一番目立っていると思う。
プロローグの過去話も真里花とのお話だと思われるので、そらは個別ルートでセンターヒロインらしさを見せてくれるといいなと思う。
共通部は本当にみんなと仲良くなっただけのところなので、物語的にはまだまだここからといった感じ。
〇真里花
良くも悪くも、普通に恋をして、順当に結婚して幸せになるお話。
正直そんなに面白いと思わなかったのだけれど、とにかくイチャイチャが見たい人には良いと思う。
学生編は結構面白かった。七夕まつりの展示がどんどん形になっていくのは楽しかったし、真里花との過去話が明かされるにつれ、そりゃあ真里花は涼介のこと好きになるよ。と思える。
真里花の「おとなになりたい」を見てすぐに「真里花がおとなになれますように」と短冊に書ける幼い日の涼介は流石にかっこいいしいい奴。
また、昔のイメージが崩れずに真里花に対し過保護な涼介は、疎遠だった幼馴染という属性が生きていて良い。
真里花が一方的に涼介に惚れている期間が、正直一番真里花が可愛かった。すぐ照れるけど積極的なそんな真里花が可愛い。
避妊をしっかりしているゲームは比較的珍しい。とはいえ場所は選ばないのでリアルな訳では無い。
ただゴムに興味持ったりだとか、入れる場所わからないだとか、実際に起こりがちなことを盛り込んでくるのが新鮮。本当に人の恋愛を見ている感じがある。
大人編は本当に順当に、試験合格→プロポーズ→結婚式→子供が生まれ仕事も上手くいくこの流れを見せられるだけなので、基本的にはあまり楽しめなかった。
学生時代の七夕まつりの時や、プロポーズを報告した時など、お父さんとのお話は基本好きだった。
娘を渡したくないけれどいいやつだなこいつ…くそ…みたいな感じがにじみ出てていい。
大人編になるとお父さんの当たりがすこし柔らかくなっているのも良い。
プロポーズ報告時は特に、声色が優しくて、声優力もありいいシーンだった。
結婚式の新婦からの手紙は、流石にちょっとうるっと来た。私はリアルの結婚式でもすぐうるっと来るので…。
それと最後プロローグの流星群に繋げるのは流石に終わり方綺麗だなと思った。
逆に言うとその辺り以外のお話は特に面白いと思えなかったので、大人編はちょっと評価低い。
また、私はいろんなキャラが絡む方が好きなので、大人になるとヒロインズが誰も出なくなるのも寂しい。
あと、涼介くんから、涼介に変わった時とか見たいので、空白期間が普通に見たい。9年間は飛びすぎ…。
主人公に自己投影する人なら、イチャイチャしかないと言っていい大人編も楽しめるのだろうか。
私は自己投影しないタイプなので、ギャグも無く、ヒロインの行動が際立って可愛かったりだとか、
主人公の行動が際立ってカッコよかったりだとかも無いひたすらイチャイチャなのはちょっと辛かった。
もう少し感情が揺さぶられる何かが欲しかったなあと思う。
〇透子
恋人お試し期間が全くお試しに見えないことがずっと引っかかって素直に楽しめなかった。とにかくそれに尽きる。
どうせ離れることになるから、試しに全力で恋人やろうという事かなとも思うけど、それだと好きかどうかの確認が後に控えていたのもよくわからなくなるし…。
お試しと言ったのに最初から全力でラブラブで、どうしても気持ちがついて行かなかった。
付き合う前の、透子を好きになり、その思いを成就させようとみんなに知恵を出してもらいながら、頑張ってあがく涼介くんはかっこよかった。この辺りが正直一番面白かった。
付き合ってからの涼介はセリフが臭いのがちょいちょい気になってしまった。後半だけれど、好きなところに指輪付けてくれ、左手の薬指だと嬉しいなみたいなセリフは特に臭く感じた。まあ許容範囲だけれど、いまいちのめり込めてないときに臭いのはちょっときついんだなと思った。
孤独でいいと思っていた子が引っ張り出されて、やっぱり別れが寂しくなるけれど、みんなが望んでくれたからやっぱり別れなくて済む方法を模索したいと考えるようになるという、この透子の気持ちの変遷は綺麗だったと思う。これに関しては良く描けていた。
また、将来の夢が無かった透子が好きな相手をそばで支えたいという夢を持っていくのも、孤独でいいと思っていた子とは思えない夢になっていて、ここも綺麗。
学生編が終わった後一瞬大学編をやるが、大学編は正直かなり見たかった。基本大学編で、卒業後をあっさり描いた方が好みだったなあと思ってしまう。あのカップルが大学入学からイチャイチャしていて周りからからかわれる様は見たい。
学生の時はお試しなのにいちゃついていることに違和感あったが、afterではそんなことないので、afterの方が透子と涼介の関係は素直に楽しめた。いつまでも学生みたいないちゃつき方している二人は見ていてほほえましい。
代わりに、やはりafterは他のキャラが全然出てこないのが寂しい。
このルートだと、そらと律佳が仲いいのとか、かなり好きだったので、どうなったのかとか知りたい。
どうにも、そこが見たいのに…みたいなことが多いゲームだなと思う。
〇美砂
これまでプレイした個別ルートで一番楽しめた。展開が丁寧で、学生時代に起きた出来事がアフターでも生きていて、そこの関連付けに感心したし面白いと思えた。
美砂のルートらしく、学生時代は水族館を主として展示をする方向のお話。そこで出てきたツユベラの話はもちろん、アクアリウム、プラネタリウムの語源の話が後に生きるのが良い。そうでなくとも魚の話は感心することが多くて、美砂の説明は素直に楽しかった。
水族館の展示を作るにあたって、透子や律佳の意見もしっかり生きているのが良かった。これによりキャンプ行ったメンバー全員で作っている感が出てくれた。
その後人見知り組で準備を進めて、そのメンバーで少し仲良くなっているのも何か良い。そっちだけのお話も少し見たかったくらい。
旧館の使用許可がこのルートだけ妙に出ないというのは少し気になったが、それでも旧館を使用するためのプレゼンは美砂ルート学生時代屈指の名シーンだったと思うので、まあいいか。真摯に頑張った涼介のプレゼンと、それに感情で訴え、心から成功を喜ぶ美砂に少し泣きそうになってしまった。
停電問題や、水が濁ってしまった問題などありつつも、涼介と美砂がどちらかが弱った時にはもう片方が支えて、という構図で乗り切っているのも良い恋人関係感が強くて良かった。お互いがお互いを大事にしたいという気持ちが伝わってくる。空回りもするけれど。
アフターになってからは、学生時代とさほど変わらない恋人関係なのが良かった。美砂に対して涼介がため口になっているという変化はありつつも、キスで口を拭ったりだとか、いちゃつき方が昔と一緒で、ずっと仲良いんだなあと安心する。
いつため口になったのかは正直気になるけれど。
美砂の教え方が上手いことがボランティアに繋がっていたり、水族館の改装でくらげりうむという名前が使われたり、プレゼンが大事だったり、本当に学生時代に起きたことがたくさん使われているアフターで、素直に感心した。奇をてらったりは無くとも、水族館が復活したことを何だか素直に祝福できる。着実に頑張っていた事を知っているからこそだろう。
欲を言えば、くらげりうむに感動しているお客さんの反応は見たかったけれど、十分面白いルートだったと思う。
〇夏希
非常に丁寧なルートだったなと感じた。school編、Afterともに流れが綺麗。
最初にやった2ルートが個人的にちょっといまいちだったので、美砂ルート、夏希ルートと連続で丁寧な出来で面白く、このゲームの評価が高い理由がだんだんわかってきた感じがする。
好きになる過程みたいなものは薄かったように思うけれど、それでもぐいぐい来る女の子といっつも一緒にいたら好きになるよね。
好きになってからのお互い意識している甘酸っぱさの表現や、告白シーンのちょうどいい、学生らしい恥ずかしさなんかは絶妙なバランスで表現されている感じがしてとても良かった。
いつも強気でみんなを振り回していた夏希が、恋愛事に振り回されている様も、王道だけれど可愛くて良かった。
イチャイチャしていてもどこか友達の頃の気安さみたいなものが残っているのも良い。こういうイチャイチャが良いんだよ…!
写真を好きだから撮ってるだけだった夏希が、苦労して今まで取ったことのない写真を撮り、その結果いつも以上にたくさんの笑顔を見ることが出来た。それにより定まっていなかったみんなを笑顔にする写真を撮るという目標が出来た。この流れが綺麗過ぎる。
アフターに入って、いきなり結婚していて驚いた。今までのルートは結婚がゴールのような雰囲気があったので。
ルートごとに変化があるのは良いこと。2人の職場付き合いも近くて世界が狭すぎる感じもするが、そこはご愛敬。
どちらの上司にも良いいじり方をされていて、どちらも良い職場なんだろうなあと思う。
昔を振り返る会話で、楽しかったからなあ、あの頃→今より?→今は幸せだ の会話が素敵すぎてすごく印象に残った。
学生のわいわいした楽しさと、結婚して落ち着いた時間の幸せはどちらも大切だけど、確かに全然違うものだよなあ。
学生時代に写真を撮ることで色んな人を笑顔にしてきたことの恩返しとして、賞を取れるくらいの幸せを感じさせてもらう。
この展開も綺麗で、ゲームに出てきていない部分でも、良い学生時代だったんだろう感が強くていい。
このルートは人を笑顔にするためにやってきたことが、人と人との繋がりでさらに多くの人を幸せにする。そんな流れが綺麗に描かれていて、本当に幸せな気持ちになれるルートだったと思う。
〇律佳
一番気合の入っていたルートな気がする。多分だけど他ヒロインの1.5倍くらいの尺があったのでは?ルート入る前の合宿時点でも律佳だけは川でのやり取りという大きなイベントもあるし、実は真のヒロイン感ある。
他ヒロインルートに無かった特徴として、律佳目線のパートがあったことが挙げられる。最初は結構ツンツン気味の律佳だからこそ、涼介に心惹かれていく様子はこれでわかりやすくなっていたかなと思う。せっかくのツンデレだからわかり辛くてもそれはそれで面白そうだが。
付き合うまでの二人は、お互いに心乱されまくりで、お互いすぐにムキになる感じで、本当に周りから見ても意識し合ってることは夏希じゃなくてももろバレだったんだろうなと思う。
何で好きって自覚ないんだろう…ってくらい涼介は積極的に律佳に絡んでいくので、まあ律佳は心乱されまくってたんだろうなと。自然と出来る涼介は本当にすごい。モテないはずないな、この男。
正直個人的にはこの頃が一番律佳ルートで楽しかった時期なので、律佳ルートは尻すぼみな印象にはなってしまった。
付き合ったら甘々になるのはまあ解釈一致なのだけど、惹かれ合ってく過程が見られるのと、ただただイチャイチャし続ける二人を見るのとでは、圧倒的に前者の方が楽しかったなあという話。
付き合ってからのイチャイチャが度を越しているというか、街で見かけたりしたらうわあ…ってなること間違いなしのバカップルだったのが個人的に好みでなかったというのもある。夏希ルートくらいがいいんですよ…。
とりあえず授業中にキスとかはまじでやめて欲しい。意外と見られてるんだよな、ああいうのって…。
他ルートよりもエロ方面で涼介が調子に乗るのもちょっと嫌。エッチなことのお願いの仕方が少し気持ち悪い。後、わたしと性癖が合っていない。パレオを取るんじゃないバカ!
それはそれとして、学生時代のピアノに関するお話は丁寧な構成になっていて良かった。
授業中に律佳がピアノを弾かなかったこと、涼介の試験の時に弾いてくれたことが良い伏線になっており、涼介を通じてピアノへの向き合い方もどんどん変化していることが分かりやすかった。
めぐるとの確執も、そもそもめぐるのことは大好きという前提があるので、ピアノにしっかりと向き合うことが出来るようになった段階でめぐるとも打ち解けられるのは必然なので、そこに時間が割かれ過ぎなかったのは良かったと思う。
アフターに関しては、他ルートと違い大学生編が中心なのは地続き感が強くて良かった。どのルートよりもこの二人がどんな軌跡を歩んできたのかわかりやすく、この二人の人生をじっくりと見させてもらっている感じがした。
だからこそ起伏が無くてダレが強くなってしまうという話もあるのだけれど…。
せっかくだから、立ち絵が無くても大学の友達とのやり取りとかはもっと見せて欲しかったなあと思う。
せっかく律佳視点があるのだから、大学での一幕とかあっても良いと思う。アフター以降特に、周りからからかわれる描写とかも少ないからずっと似たイチャイチャ見せられている気分になるっていう部分もあったんだろうなあ。
アフターに入ってからのピアノ関係は少し上手くいきすぎかな…と冷めてしまった部分はある。
才能が無いと諦めていたレベルのピアノだったはずなのにとんでもない賞をたくさん取って日本でも有名になるレベルなのはやりすぎかなと思う。最終的には世界一にはなれないという締め方ではあったけれど、もっと音楽の先生に落ち着くとか、そういう方向性の方が納得出来たなあと思う。流石に愛の力が凄すぎる。
このルート最大の好きなところとして、友達関係のお話に結構時間を割いているという部分がある。
そもそも律佳が孤独だったということもあり、涼介だけでなく、夏希を中心にただの知り合いみたいな関係からどんどん友達、親友になっていく過程も見られるし、汐凪フレンズというわかりやすい集まりもあるし。律佳がちょくちょく夏希と遊ぶから涼介のお誘いを断るのも〇。
アフターになってもある程度は登場してくれていたし、一番最後は学校でみんなとの思い出を辿ったりと、友人関係を大事にしている感じはしっかりと出ていて、ここまで文句もある程度書いたが、ここは律佳ルートの本当に好きなところ。
アフターでは大人たちにたくさん支えられるのも良い。お互いの両親、我妻さんが大人としてしっかりと二人を見守り、支えてくれるので安心感がすごい。
長い時間を使って一組の男女の人生をしっかりと描いたルートだったと思う。それゆえ起伏も薄くダレたところはダレた。
とはいえ丁寧なのは間違いなく、ピアノ上手くなり過ぎ…以外はそれほど気になるところはなくプレイ出来た。
とにかく律佳とのイチャイチャが見たいんだ!っていう人には最高のルートだったのではないでしょうか。
〇そら
一応幼馴染であり、そらから見ると、涼介は初恋の相手でずっと再開を望んでいた。
軽く示唆はされていたけれど、そらルートで明かされた真実で一気にセンターヒロインっぽくなった。
話も他ルートと比べると展開多めで面白かった。ライターさんが夏希ルートと同じということで納得。夏希ルートも比較的飽きさせない構成になっていたと思う。
そらルート以外ではあまりなかったはずだけど、そらルートは終始星の話をしているので、このゲーム自体が星のお話をメインにしたゲームかのように錯覚してしまう。それくらい星のお話の密度は濃くて楽しかった。
神話のお話なんかは知らない話も多くて、そらは星に詳しいな…感が余計に強くなる。かなり星のお話を盛り込んできたライターさんの努力に脱帽。
序盤はそらと一緒にずっと星の勉強をしているので、星の話をずっとする土台がこの段階でもう出来ている。星に興味を持つ涼介と一緒にプレイヤー側もどんどん楽しくなっていくような作りになっていたと思う。
一緒に楽しんで勉強して、ずっと一緒に過ごして、それでいて実はそらがモテることが発覚したりと、恋心に気付く土台は他ルートよりしっかりしていたかなと思う。夏希ルートもそうだったが、付き合う前はもちろんのこと、付き合ってからの距離感も良い。近すぎないというか、お互いに気遣い合う距離感がある。律佳さんは見習って?
美砂ルート以来の、トラブルが多めなルート。そもそも決めるのが遅かったプラネタリウム製作で、突貫工事の結果なので仕方ない。
正直何故このルートだとあんなにそらが参加を渋っていたのかがわからなくて、このルート唯一のもやっとポイントだと思っている。
涼介ももっと早く結論を迫っても良かったと思う。まあおかげで恋人になれたのはそうなのだけれど…。
それでも必死でプラネタリウムを成功させようと頑張っている様子はたくさん見せられたので、結果的に上手くいったときは、そらがきちんと解説出来ていることも含めて少し泣きそうになった。そこのまとめ方はしっかりしていた。
Afterになって、このルートでは涼介が独立。ここに来て見たことない背景が出てくるとは思わなかった。いい事務所ですね。
Afterで比較すると、そらルートの面白さは頭一つ抜けていたように思う。慣れない一人仕事で体を壊したりしながらも、そらとお互い支え合い、どちらも相手のおかげでなんとか前に進んでいく。
上手くいきすぎ感もあるけれど、実際にそらのプラネタリウムは楽しそうだったし、涼介も実力があるのはわかっているので、そこまで違和感はない。秀一がいの一番に頼ってくれたり、師匠が手助けしてくれたり、それまでの積み重ねで上手くいっている感じも強く出ていて良かった。
流れ星の解説なんかも、涼介が昔言ったことと絡めていたりして、このライターさんはそういうエモさを出してくるのが良い。
涼介、そらのサクセスストーリーとして素直に面白かった。
〇全体の感想
一番好きなキャラ:そら
正直、とにかく長かった…。イベント事は少なめ、付き合うまでに一悶着みたいなこともほぼ無く、それでいてギャグも少ない。とにかくイチャイチャを見せられることになるので、テンポは悪かったと思う。実際何度か時間を置いたので、プレイを始めてからクリアまではかなり時間がかかってしまった。
じゃあ駄目だったのかと言われるとそんなことは無く、人と人との繋がりだとか、恋人と幸せながらもどう人生を過ごしていくかとか、そういうところは丁寧に描かれていた作品だと思う。
そらルート、夏希ルートは積み重ねが後半の流れに繋がっている、という展開が多く、この2ルートが特に好みだった。
どちらも魁さん担当のシナリオのようなので、魁さんの評価が私の中で上がった。今後もシナリオにこの名前があれば、安心感が得られそう。
美砂ルートも結構好きで、このルートは特に七夕祭りに賭ける想いが伝わってきたのが良かったなと思う。
逆に、真里花、律佳、透子は少しつまらないと感じてしまったので、結構ルートで好みがでちゃったなと思う。ルート入ってからもストーリーが長めなので、より顕著に好みが出るのかなと。まあ真里花は他二人より全然良かったのだけれど。最初に攻略したのでイチャイチャを楽しむ心構えが出来ていなかった感が強い。
律佳ルートはお互いしか見えていない感がちょっと苦手で、透子はお試し期間とは…が気になり過ぎた。
とにかく事件とか起きないので、そのルートの雰囲気が楽しめないと苦しい。逆に空気感が楽しめると、ずっと楽しんだと思う。
5,60時間くらいはかかるこのボリュームで、これだけ事件無く描き切ったことは本当に凄いことだと思う。私がそうでないだけで、イチャイチャだけをとにかく楽しみたいんだ!って人には本当に神ゲーなのではないかと思う。
そんなところが高評価の理由なのかなと。
良いゲームだと思うけれど、私にはそこまで合わなかった。世間程の評価は上げられないけれど、それでも楽しんでプレイは出来た作品だった。